デイサービスは介護保険サービスのひとつです。そのため、デイサービスに通うにはいくつかの手順が必要になります。
本記事では、デイサービスに通うための条件や、利用の流れについて解説します。実際にデイサービスを選ぶときのポイントや料金の目安なども紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
デイサービスとは、高齢者が日帰りで施設に通い、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどの支援を受けられる介護保険サービスです。
住み慣れた自宅で暮らしながら、心身の機能を健やかに保ち、他の利用者との交流を楽しめます。また、ご家族の介護負担を軽減させることもデイサービスの役割のひとつです。
デイサービスには以下の4種類があります。
デイサービス
定員が19人以上の一般的なデイサービス。老人ホームなどに併設されていることもある
地域密着型デイサービス
定員が18人以下の少人数制のデイサービス。原則として、事業所と同一市町村の住民が利用できる
認知症デイサービス
認知症の診断を受けた方が対象のデイサービス。症状に配慮したケアや活動があり、事業所と同一市町村の住民が利用できる
療養デイサービス
慢性疾患などにより医療的ケアを必要とする方が対象のデイサービス。医師や訪問看護ステーションとの連携があり、事業所と同一市町村の住民が利用できる
デイサービスは全国に合計4万以上の事業所があるため不足感はありません。ただし、療養デイサービスは全国で100カ所に満たず、選択肢とならない地域も多いでしょう。
デイサービスでは、主に以下のサービスを受けられます。
など
デイサービスでは必要な介護を受けられるほか、レクリエーションなどを通じて利用者同士のコミュニケーションを楽しめます。
サービスの内容は一律ではなく、デイサービスごとに特色があります。リハビリに特化した施設、入浴設備が充実した施設、レクリエーションの種類が豊富な施設など、力の入れどころはさまざまです。
デイサービスを利用できるのは以下の方です。
デイサービスに通うためには、要介護1~5の認定を受けている必要があります。65歳以上の方が対象ですが、特定疾病により要介護認定を受けた40歳以上65歳未満の方も対象です。
特定疾病は加齢にともない発症することが多い病気で、以下の16種類があります。
なお、要介護認定を受けていても重度の認知症や重い持病がある場合は、利用できないケースもあります。詳しくは事業所やケアマネジャーに相談しましょう。
要介護認定を受けていない方は、介護保険のデイサービスを利用できません。
ただし、「介護予防・生活支援サービス事業」の対象となる方は、介護予防を目的とした通所サービスを利用できます。
対象となるのは以下の方です。
介護保険を使わずに自費で利用できる事業所もあるため、希望のある方は地域包括センターなどでご確認ください。
ここでは、要介護認定の受け方やデイサービスの申し込み方法について解説します。デイサービスの利用を開始するまでの基本的な流れを押さえましょう。
デイサービスなどの介護保険サービスを利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。
地域包括支援センターや市区町村の介護保険課などに相談し、要介護認定の申請をしましょう。
介護保険サービスではなく、介護予防・生活支援サービスによる支援が適している場合は、「基本チェックリスト」を受けます。
対象者に当てはまると、介護予防・生活支援サービスの通所サービスを利用できます。
要介護認定を申請したあとは、訪問日の日程調整を行います。設定した日時に認定調査員が自宅を訪問し、ご本人の心身の状態や日常生活の状況などを確認します。
その後、調査結果と主治医の意見書をもとにコンピュータで一次判定が行われ、介護認定審査会による二次判定を経て、要支援1・2、要介護1~5、非該当のいずれかが決まります。
判定結果は、原則として申請から30日以内に郵送で通知されます。
要介護に認定されたら担当のケアマネジャーを決定し、ケアプランを作成します。ケアプランは介護サービスを利用するために必要な計画書のことで、利用するサービスの種類や利用スケジュール、援助方針などが記載されます。
ケアマジャーにデイサービスに通いたいことを伝え、必要性や回数などを一緒に検討してケアプランに反映してもらいます。
ケアプランの内容が決まったら、利用するデイサービス事業所と契約を結びます。
可能であれば、契約前に見学や体験利用をしておきましょう。雰囲気や設備、サービス内容などを実際に確認しておくと安心です。
デイサービスの利用を開始したあとも、ケアプランの内容は体調や生活状況の変化に応じて調整できます。気になる点や希望があれば、早めにケアマネジャーに相談しましょう。
