歩行リハビリを重視する介護付き有料老人ホーム『グランクレール芝浦ケアレジデンス』。“歩くこと”にこだわり、ご入居者は元気になったら自宅に戻るという選択もできます。
歩くリハビリへのこだわり、取り組みについて、支配人 岩崎ひろ子さん、機能訓練指導員 江波戸寿樹さんにお話を伺いました。
<グランクレール芝浦 ラウンジ>
――『グランクレール芝浦ケアレジデンス』では歩行リハビリを重視されているのですね。
支配人 岩崎さん:リハビリを導入したきっかけは、2024年8月からです。それまでは普通の介護付きの有料老人ホームでしたが、入居を検討されているご家族などから「リハビリはどのくらいされていますか?」という質問をよく受けていたんです。
多くの方がリハビリを望んでいることがわかり、ご要望に応えたいとの思いから、リハビリに重きを置くことにしました。なかでも“歩くこと”はご入居者のQOL(生活の質)向上につながります。そういった理由から、歩くリハビリを重視する住宅に生まれ変わりました。
<ウォークアップルーム>
――歩行リハビリではどのような運動をするのですか?
機能訓練指導員 江波戸さん:リハビリでは、「パワーリハビリ」と「3連Pウォーク」という機器を使用します。
パワーリハビリは、お腹、腕、下肢に効果があるものが計6機種です。体力のないうちにただ歩くのでは疲れてしまうため、「もうやりたくない」とならないように、まずはこの6機種で全身を動かして基礎体力をつけていただきます。
筋力がついてきたら、3連Pウォークを使って実際に歩いていただきます。ハーネスで体全体を支えるため、転倒の心配はありません。自重を軽減して、水中ウォークのように歩きやすくすることも可能です。
また、片麻痺の方なら麻痺のある足の方だけ軽くするなど、その方の状態に合わせて調整することもできます。
――リハビリは何分くらい実施するのですか?
機能訓練指導員 江波戸さん:リハビリの所要時間は1回あたり60~90分です。最初に全員で体操してから、機器を使って体を動かしていただきます。
3連Pウォークは短い方で10分、長い方だと40分くらい歩かれますね。2キロ近く歩く方もいらっしゃいます。
疲れやすい方は休憩を多めにするなどして、無理なくリハビリに取り組んでいただけるように工夫しています。
――歩けるようになるために大切なことは何かありますか?
機能訓練指導員 江波戸さん:「歩きたい」という気持ちや、「歩けるようになったらこれをしたい」という目標を持つことがいちばん大事だと思います。行きたいところや、やりたいことの目標があると、リハビリに積極的に取り組めるようになります。
ですが、歩けない段階では目標がない方が圧倒的に多いんです。リハビリを続けて歩けるようになると、「外を歩きたい」「近くのコンビニに行きたい」と少しずつやりたいことが出てくる方もいますが、それでもすべての方に目標ができるわけではありません。
目標をつくるお手伝いとして、最近では“ショッピングリハ“という取り組みを始めました。
車でスーパーマーケットまで行き、店内ではご自分の足で歩いていただきます。高い棚の商品をご自分で取っていただくことも、リハビリの一環です。
それまで目標がなかった方も「また買い物に行きたい」「次はあれを買いたい」など、自発的になっていただけました。
掃除スタッフに「今日買い物に行くんだけどおすすめのものある?」と、自らコミュニケーションをとる方もいるなど、良い変化が見えていますね。
支配人 岩崎さん:店内では、明らかにいつもより歩くスピードが速い方や、弾けるような笑顔を見せる方もいらっしゃいます。マシンで歩くだけより、ご自分で品物を選びながら歩くのは楽しいですよね。
ただ、なかには買い物に関心のない方もいらっしゃるので、ご入居者が楽しめる別のリハビリも検討中です。
<機能訓練指導員 江波戸寿樹さん>
――リハビリの効果のほどはいかがですか?
