デイサービスは全国に4万以上の事業所があり、それぞれにさまざまな特徴があります。そのため、デイサービスの選び方・探し方に悩む方も少なくないでしょう。
この記事では、ご本人やご家族に合ったデイサービスの選び方を、目的、費用、食事などのポイントごとにご紹介。デイサービスの探し方や、デイサービスが合わなかったときの対処法なども併せて解説します。
デイサービスには4つの種類があるっポ。
デイサービス(通所介護)は、日帰りで施設に通う介護保険サービスです。入浴や食事、機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受けられます。
高齢者の心身機能の維持・向上、引きこもり解消などの役割があり、家族の介護負担も軽減できます。
デイサービスの利用対象者は要介護1~5の方で、利用するためにはケアプランにデイサービスの利用を盛り込むことが必要です。
デイサービスには以下の4つの種類があります。
| デイサービス | 利用定員:19人以上 |
|---|---|
| 地域密着型デイサービス | ※地域密着型サービス 利用定員:18人以下 地域の特性を活かしたサービスが提供される |
| 認知症デイサービス | ※地域密着型サービス 認知症の方が対象。認知症の専門的ケアがある |
| 療養デイサービス | ※地域密着型サービス 難病や認知症などを持つ方が対象。医師・訪問看護ステーションと連携している |
デイサービスは全国に合計4万以上の事業所がありますが、療養デイサービスは全国で100カ所に満たず、わずかしかありません。
デイサービス選びの8つのポイントを紹介するっポ。
デイサービスは介護保険サービスのひとつですが、それぞれ特色が異なります。
ご本人やご家族に合ったデイサービスを選ぶためには、以下のポイントを参考にしてみてください。
まずはデイサービスに通う目的をはっきりさせましょう。目的が明確になれば、ご本人やご家族の希望に沿ったデイサービスを探しやすくなります。
デイサービスに通う目的は人それぞれですが、「よくある目的」には以下があります。
それぞれの目的について解説します。
自宅での入浴介助は、ご家族にとって大きな負担です。ご本人の体を支えたり、狭い浴室で中腰姿勢をキープしたりと肉体的な負担が大きく、また、浴室では転倒の危険もあります。
そのため、入浴を目的にデイサービスを利用する方は少なくありません。デイサービスなら入浴介助に慣れたスタッフがサポートするため安心です。
浴槽の種類には、個浴、大浴場、リフト浴、ストレッチャー浴などがあり、どのタイプの浴槽があるのかはデイサービスによって異なります。入浴介助が必要な方は、ご本人が入浴できるタイプの浴槽があるか確認しましょう。
体力や身体機能の維持・向上を目指すなら、機能訓練やリハビリに力を入れているデイサービスがおすすめです。
日常生活のなかに運動を取り入れたり、ジムのようにトレーニングマシンを使ったりするなど、その方法はデイサービスごとに異なります。
| 機能訓練の目的 | 機能訓練の内容 |
|---|---|
|
筋肉や関節をほぐす・鍛える |
タオルを使った運動、ゴムバンドを使った運動など |
| 立ち上がり動作の維持 | 手すりなどを使用して立ち上がる運動、体の重心を移動させる運動など |
| 認知症予防 | 計算問題、間違い探しなど |
| 誤嚥予防 | 舌や口を動かす運動など |
| 食事動作の維持 | 椅子に座る体幹を鍛える運動、箸でものをつかむ運動など |
専門的な指導を受けたい方は、理学療法士や作業療法士などの専門職がいるリハビリ特化型のデイサービスもおすすめです。デイサービスが苦手な方でも体力の向上がモチベーションになり、通う楽しみになります。
これまでの趣味を継続したい方、新しく趣味を持ちたい方には、レクリエーションや趣味活動に力を入れているデイサービスがおすすめです。
活動内容はデイサービスによりさまざまですが、趣味活動には以下のような種類があります。
など
珍しいところでは、カジノや施設内通貨を導入するデイサービスもあり、好みに合わせて楽しく通えます。趣味を通して友人ができれば、家以外の第二の居場所になるかもしれません。
友だち作りが目的なら、ご本人がやりたい活動に何名の利用者が参加しているかも確認するとよいでしょう。
デイサービスには家族の介護負担を和らげる役割もあり、ご本人がデイサービスで過ごしている間、ご家族は自由な時間を過ごせます。
日常の介護負担をより軽減させるなら、入浴や食事のサービスがあるデイサービスがおすすめです。
一人での留守番が不安な方の場合は、家族が家を空ける時間にデイサービスを利用すれば安心です。
利用できる時間はデイサービスによって異なるため、希望の曜日や時間帯にサービスを提供しているか確認しましょう。
認知症の症状や健康状態によっては、デイサービスが受け入れできない可能性があります。
