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男女で違いがある?介護が必要になった原因と要介護・要支援者の推移

男女で違いがある?介護が必要になった原因と要介護・要支援者の推移男女で違いがある?介護が必要になった原因と要介護・要支援者の推移
はーとん

要介護・要支援に認定される高齢者は増加しているけど、その原因はさまざまだっポ。
高齢化が進むと、今後も介護が必要な高齢者は増えることが予測されるんだ。

父

なぜ要介護・要支援に認定されたのか、その原因が気になるよ。
教えてくれるかな?

要支援・要介護者は19年で2.6倍に増加

はーとん

まずは要介護・要支援者数の推移やいまの状況を見てみるっポ。

厚生労働省の資料によると、介護保険がはじまった2000年(平成12年)の末時点で256.2万人だった要介護者・要支援者の人数は、2019年(令和元年)では668.8万人に増加しました。
つまり、何らかの介護を必要とする人が19年間でおよそ2.6倍にも増えたということです。

介護度別認定者数の推移(年度末現在)
要介護度別認定者数の推移グラフ
*厚生労働省「認定者数の推移」より

※平成22年度の数値は東日本大震災の影響で福島県内5町1村が含まれていません。

なかでも、要支援1~要介護1に該当する人の増加が顕著です。これは単に高齢化によって介護を必要とする人が増えただけではなく、介護保険の認知度が上がり、要介護認定を受けやすい環境になったという背景も影響しているのでしょう。

また、2019年(令和元年)の要介護者・要支援者の人数668.8万人のうち、男性約211万人に対して女性は約458万人です。要介護者・要支援者は女性の方が圧倒的に多いことがわかります。

ただし、この結果は単に「女性の方が要介護になる確率が高い」というわけではありません。
平均寿命は女性の方が長く、2020年(令和2年)時点の平均寿命は男性 81.64 年、女性 87.74 年。実際に65歳以上の高齢者数は男性1,573万人、女性2,044万人と、高齢者の人数自体、女性の方が多いのです。

女性の要介護者・要支援者が多いのは当然の結果といえるでしょう。

父

やっぱり高齢者は女性のほうが多いんだなあ。

要介護になった原因は男女で異なる結果に

はーとん

つぎは要介護・要支援になった主な原因だっポ。

2016年、2019年の「国民生活基礎調査」では、どちらも要介護になった原因でもっとも多いのは「認知症」と報告されています(不明・不詳を除く)。次いで、「脳血管疾患」、「高齢による衰弱」と続きます。
さらに、この介護が必要になった原因について詳しく見てみると、男女で異なる結果が出ていることがわかりました。

65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因
65歳以上の要介護者等の性別にみた介護が必要となった主な原因グラフ
*内閣府「令和3年版高齢社会白書」より

男女を見比べると、まず、要介護になった男性の原因として1番多いのが「脳血管疾患」なのに対し、女性要介護者の1番多い原因は「認知症」です。「脳血管疾患」は女性の統計結果では5番目となっているので、いかに男性の脳血管疾患が多いかがわかります。
一概にはいえませんが、男性には高血圧や喫煙など脳血管疾患の危険因子をもつ人が多いからかもしれません。

つぎに、要介護となった原因が「骨折・転倒」だった女性が全体の16.5%いるのに対し、男性は5.8%に留まっています。女性には骨粗しょう症の人も多いので、転倒すると骨折する傾向が高いということでしょう。

同じように、「関節疾患」が原因の人についても女性は14.2%、男性は4.6%と開きがあります。なかでも、関節リウマチは女性ホルモンが関係していると考えられ、患者の7~8割を女性が占めているので納得の結果です。

父

原因によって、介護のはじまりが「突然」なのか「徐々に」なのかが変わりそうだね。

要介護の原因によって介護の状況は変わる

はーとん

介護の原因が何かによって、その後の身体状態も変わるっポ。

まず、認知症の場合、症状の進行は比較的緩やかです。ある日突然介護が必要になるというより、少しずつできないことが増えていきます。
認知症の人によくあるのが、昔のことは覚えているが最近のことが思い出せないといった症状です。そのため、会話も徐々に成り立たなくなります。

