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介護2割負担、対象拡大へ具体案 厚労省 年収230万円以上など選択肢 配慮措置も

介護2割負担、対象拡大へ具体案 厚労省 年収230万円以上など選択肢 配慮措置も介護2割負担、対象拡大へ具体案 厚労省 年収230万円以上など選択肢 配慮措置も

社保審・介護保険部会|1日

2027年度に控える次の介護保険改正に向けて、大きな焦点となっている利用者負担の引き上げをめぐる議論が山場を迎えている。【Joint編集部】

厚生労働省は1日に審議会(社会保障審議会・介護保険部会)を開き、利用者負担を実際に引き上げる場合の具体案を俎上に載せた。

現行、単身世帯で「年収280万円以上」となっている2割負担の対象者を、「年収230万円以上」から「年収260万円以上」の範囲で拡大することを選択肢として提示。最も範囲が広い「年収230万円以上」とする場合、高齢者の所得上位30%、およそ35万人が新たに負担増になるとした。

厚労省はあわせて、利用者負担の急激な変動を抑えるための「配慮措置」の導入も提案。当分の間は月7000円を負担増の上限としたり、預貯金が少ない高齢者を1割に戻したりする選択肢を示した。

今後、年内に具体案を固めるべく調整を進めていく。実際に2割負担の対象者を拡大するかどうか、その際の所得基準をどうするかなどは政治決着となる。自維政権の判断に注目が集まりそうだ。

審議会では意見が分かれている。「物価高騰が続くなか、高齢者の生活への影響が極めて大きい」「サービスの利用控えによる重度化を招く」といった慎重論に対し、「制度の持続可能性の確保と現役世代の負担軽減のため、能力に応じた負担の徹底は避けられない」「可能な範囲で対象を拡大すべき」との反論も出た。

会長代理を務める早稲田大学政治経済学術院の野口晴子教授は、「制度を支える側が減り、支えられる側が増える構造的な課題は、足元の物価高以上に深刻で先送りできない。将来のハードランディングを回避するためにも、一定の利用者負担の引き上げは絶対に必要」と促した。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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