デイサービスはそれぞれに特色があり、どこを選ぶかによって満足度が大きく変わります。後悔しない選択をするためにも、選び方のポイントを押さえておきましょう。
デイサービスを選ぶにあたって、まずは「何のために通うのか」という目的を明確にしましょう。
デイサービスに望むことは人それぞれ異なります。目的を整理することで、必要なサービスや重視すべきポイントが明確になります。
| デイサービスに通う目的の例 |
|---|
| ・自宅での入浴が困難になったので入浴の支援を受けたい ・歩行が困難になってきたので体力づくりをしたい ・認知機能の低下が気になるので他人と交流できる機会を作りたい ・家族の不在時に安全な場所で過ごしてほしい など |
デイサービスに通う目的がはっきりしたら、具体的なサービス内容を確認しましょう。
たとえば、体力低下が気になる場合は、理学療法士などの専門職が関与し、個別訓練の時間が確保されているかどうかが判断材料になります。
食事面であれば、制限食や嚥下調整食に対応できるかを確認しておくと安心して利用できるでしょう。
| デイサービスに通う目的 | おすすめのデイサービスの特徴 |
|---|---|
| 体力づくり | 機能訓練やリハビリテーションに力を入れている |
| 趣味づくり | レクリエーションやクラブ活動が豊富 |
| 入浴 | さまざまな身体状態に合わせた浴槽がある |
| 食事 | 食事にこだわりがあり行事食も豊富。アレルギーや食事制限、嚥下状態にも対応している |
デイサービスを選ぶ際は、サービスの提供時間や送迎範囲なども事前に確認しておきましょう。
| 確認したいこと | 注意点 |
|---|---|
| サービス提供時間 | ・一般的には9時~17時頃まで ・午前のみ・午後のみなどの短時間型もある |
| 送迎 | ・送迎できる範囲は決まっている ・送迎の時間帯は希望が通らない可能性がある |
一般的なサービス提供時間は9時から17時頃までですが、午前のみ・午後のみなどで利用できる短時間型のデイサービスもあります。
「家族が留守の間に利用したい」「生活リズムを維持したい」という目的がある場合は、希望する時間帯に利用できるかどうかが大きなポイントです。
また、送迎についても確認しておくと安心です。多くのデイサービスには送迎サービスがあますが、送迎できる範囲は限られています。
自宅は送迎の範囲内か、希望の時間帯に送迎してもらえるかなども、あらかじめ確認しておきましょう。
デイサービス選びで失敗しないためには見学が必須です。できればご本人にも参加してもらい、施設の雰囲気やスタッフ・利用者の様子などをご自分の目で確認してもらいましょう。
体験利用できるデイサービスなら、実際のサービスを体験できます。1日の流れも把握できるため、失敗するリスクを減らせます。
気になる点や疑問点は見学時に質問し、不安要素を残さないようにすることもポイントです。
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デイサービスを検討するうえでは、費用や利用できる回数も気になるところです。
それぞれについて解説します。
デイサービスの1回あたりの利用料金は、自己負担1割の場合でおおむね1,000~2,000円が目安となります。
以下は基本的なサービス費で、介護保険が適用される費用です。
| 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間未満 | 370円 | 423円 | 479円 | 533円 | 588円 |
| 4~5時間未満 | 388円 | 444円 | 502円 | 560円 | 617円 |
| 5~6時間未満 | 570円 | 673円 | 777円 | 880円 | 984円 |
| 6~7時間未満 | 584円 | 689円 | 796円 | 901円 | 1,008円 |
| 7~8時間未満 | 658円 | 777円 | 900円 | 1,023円 | 1,148円 |
| 8~9時間未満 | 669円 | 791円 | 915円 | 1,041円 | 1,168円 |
※1単位10円、自己負担1割の場合
出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造」
上記の基本料金に加えて、サービスの内容などに応じたサービス加算が発生します。
また、介護保険外の費用として、食費やおむつ代、レクリエーションの材料費などが必要です。詳しい料金と内訳は事前に確認しておきましょう。
デイサービスを利用できる回数に上限はありません。週1回でも週5回でも、その方に合わせて設定できます。
ただし、介護保険サービスを利用できる上限額(区分支給限度額)は要介護度ごとに定められています。限度額を超えた分は介護保険が適用されず、全額自己負担です。