脳血管疾患の場合は、元気だった人が急に倒れるケースも少なくありません。脳のダメージによって症状もさまざまです。
身体に不自由が出る人だけでなく、意思疎通が図れなくなる人もいます。脳のダメージによっては、身体機能と認知機能の両方に後遺症が出ることも珍しくありません。

また、高齢による衰弱のケースでは、緩やかに症状が進みます。意思疎通には問題のない人が多く、身体機能も少しずつ衰えていくのでだんだんと不自由が発生するようです。

認知症や高齢による衰弱の場合は、本人はもちろん家族も少しずつ介護に対する心構えができるでしょう。しかし脳血管疾患の場合は、介護への心構えがないまま介護生活に突入するケースも多々あります。

そのため、介護する側にとってもされる側にとっても最善の介護方法を選択できるよう、日頃から介護に対して家族間で話し合っておくことが大事です。

父

突然介護が必要になったら大変だよ!
両親と話し合うことも必要だね。

要介護状態にならないために介護予防をしよう

はーとん

介護の原因がわかれば、ある程度の予防もできるっポ!

誰だっていつまでも介護を必要とせず、元気に暮らしたいものです。そのためには、介護を予防することが重要です。病気にかからないよう、うがいや手洗いをして予防するのと同じといえます。
いくつか紹介しましょう。

運動をする

まず、生活の中に運動を取り入れることが介護予防につながります。
高齢者の場合は、毎日40分程度の運動が介護予防や認知症予防に役立つといわれています。

食生活の改善

食生活の改善も介護予防には必要不可欠です。介護が必要になる原因のひとつ「脳血管疾患」は、高血圧や肥満などによって発症リスクを高めます。
そのため、塩分の高い食事や油っこい食事を控えることで脳血管疾患にかかりにくくなるといえるでしょう。

さらに、カルシウムやビタミンDを摂取することで女性に多い「骨粗しょう症」を予防できます。骨粗しょう症は転倒時の骨折を招くため、骨粗しょう症を予防することは介護予防にもつながるのです。

口腔機能の維持

口腔機能の維持も介護予防にとって大事なポイントになります。なぜなら、食事は栄養を取る目的だけではなく人生の楽しみでもあるからです。
口の中を清潔に保ち、必要に応じて嚥下(えんげ:飲み込みのこと)体操を行うようにしましょう。

他人とのコミュニケーション

介護予防のためにもっとも大切なのは、外出をしたり趣味を楽しんだりして他人と触れ合うことです。高齢になると、外出が億劫になり閉じこもりがちになる人も少なくありません。

他人の目を意識して身だしなみに注意したり、他人と話をしたりすることは認知症予防につながります。ですから、なるべく外に出ることが大切なのです。

地域全体で介護予防に取り組もうと高齢者のためのサロン、いわゆる「通いの場」も続々と作られています。
住民が主体となって高齢者の居場所作りを行うことで、高齢者の閉じこもりを防ぎ、ひいては介護予防につながるのです。

父

活力のある毎日が要介護状態を防ぎそうだね。家族みんなで心掛けるよ!

まとめ

高齢になっても介護を必要とせず、自分らしく暮らしたいものです。そのためには、早いうちから介護予防の意識をもつことが必要です。

要介護の原因となる病気にならないよう、運動や食事に気をつけることはもちろんですが、外出や他人との交流が介護予防のカギとなります。

いろんな地域に高齢者の居場所や生きがいを作るための「通いの場」が設置されているので、気になる人は一度のぞいてみたらいかがでしょうか。

参考資料
厚生労働省「報告書の概要」
総務省統計局「高齢者の人口」
内閣府「令和3年版高齢社会白書」
オムロン「vol.29関節痛...原因を知って早めの予防と対策を」
日本生命「介護が必要となる原因」

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著者:柴田 まみ

著者の画像

著者:柴田 まみ

著者の画像

介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、社会福祉主事任用資格保有
特別養護老人ホームのユニットリーダーや、デイサービスの生活相談員に従事し高齢者福祉に携わる。特にデイサービスでは、介護をするご家族とのやり取りから在宅介護の難しさを実感。現場での経験を活かし、現在、介護関連の記事を執筆中。できるだけわかりやすい言葉を使って、介護の知識がない人でも理解しやすい文章を心がけている。座右の銘は、継続は力なり!

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