障害福祉→介護保険、多くの自治体が自己負担の軽減措置を周知せず 厚労省

厚労省

障害福祉サービスの見直しなどを議論する社会保障審議会・障害者部会 − 。8月末に開かれた会合では、「高齢の障害者に対する支援」が俎上に載せられた。論点の1つとなったのは、利用者の自己負担とその軽減策のあり方だ。【Joint編集部】

厚生労働省は会合で「新高額障害福祉サービス等給付費」を取り上げた。この制度は、65歳を超えて介護保険のサービスを使い始めることで新たに生じる自己負担を、一定の条件下(*)でゼロにするもの。保険優先の原則によって障害者の生活が苦しくならないよう、2018年4月に創設された。

* 一定の条件
介護保険サービスに相当する障害福祉サービスを65歳直前に5年以上利用していた人、障害支援区分2以上の人、低所得の人など

社会保障審議会障害者部会(第116回)

厚労省が部会に提示した2020年度の調査結果によると、対象者に案内を送るなどこの制度の個別周知を行っている自治体は32.6%。全体の3分の1に満たなかった。また、公式サイトや広報誌などで幅広く周知している自治体は10.6%にとどまっていた。

厚労省はこうした実態を踏まえ、「この制度を積極的に周知していない自治体、支給実績のない自治体も一定程度存在する」と問題を提起。自治体が負担に感じることでは、「対象者の抽出・確認」「介護保険部局との情報連携」「介護保険、生活保護との併合調整」などが多いことも報告した。

委員からは運用の改善を促す声が続出。「個々の利用者の特性に応じたきめ細かい対応が必要」などの指摘がなされた。このほか、「障害者が一律に介護保険の適用をせまられる事例が後をたたない」「法制度の正しい理解が進むよう啓発をお願いしたい」などの意見もあった。

厚労省は今後も制度の改善に向けた検討を深めていく方針。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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