他の介護サービスとの組み合わせを考慮し、限度額を超えない範囲でデイサービスの回数を設定することが必要です。
| 要介護1 | 16,765円 |
|---|---|
| 要介護2 | 19,705円 |
| 要介護3 | 27,048円 |
| 要介護4 | 30,938円 |
| 要介護5 | 36,217円 |
※1単位10円、自己負担1割の場合
デイサービスの利用回数を決めるときは、ケアマネジャーと相談したうえで決定しましょう。限度額をふまえたうえで、ご本人の生活リズムやご家族の状況に合わせて調整してもらえます。
介護保険サービスはデイサービス以外にもたくさんの種類があります。訪問介護や訪問看護、ショートステイなどを上手に組み合わせることで、無理のない在宅生活が続けやすくなるでしょう。
介護保険サービスには以下の種類があります。
| 自宅で受ける | ・訪問介護 ・訪問入浴介護 ・訪問看護 ・訪問リハビリテーション ・居宅療養管理指導 |
|---|---|
| 施設に通う | ・デイサービス ・デイケア |
| 施設に宿泊する(ショートステイ) | ・短期入所生活介護 ・短期入所療養介護 |
| 施設に入居する | ・特別養護老人ホーム ・介護老人保健施設 ・特定施設入居者生活介護 ・介護療養型医療施設 ・介護医療院 |
| 福祉用具やリフォーム | ・福祉用具貸与 ・特定福祉用具販売 ・住宅改修 |
| 地域密着型サービス |
訪問 通所 通い・訪問・泊り 入居施設 |
どのサービスを利用するかは、ご本人の状態やご家族の負担をケアマネジャーに伝え、相談しながら一緒に検討しましょう。
介護保険サービスの利用だけで課題が解消しない場合は、家事代行や配食、見守りサービスなどの保険外サービスを活用する選択肢もあります。
デイサービスを検討したものの、要介護に認定されなかったり、ご本人が行きたがらなかったりするなど、デイサービスに通えないケースもあります。
しかし、デイサービスに通えなくても、日常生活の工夫で心身の健康を保つことは可能です。
デイサービスに通わずに健康を保つためには、日々の生活で以下のポイントを意識してみましょう。
| 親の健康を守る方法の具体例 |
|---|
| ・適度な運動 ・栄養バランスのとれた食事 ・地域との交流 ・生活リズムの維持 ・趣味や役割を持つ など |
健康を保つためには、日常生活の中で運動や食事に意識を向けることが重要です。
たとえば、ウォーキングやストレッチなど、体力に合わせて無理のない範囲で体を動かすだけでも身体機能の低下を抑えられます。また、体力や免疫力の維持には、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。
家族や地域のコミュニティとの積極的な交流で、心の健康を保つことも大切です。趣味やボランティア活動など、外での活動を定期的に取り入れるのもよいでしょう。
ここでは、デイサービスへの通所についてよくある質問とその回答をまとめました。
デイサービスを利用することで、日常的に体を動かす機会が増え、身体機能の維持や向上が期待できます。また、他者との交流を通じて社会的な孤立を防ぐことができ、心の健康を保てる点もメリットです。
日中の介護を任せられるため、家族の身体的・精神的な負担軽減にもつながります。
デイサービスと同じ通いのサービスとして、リハビリテーションを主な目的とするデイケア(通所リハビリテーション)があります。
また、小規模多機能型居宅介護は「通い」を軸に、「訪問」「宿泊」を組み合わせて柔軟な支援を受けられるサービスです。
いずれも介護保険が適用され、心身の状態や生活環境に応じて選択できます。
デイサービスは介護保険サービスのため、要介護認定が継続している限りは通い続けることが可能です。
状態が改善して認定結果が「自立」になった場合は、介護保険の対象外となり、利用できなくなる、もしくは自費利用へ切り替わります。
ご本人がデイサービスを拒否する背景には、新しい環境への不安や人間関係への戸惑い、「人の世話になりたくない」といった思いを抱えている場合があります。
ケアマネジャーやデイサービス事業所と連携し、ご本人の気持ちを尊重しながら解決策を探ることが大切です。
デイサービスに通うためには、始めに要介護認定を申請する必要があります。デイサービスのサービス内容や料金、介護保険の支給限度額なども前もって理解しておくと安心です。
その後は、ケアマネジャーと相談しながらデイサービスを選びましょう。失敗を防ぐためには、サービス内容や提供時間、送迎体制などを確認し、見学を通じて雰囲気をチェックしておくことも必要です。
介護保険サービスはデイサービスだけではありません。必要に応じて他の介護サービスの利用も検討し、無理のない在宅生活を目指してください。
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