介護福祉士を目指す外国人留学生を支援 厚労省 国試義務化先送りで方針

社保審・福祉部会 15日

大学や専門学校などの養成校を卒業した人に国家試験を義務付ける介護福祉士の資格取得方法の見直しについて、先の通常国会では5年間の先送りが正式に決定された。【Joint編集部】

厚生労働省は15日、社会保障審議会・福祉部会を開催しこれを報告。今後、外国人留学生や養成校への支援に力を入れていくと理解を求めた。国試対策の教材を作成する経費への補助など、必要な財政措置も行いながら教育現場を後押ししていく構えをみせている。

第25回社会保障審議会福祉部会資料

今回の国試義務化の先送りは、養成校に通う留学生が大幅に増加している現状を考慮したもの。昨年度は入学者全体の約3割を占めるに至った。今はコロナ禍で異なる局面にあるが、将来的には更に増えると期待されている。

留学生にとって国試はハードルが高い。合格率は昨年1月実施分で27.4%にとどまる。厚労省は2022年度から義務化する予定だったが、そうすると今の良い流れに水を差すと判断。2027年度まで先送りする案を採用した。

介護福祉士の資格の価値や社会的評価の向上を妨げる − 。関係者からはそんな反対論が続出したが、最後まで立場を変えず法改正を断行した。

15日の福祉部会でも、予定通り2022年度から義務化すべきだったという批判が相次いだ。「全く話を聞いてもらえなかった」「本当に残念」。ため息まじりに話す委員も少なくなかった。「もう二度と先送りしないで欲しい」との声も多くあがった。

これに対し厚労省は、「経過措置はあくまで暫定的なもの。この間に国試の合格率を高めていく」と約束。教育現場への支援とあわせて、養成校ごとの受験者数、合格者数、合格率を新たに公表していく考えも示した。

また、「介護福祉士の果たすべき役割をより明確にし、資格の価値を高めていくことが必要」との見解も表明。キャリアモデルに関する調査研究を今年度に実施し、より具体的な方策の検討につなげていくと説明した。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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