デイサービスは、施設に日帰りで通い、食事や入浴、機能訓練などを受けられる介護保険サービスです。ここでは、要介護1の方がデイサービスを利用できる回数について、詳しく解説します。
デイサービスの平均利用回数、費用の目安、回数を決めるポイントも解説しますので、ぜひご覧ください。
要介護1ではデイサービスの回数制限があるのかな?
要介護1の方がデイサービスの利用を検討するとき、「適切な利用回数は?」「何回通えばいい?」などの疑問が湧くかもしれません。
結論から言うと、利用回数に制限はなく、ご本人やご家族の希望、生活スタイルなどに合わせて柔軟に設定できます。
たとえば、入浴を目的に週1~2回のみ通うこともできますし、日中一人にならないように週5回通うことも可能です。
ここで注意したいのが、介護保険の支給限度額です。詳しくは後述しますが、介護保険では1カ月に使える金額の上限が要介護度ごとに定められ、上限を超えた分は全額自己負担となります。
デイサービスの利用回数に制限はないものの、増やしすぎると自己負担が大きくなるため注意が必要です。
要介護1の人はデイサービスに何回通っているのかな。
厚生労働省の資料によると、要介護1の方がデイサービスを利用する回数は1カ月あたり9.7回でした(データは2015年度)。週に換算すると2~2.5回程度です。
少し古いデータのため現在は多少前後している可能性がありますが、目安として参考にしてください。
以下は、要介護度別にみたデイサービスの平均利用回数です。
要介護1 | 9.7回 |
---|---|
要介護2 | 10.6回 |
要介護3 | 11.9回 |
要介護4 | 12.0回 |
要介護5 | 11.8回 |
*厚生労働省「通所介護及び療養通所介護(参考資料)」より
要介護1は、買い物や家事などをある程度自分でできる状態です。そのため、全面的に介護サービスに頼るのではなく、私生活とのバランスを考慮しながら利用する方が少なくありません。
要介護1の方の多くは、適度な運動、入浴、他人との交流など、それぞれの利用目的に合わせて無理のないペースでデイサービスに通っています。
デイサービスの費用には、介護保険が「適用される料金」と「適用されない料金」があるっポ。
デイサービスの費用は1回1,000円~2,000円程度が目安になりますが、施設の規模や利用時間、サービス内容などによって異なります。
費用には、以下の通り介護保険が適用される料金と適用されない料金が含まれます。
以下は、デイサービスの規模・利用時間ごとに、要介護1の方が週1~5回利用した場合の費用目安です。
週1回 | 週2回 | 週3回 | 週4回 | 週5回 | |
---|---|---|---|---|---|
3時間以上4時間未満 | 370円 | 740円 | 1,110円 | 1,480円 | 1,850円 |
4時間以上5時間未満 | 388円 | 776円 | 1,164円 | 1,552円 | 1,940円 |
5時間以上6時間未満 | 570円 | 1,140円 | 1,710円 | 2,280円 | 2,850円 |
6時間以上7時間未満 | 584円 | 1,168円 | 1,752円 | 2,336円 | 2,920円 |
7時間以上8時間未満 | 658円 | 1,316円 | 1,974円 | 2,632円 | 3,290円 |
8時間以上9時間未満 | 669円 | 1,338円 | 2,007円 | 2,676円 | 3,345円 |
※平均利用延人員数が月301~750名
※1単位10円、自己負担額1割の場合
週1回 | 週2回 | 週3回 | 週4回 | 週5回 | |
---|---|---|---|---|---|
3時間以上4時間未満 | 358円 | 716円 | 1,074円 | 1,432円 | 1,790円 |
4時間以上5時間未満 | 376円 | 752円 | 1,128円 | 1,504円 | 1,880円 |
5時間以上6時間未満 | 544円 | 1,088円 | 1,632円 | 2,176円 | 2,720円 |
6時間以上7時間未満 | 564円 | 1,128円 | 1,692円 | 2,256円 | 2,820円 |
7時間以上8時間未満 | 629円 | 1,258円 | 1,887円 | 2,516円 | 3,145円 |
8時間以上9時間未満 | 647円 | 1,294円 | 1,941円 | 2,588円 | 3,235円 |
※平均利用延人員数が月751~900名
※1単位10円、自己負担額1割の場合
週1回 | 週2回 | 週3回 | 週4回 | 週5回 | |
---|---|---|---|---|---|
3時間以上4時間未満 | 345円 | 690円 | 1,035円 | 1,380円 | 1,725円 |
4時間以上5時間未満 | 362円 | 724円 | 1,086円 | 1,448円 | 1,810円 |
5時間以上6時間未満 | 525円 | 1,050円 | 1,575円 | 2,100円 | 2,625円 |
6時間以上7時間未満 | 543円 | 1,086円 | 1,629円 | 2,172円 | 2,715円 |