機能訓練指導員 江波戸さん:全体として、皆さん体力は確実に向上しています。一人でトイレに行けなかった車椅子の方が、3カ月くらいで付き添いなしでトイレに行けるようになったという事例はありますね。
支配人 岩崎さん:歩くときに歩行器が必要だった方は、リハビリを3カ月くらい続けたことで、歩行器がなくても歩けるようになり、要介護度が3から1に改善しました。
今ではご自分の足だけで外出していて、この前「もう歩行器はいらない」と返されてしまいました(笑)。
機能訓練指導員 江波戸さん:あと、車椅子の方がリハビリのあとに車椅子に座ると、すごく姿勢がよくなっています。
運動して覚醒(注:うとうとせず意識がはっきりしている状態)が上がると背中の筋肉も働くので、リハビリが終わったあとにはシャキっとするんです。リハビリを続けることで、姿勢をキープできるようにもなります。
支配人 岩崎さん:姿勢がよくなることによって喉の通りもよくなるので、飲み込みがスムーズになった方もいらっしゃいますね。誤嚥のリスクが減ったと思います。
こういった事例は、全国介護付きホーム協会が開催する「介護付きホーム研究サミット2025」で発表させていただきました。「在宅復帰が最終目標!ご自身の夢を実現させるリハビリ~徹底した歩行リハビリでADL・QOL向上~」という事例研究が評価され、優秀賞の1組に選ばれました。
10月末にはグランプリを目指して、再び発表の機会があります。多くの方に取り組みを知っていただけたら嬉しいですね。
――「在宅復帰が最終目標」ということは、入居後に自宅に戻るという選択もできるのですか?
支配人 岩崎さん:元気になったらご自宅に戻っていただいても大丈夫です。在宅復帰を目指す有料老人ホームは他にあまりないと思いますが、新しい選択肢にしていただけたらと思います。
機能訓練指導員 江波戸さん:ご希望があればショートステイもご案内しています。ショートをご利用の方でも1週間くらいリハビリしていただくと基礎体力が上がります。歩ける距離がだんだん増えて、外出できるようになった方もいらっしゃいますね。体力が上がるので、寝たきり予防にもなると思います。
<支配人 岩崎ひろ子さん>
――パンフレットには「毎日の基本ケアが好循環を生み出す」と書かれていましたが、具体的にどのようなことをされているのですか?
支配人 岩崎さん:健康な体をつくるためには、「水分摂取」「食事摂取」「規則正しい排泄」「運動の機会」、そして「睡眠の質」が大切です。この5つのケアを確実に行い、ADL(日常生活動作)の改善を目指しています。
なかでも水分摂取はもっとも大切です。水分の摂取量が少ないと、脱水症状になるだけでなく、覚醒が悪くなってしまいます。
覚醒が悪いとご飯を食べられません。すると次は体の動きが悪くなり、便秘になることもあります。また、水分の摂取量が少ないと睡眠状況が悪くなるという睡眠データも出ています。
これらを防ぐためには水分摂取を増やし、覚醒を促すことが大切です。
リハビリの導入によって、1日の水分摂取量が全体的に増えました。運動と水分摂取が好循環を生み、ご入居者のADL(日常生活動作)向上につながっていると思います。
<グランクレール芝浦 外観>
――『グランクレール芝浦ケアレジデンス』のその他のこだわりについて教えてください。
支配人 岩崎さん:お食事は館内の厨房で調理しているので、出来立てを召し上がっていただけます。週に一度は、スペシャルなお食事を提供しています。
「おいしいデザートの日」や「おいしいサラダの日」などがあり、例えば「おいしいお肉の日」だと、いつもより上質なお肉を使ってビーフシチューや焼き肉重などをお出ししています。
あとは、外出に関する個別のプランニングもご好評いただいています。個別で外出されたい方、泊まりでお出掛けされたい方のご希望を伺い、担当の職員がケアマネジャーと一緒にプランを立て、実践しています。
当日は職員などが付き添い、デパートでの買い物やお墓参り、コンサートに行かれた方もいらっしゃいますね。
アクティビティも充実させています。週1回程度は外部の講師をお招きし、ドッグセラピーやビーズを使った小物作り、創作活動など、さまざまなアクティビティをご提供しています。
――『グランクレール芝浦ケアレジデンス』はどのような方に向いていると思いますか?
機能訓練指導員 江波戸さん:当館のいちばんの強みは歩行リハビリです。歩けるようになりたい方、歩いてやりたいことを叶えたい方、在宅復帰を目指したい方も、ぜひご検討いただきたいと思っています。
支配人 岩崎さん:お元気になったら、同じ建物の別フロアにあるお元気な方向けの住い(シニアレジデンス)に移り住んでいただくことも可能です。ご夫婦で「ケアレジデンス」と「シニアレジデンス」にそれぞれご入居いただくこともできます。
長く港区で生活している方、ご家族が港区にいらっしゃる方など、地域の方々にもぜひご入居いただきたいです。同じ港区なら面会しやすいですし、一泊ご自宅に戻られるなど、自由に過ごしていただけます。
看護職が24時間いるので、医療的な処置が必要な方、看取りを希望する方もご入居いただけます。少しでもご興味があれば、ぜひ一度お問い合わせください。
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