ほとんどの時間をベッドで過ごす訪問介護の利用者さん。腰が悪く、動くのもひと苦労な様子です。
しかし、ヘルパーが訪問していたある日、チャイムが鳴ると……。
「親(または夫・妻)が寝たきりになったら困るわ……」と、訪問介護を利用している方のご家族はよくおっしゃいます。
ここでいう「寝たきり」とは、常にベッド上で生活していて、ひとりで着替えができないような全介助の方のこと。おむつだったり、排泄に何らかの介助が必要だったりする方が当てはまります。
ですが、この寝たきりになる前段階は実にさまざまです。
例えば……
このように、寝たきりに近い方もいれば、ほんとうはベッド上で生活する必要がない方もいます。
こちらの利用者さん(山下さん 仮名)は、やる気を出せば実は何でもできるものの、“疲れるからやらない”という方です。
いつもベッドで過ごしているので、ベッドから降りた姿を見たことがありませんでした。
あるとき、利用者さんと掃除の相談をしていると呼び鈴が鳴りました。どうやら新聞の集金のようです。
「出ましょうか?」と聞いて玄関を開けると、部屋の奥からは小銭を用意する音が。すぐに、利用者さんはお金を入れた封筒を持って、すたすたと足早に歩いてきました。
利用者さんの歩く姿を見たことなかった私はびっくり。思わず「大丈夫ですか?」と聞いてしまいましたが「大丈夫!」とのこと。
集金の方も顔なじみだったようで「毎回、金額ぴったりに用意してくれるの。いつも元気だね!」と笑顔でした。
本人曰く「支払いは私の役目」だそう。「勧誘や詐欺電話も対応している!」と胸を張っていました。
いつまでも生きがいを大切にしてほしい、と思えたエピソードでした。
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