7時間以上8時間未満 | 607円 | 1,214円 | 1,821円 | 2,428円 | 3,035円 |
8時間以上9時間未満 | 623円 | 1,246円 | 1,869円 | 2,492円 | 3,115円 |
※平均利用延人員数が月900名以上
※1単位10円、自己負担額1割の場合
上記に加え、入浴介助や個別の機能訓練などには別途費用がかかります。これらはサービス加算といわれ、利用者に質の高いケアを提供するための費用です。
以下はデイサービスでかかるサービス加算の一例です。
サービス加算 | 費用 |
---|---|
生活相談員配置等加算 | 13円/日 |
入浴介助加算(Ⅰ) | 40円/日 |
中重度ケア体制加算 | 45円/日 |
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ | 56円/日 |
※1単位10円、自己負担額1割の場合
食費、レクリエーションの材料費、おむつ代などは全額自己負担です。ただし、おむつや歯ブラシなどは、ご自身で持ち込めば費用はかかりません。
以下は、介護保険が適用されないものの費用目安です。
介護保険外の項目 | 費用の目安 |
---|---|
食費 | 500円~1,000円程度/1食 |
レクリエーション材料費 | レクリエーションの内容により異なる |
おむつ代 | リハビリパンツ:100円程度 尿取りパット:50円程度 |
整容用品代(歯ブラシ・歯磨き粉など) | 歯ブラシ:200円程度 歯磨き粉:300円程度 |
デイサービスの回数に悩んだら参考にしてほしいっポ。
「デイサービスはどのくらいの頻度で通ったらいいの?」と迷う方は少なくありません。
要介護1の方がデイサービスの回数を決めるときは、以下のポイントを踏まえて検討すると、その方の生活に合わせた利用がしやすくなります。
デイサービスの回数を決めるときは、区分支給限度額を超えないように注意しましょう。介護保険では1カ月に使える金額は要介護区分ごとに決まっています。
要介護1の支給限度額は16,765円程度(1割負担の場合)となり、限度額を超えた分は全額自己負担となります。
デイサービスの規模や利用時間にもよりますが、週に4~5回程度デイサービスを利用すると、それだけで限度額に達してしまうかもしれません。
また、訪問介護や福祉用具レンタルなど、ほかの介護保険サービスを併せて利用すると、思っていたよりもすぐに限度額を超えてしまうおそれがあります。
デイサービスを利用する目的は人それぞれですが、多くの方が以下のような目的で利用しています。
要介護1の方の多くは、何らかの支援があれば一人で日常生活を送れる方です。介護の必要度はそれほど高くないため、ご本人の体力や生活リズムを考慮して、日常生活とバランスが取れるように回数を設定するとよいでしょう。多すぎると、疲れたり負担になったりする可能性があります。
また、デイサービスの回数はご家族の状況なども踏まえて決める必要があります。
デイサービスの回数を変更したいときは、まずはケアマネジャーへ相談してください。介護サービスは、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて提供されるからです。そのため、自己判断で回数の変更はできません。
要介護1の認定を受けたときよりも必要な介護が増えているなら、要介護認定の区分変更も検討できます。
審査により要介護度が上がれば介護保険サービスを利用できる限度額も増え、より多くのサービスを利用できます。
デイサービス以外の介護保険サービスもたくさんあるっポ。
以下は、要介護1の方が受けられるデイサービス以外の介護保険サービスです。
自宅で受ける | ・訪問介護 ・訪問入浴介護 ・訪問看護 ・訪問リハビリテーション ・居宅療養管理指導 |
---|---|
施設に通う | ・デイケア |
施設に宿泊する | ・短期入所生活介護 ・短期入所療養介護 |
施設に入居する | ・介護老人保健施設 ・特定施設入居者生活介護 ・介護医療院 |
福祉用具やリフォーム | ・福祉用具貸与 ・特定福祉用具販売 ・住宅改修 |
地域密着型サービス |
訪問 通い・訪問・泊り 入居施設 |
介護保険サービスには、デイサービス以外にも訪問介護やデイケア、福祉用具のレンタルなど、さまざまな種類があります。
場合によっては、デイサービスだけでなくほかのサービスを組み合わせることで、よりその方らしい生活を送りやすくなるでしょう。また、ご家族の介護負担も軽減できます。
介護サービスの組み合わせについては、担当のケアマネジャーに相談してください。ご本人の状態、希望、予算などに合わせて、ケアプランを検討してもらえます。
要介護1の方が利用するデイサービスの回数に制限はありません。ただし、介護保険の支給限度額を超えた分は全額自己負担となるため、デイサービスの回数を増やすときには注意が必要です。
デイサービスの回数を調整したいとき、ほかの介護サービスを組み合わせたいときは、ケアマネジャーに相談してください。
要介護1は身の回りことを自分でできる方も多いため、日常生活とのバランスを考えながら、無理のない範囲でデイサービスの回数を決めましょう。
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