デイサービスごとに受け入れ基準は異なりますが、たとえば、認知症により食べられないものを口に入れてしまう方や、送迎車の乗り降りができない方などを受け入れていない事業所もあります。
認知症の症状が重い方は、認知症対応型のデイサービスを選ぶと安心です。認知症ケアを熟知したスタッフが配置され、症状の進行を緩やかにする効果も期待できます。
デイサービスには看護師が配置されているため、健康状態に不安のある方も利用できますが、医療依存度が高い方や難病の方などは、療養デイサービスという選択肢もあります。ただし、療養デイサービスは全国に100未満しかなく、非常にわずかです。
デイサービスには送迎サービスがあり、送迎できる範囲はデイサービスごとに設定されています。
送迎の範囲外でも家族が送り迎えすれば利用できますが、デイサービスは送迎サービスの範囲内で選んだほうが何かと便利です。ご家族の体調不良や急用などに影響されることなく、送り迎えの負担も軽減できます。
デイサービスでは、お昼の時間をまたぐと昼食が提供されることがほとんどです。
食事へのこだわりはデイサービスによって異なり、厨房で手作りするところもあれば宅配のお弁当を提供するところもあります。
咀嚼や嚥下に不安がある方は、刻み食やソフト食などの食事形態で提供してもらえるかも大切なチェックポイントです。
食事の詳細については、事前に確認しておくと安心です。
デイサービスの規模には大小があり、少人数で過ごす小規模事業所から、多くの利用者が集まる大規模事業所まであります。
地域密着型デイサービスは利用定員が18人以下と小規模で、スタッフや他の利用者となじみの関係を築きやすいのが特徴です。
一方、一般的なデイサービスは定員が19人以上となり、中には50人以上が利用する大規模施設もあります。
規模の大小にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、ご本人の性格や希望に合わせて選ぶとよいでしょう。
メリット
デメリット
メリット
デメリット
デイサービス選びでは、費用も大切なポイントです。デイサービスは規模により料金が異なり、規模が大きくなるほど料金は安くなります。
| 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間未満 | 416円 | 478円 | 540円 | 600円 | 663円 |
| 4~5時間未満 | 436円 | 501円 | 566円 | 629円 | 695円 |
| 5~6時間未満 | 657円 | 776円 | 896円 | 1,013円 | 1,134円 |
| 6~7時間未満 | 678円 | 801円 | 925円 | 1,049円 | 1,172円 |
| 7~8時間未満 | 753円 | 890円 | 1,032円 | 1,172円 | 1,312円 |
| 8~9時間未満 | 783円 | 925円 | 1,072円 | 1,220円 | 1,365円 |
1単位=1円、1割負担の場合 利用定員:18名以下
| 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間未満 | 370円 | 423円 | 479円 | 533円 | 588円 |
| 4~5時間未満 | 388円 | 444円 | 502円 | 560円 | 617円 |
| 5~6時間未満 | 570円 | 673円 | 777円 | 880円 | 984円 |
| 6~7時間未満 | 584円 | 689円 | 796円 | 901円 | 1,008円 |
| 7~8時間未満 | 658円 | 777円 | 900円 | 1,023円 | 1,148円 |
| 8~9時間未満 | 669円 | 791円 | 915円 | 1,041円 | 1,168円 |
1単位=1円、1割負担の場合 平均利用延人員数:月301~750名以内
| 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間未満 | 358円 | 409円 | 462円 | 513円 | 568円 |
| 4~5時間未満 | 376円 | 430円 | 486円 | 541円 | 597円 |
| 5~6時間未満 | 544円 | 643円 | 743円 | 840円 | 940円 |
| 6~7時間未満 | 564円 | 667円 | 770円 | 871円 | 974円 |
| 7~8時間未満 | 629円 | 744円 | 861円 | 980円 | 1,097円 |
| 8~9時間未満 | 647円 | 765円 | 885円 | 1,007円 | 1,127円 |
1単位=1円 1割負担の場合 平均利用延人員数:月751~900人以内
| 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間未満 | 345円 | 395円 | 446円 | 495円 | 549円 |
