「介護保険は使えないの?」大掃除が自費と知った高齢者のとった策とは?【介護漫画】

もうすぐ年越し。大掃除をして、できるだけ家の中をきれいに整えて迎えたいものですよね。そう考える訪問介護の利用さんも少なくないかもしれません。
ですが、介護保険にはできること・できないことがあるんです。お願いしたかったことが自費だと知った高齢者がとった行動とは?

介護保険が使えないの?!

私たち訪問介護員が、なぜ訪問を続けたいと考えているのか。
利用者さんが私たちヘルパーの訪問を毎回楽しみにしてくれている、というのがその理由のひとつです。

利用者さんから直接「来週も楽しみにしてるよ!」と声を掛けていただける場合もありますが、その日のサービスが終わると利用者さんがなんとなく寂しそう、といったケースが多いでしょうか。

家族と離れて暮らしている利用者さんであれば、一人暮らしの寂しさが部屋の様子からも伝わってきます。

互いに信頼関係が築けるまでには時間がかかりますが、築けたそのあとはまるで家族のような繋がりが生まれる。だからこそ訪問を続けたいと思うのかもしれません。

しかし親しき中にも契約アリ。訪問介護の利用をスタートする際にはいくつかの約束事があり、利用者がヘルパーに依頼できることは限られています。

介護保険内でできないことは「自費サービス」と言い、植木の水やり、ペットの散歩、窓ふき、布団干し……などなど、実はとっても多いんです。

年末のこの時期には、ヘルパーとの信頼関係が深い利用者さんほど、大掃除に近い依頼をされる傾向です。
しかしヘルパーとしては大変心苦しいこと。なぜなら、きっぱりと断らなくてはいけないからです。

「換気扇を拭いて」「毛布を干して」「玄関ポーチに水を撒いてブラシでこすって」……などなど。
「できないんです……」「なんで?!」と押し問答になることも。ちょっと気まずい空気です。

中にはポジティブに「お金を使わず自分でやってみよう!」と思ってくださる利用者さんもいます。
ある利用者さんは、「けっこうやればできるもんだね!」と、自分一人で干したお布団を見せてくださいました。

訪問介護には制約がありできないサービスも多いですが、利用者さんとの信頼関係が崩れないよう努めています。

介護保険内でできるだけのことをやり、利用者さんとしっかりコミュニケーションをとって気持ちの面でもフォローしていきたいと思います。

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漫画・コラム:藤木 なみき

介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了、介護予防運動指導員、ビューティータッチセラピスト
2003年より出産・育児をしながら介護職員として働く。訪問介護、デイサービス、デイケア、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、これまで多数の居宅サービス、施設サービスを経験。現在はホームヘルパーとして働きながら、さまざまな職場での実体験をもとに介護関連のイラストや漫画を作成する。

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