家族の介護を一人で背負う母。息子が口にした母へのモヤモヤ[介護漫画]

白血病で余命宣告を受け、入院と自宅療養を繰り返すことになった父親。家族の生活に大きな変化が訪れました。
母親の介護する様子を見て、息子は我慢できない気持ちを口にします。

前回を読む

「ずっと誰かの介護してるやん!」

父は入院と退院を繰り返すようになり、本格的な治療が始まりました。家にポータブルの酸素ボンベがあるのも見慣れた光景に。

これまで家族にも親戚にもガンに罹患した人はいなかったため、他の方はどういった感じで治療をすすめているのか、我が家が特別なのかどうかも分かりません。

母は祖母父(父方)、祖母(母方)の3人連続で介護をしていたので、それが当たり前のようなスタンスでしたが、正直、僕には疑問に思うところがありました。

もちろん家族の大事であれば、残った家族がフォローするのが自然なことだと重々わかっています。

ですが、我が家では介護のすべてを母がほぼワンオペで担当していたので、そこまで自分の人生を捧げることが本当に正しいことなのか?と思っていました。

金銭的な問題もあるとは思いますが、髪を切るなら散髪のプロ。介護のことは介護のプロにおまかせするのが自然なことに感じるからです。

個人的には、世間の目や昭和以前の考えを気にする必要性って、そんなに重要ではない気がします。

母は介護のすべてを誰かに任せる選択をしませんでした。それが費用的な理由なのか、自分でできるという意地なのかは分かりません。

基本的に人に迷惑をかけることに気をつかうタイプだと思いますが、理由を聞いてもいつもはぐらかされるので、本心の部分は分かりませんでした。

家族が介護するもの! そんな固定概念があったのかもしれません。
ですが、家族と言えど、それぞれの心と肉体があるわけで、共有しているわけではなく、乱暴な考えではありますが、しょせん別の個体だと思います。

なので、僕は母の考えに完全に同意できませんでした。

日本の医療制度は世界的にみても優秀だと思いますし、補助金等も充実していますよね。これまでちゃんと納税してきているわけですし、その分、補填してもらえるところは頼っていいのでは、と。

家族としての責任とはいいますが、家族の責任の前に、まず自分の人生の責任を大事にするべきでは?と思ってしまいます。

前回を読む

次回を読む

第1話から読む

この記事をシェアする

漫画・コラム:やまデザイン

イラストレーター・デザイナー
WEB系デザイナーとして地元企業に正社員勤務していたが、父と母の両親2人の介護のため、ボーナス支給直前にやむなく介護離職(涙)。現在、WEB系漫画・イラスト・デザイン関係の3本柱でフリーランスとして田舎で奮闘中。

ハートページナビは、介護保険・介護サービス事業者情報誌「ハートページ」のWebサイトです。
ハートページ誌は、全国約70市区・約100万部を発行する業界最大級の介護情報誌。20年を超える歴史(2001年創刊)、カバーするエリアの広さ、発行部数、各自治体や連絡協議会と連携し制作された信頼性の高さで、介護に関わるみなさまより高い評価を得ています。
ハートページナビでは、介護情報を専門に扱うサイトとして、介護に関わる皆さまに必要な情報、役立つ情報などを掲載しています。

おすすめコンテンツ

メニューを閉じる