| 4~5時間未満 | 362円 | 414円 | 468円 | 521円 | 575円 |
| 5~6時間未満 | 525円 | 620円 | 715円 | 812円 | 907円 |
| 6~7時間未満 | 543円 | 641円 | 740円 | 839円 | 939円 |
| 7~8時間未満 | 607円 | 716円 | 830円 | 946円 | 1,059円 |
| 8~9時間未満 | 623円 | 737円 | 852円 | 970円 | 1,086円 |
1単位=1円、1割負担の場合 平均利用延人員数:月900人以上
上記のサービス費以外に、サービス加算や食事代などが別途かかります。詳細はデイサービスやケアマネジャーに確認しましょう。
デイサービスのサービス内容が気に入り、希望の条件に合致していたとしても、雰囲気が合わなければ心地よく過ごすことはできません。
デイサービスを決める前には、見学して雰囲気を確認しておくと安心です。実際に見ることで、明るさ、清潔さ、スタッフや利用者の様子などがわかります。
デイサービス探しでは、可能な限り見学しておくことがおすすめです。デイサービスを見学するときには、以下のポイントを確認するとよいでしょう。
デイサービスの見学を有意義なものにするためには、事前準備が欠かせません。まずはケアマネジャーに相談し、特徴やサービス内容などを聞いておきましょう。
良い点だけでなく気になる点も知っておくと、見学のときにさまざまな視点で確認できます。
見学は予約制です。可能であれば、特に知りたいサービスが行われている時間帯に見学するのがおすすめです。資料だけでは見えない部分までよくわかります。
当日は、気になる点をその場で質問できる貴重な機会です。あらかじめ質問を用意しておくと、もれなく聞けます。
たとえば、以下のような質問をしてみるとよいでしょう。
など
1日体験できるデイサービスなら、体験利用もご検討ください。
デイサービスを探すときの参考にしてほしいっポ。
デイサービスを実際に探すときは、以下で相談または一覧から探す方法があります。
デイサービスを探すときは、まずケアマネジャーに相談するのがおすすめです。
ケアマネジャーは地域のデイサービスに詳しいため、その方の希望や健康状態、他に利用しているサービスとの兼ね合いなどを考慮したうえで提案してもらえます。
また、ケアマネジャーならではの情報網で、新規オープンのデイサービスや、キャンセルによって定員に余裕ができたデイサービスなどを教えてもらえる可能性もあります。
地域包括支援センターや役所窓口では介護に関するさまざまな情報を提供しており、デイサービス探しの相談も可能です。
地域包括支援センターには、社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーが配置され、必要な介護サービスにつないでもらえます。
市区町村の介護保険課などでは、介護保険に関する手続き方法や地域の介護情報などが得られます。
介護サービス情報公表システムは、全国の介護サービス事業所を検索できるサイトで、目的や地域から介護事業所を検索することが可能です。
住所や電話番号、営業時間などが網羅され、各デイサービスの基本情報を確認できます。
デイサービスを探すときには、ハートページもおすすめです。ハートページは全国70市区以上で配布されている無料の冊子で、地域の介護事業所の情報が網羅されています。
住所、電話番号、入浴提供の有無などが確認できます。
また、ウェブ版のハートページナビでも検索が可能です。事業所の場所が地図でも把握できて便利です。
ハートページナビでは地域の介護事業所を一覧から探せます
デイサービスが合わなかったときはどうすればいいのかな。
どれだけ慎重に選んだデイサービスでも、「想像と違った」と後悔することもあるでしょう。
人間関係が合わなかったり、レクリエーションが好みに合わなかったりすると、ご本人がデイサービスを拒否してしまうこともあります。
もしご本人がデイサービスを嫌がるようなら、まずは「なぜ行きたくないのか」を丁寧に聞き取り、気持ちに寄り添ってみてください。
そのうえで、デイサービスの生活相談員やケアマネジャーに相談し、解決につながる方法を一緒に考えるとよいでしょう。
それでも合わなければ、デイサービスを変えることも可能です。
ご本人やご家族に合うデイサービスを見つけるには、いくつかのポイントがあります。
デイサービスを利用する目的を明確にし、サービス内容、費用、食事内容、自宅からの距離などをチェックしておくと、失敗しにくくなるでしょう。また、利用前には見学も欠かせません。
もしデイサービスが合わなければ、別のデイサービスに変えることもできます。デイサービスがご本人にとって楽しい場所になるように、ぜひご本人に合ったデイサービスを探してみてください。
ハートページナビでは地域の介護事業所を一覧から探せます
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