デイサービスでは各施設が面白い取り組みをしています。利用者が楽しく通えるようにするためです。
デイサービを嫌がる高齢者は少なくありませんが、自分が楽しめるデイサービスなら飽きることなく通えます。
ここではデイサービスの面白い取り組み12例をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。行きたくなるデイサービスの見つけ方も解説します。
デイサービスの面白い取り組みを12例紹介するっポ!
デイサービスは日帰りで通う介護保険サービスです。食事や入浴、機能訓練、レクリエーション、必要な介護サービスなどを受けることができます。
「デイサービスのサービス内容はどの施設でもたいして変わらない」と思う方もいるかもしれませんが、独自に面白い取り組みをしているデイサービスも少なくありません。
各施設ではさまざまなサービスを考え、高齢者が飽きないような工夫をしています。
ここでは、デイサービスで実施されている面白い取り組み12例をご紹介します。
頭を使うと脳トレ効果も期待できるっポ。
デイサービスでは、頭を使うレクリエーションなどを数多く取り入れています。
脳を使うことは認知症予防に効果的です。利用者が積極的に参加したくなる面白い内容なら、楽しく効果的に認知症予防ができるでしょう。
頭を使いながらも利用者が楽しめる、他にはない面白い取り組みを実施するデイサービスがあります。
デイサービスを学校に見立て、高齢者は学生のように過ごします。黒板があったりチャイムがなったりするなど、まさに学校のような懐かしい雰囲気です。
学校と同じように授業があり、学校と同じような科目もあります。
など
時間割は日によって異なります。国語や算数などの授業ではクイズを取り入れたり、保険体育ではレクリエーションの要素を交えたりするため、楽しく頭や身体を使えることがメリットです。
家庭科の時間に調理した料理がそのまま昼食になることもあり、達成感も得られます。
デイサービスに学校の雰囲気があることで、回想法の効果も期待できます。
回想法は認知症の心理療法です。認知症には、最近の出来事は忘れても昔のことはよく覚えているという特徴があります。
昔の記憶に触れて脳が活性化すると、認知症の進行予防やうつ状態の改善に効果があるといわれています。
学校のように過ごせるデイサービスは、楽しく勉強できて高齢者が意欲的になれる効果的な取り組みです。
デイサービスの中だけで使えるお金(施設内通貨)を導入した取り組みです。
デイサービスへの来所、テーブル拭きやタオルたたみなどのお手伝い、口腔ケアや血圧測定、レクリエーションへの参加など、さまざまな場面で施設内通貨を獲得できます。
獲得した施設内通貨はデイサービス内でのカフェやマッサージなどで利用でき、利用者は「あのサービスを受けたい」などと目的意識を持てます。
施設内通貨を計算することが頭の体操になり、通貨とサービスを交換することで買い物をしたような満足感も得られる取り組みです。
「デイサービスに行って施設通貨を増やしたい」という高齢者の意欲向上にもつながります。
デイサービスのレクリエーションなどではさまざまなゲームが取り入れられています。
たとえば以下のようなゲームです。
クイズやカードゲームはレクリエーションとして一般的ですが、珍しいところでは、麻雀やカジノ、リズムゲーム・サーキットゲームなどのテレビゲーム、eスポーツなどを取り入れているデイサービスもあります。
ゲームは利用者同士が自然に交流でき、コミュケーションをとるためのきっかけとしても効果的です。デイサービスで同じ趣味を持った友人もできるかもしれません。
ゲームには麻雀やカジノのような難易度の高いものから誰もが知るトランプまでさまざまな種類があるため、高齢者が自分の希望で選びやすい取り組みです。
また、頭や指先を使うため楽しく脳トレができて認知症予防になります。
体を動かすと、筋トレ効果やリハビリ効果も期待できるっポ!
デイサービスで体を使う取り組みといえば、体操を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、高齢者が楽しく体を動かせる取り組みは意外にもたくさんあります。
敷地内の畑で野菜や花を育てるなど、高齢者が畑仕事や園芸に取り組めるデイサービスもあります。
草木の手入れをするためには、かがむ・振りかぶるなど多くの動作が必要です。体全体を使って作業をするため、身体機能の維持・向上が期待できます。
また、畑仕事や園芸には水やりや除草など毎日の世話も必要です。「自分が世話をしないと」という気持ちになり、日々の役割がやりがいにつながります。
高齢者は畑仕事や園芸になじみのある方も多く、利用者が職員に教える立場になることも少なくありません。
自分が教える側になることが自信になり、意欲が高まります。
デイサービスのみんなでお世話した野菜はいずれ収穫できます。苦労して育てた野菜をみんなで食べれば楽しさも2倍でしょう。
植物にふれることは園芸療法になり、畑仕事や園芸にはストレスを軽減できるメリットもあります。
本格的なトレーニングマシンが設置され、スポーツジムのように通えるフィットネスジム型のデイサービスもあります。
本格的な器具を使って運動できたり、一人ひとりに合わせたメニューを提案してくれたりするなど、介護が必要な高齢者でも無理なく体を鍛えられます。
トレーニングを継続すれば確実に筋力アップにつながるため、効果を実感しやすいのが特徴です。
たとえば、自分の足でしっかり歩けるようになりたい、腰が曲がらないように姿勢を維持したいなど、目的があれば通うモチベーションも高まります。
効果が実感できるとデイサービスでのトレーニングがより楽しくなるでしょう。
ヨガは呼吸を意識しながらポーズをとり、心と体のバランスを整えるエクササイズです。柔軟性を高めたり自律神経を整えたりする効果もあります。
ヨガはバランスや柔軟性が必要となる難しいポーズも多いですが、デイサービスでは椅子を使って高齢者が無理なくポーズをとれるようにしています。
普段使わない部分を伸ばしたり動かしたりして、動きやすく転倒しにくい体作りを目指します。
また、ヨガは体だけでなく心も整えるものです。心を安定させたり、認知症を予防したりする効果も期待できます。
デイサービスにはストレスが解消できる取り組みもあるっポ。
高齢者はストレスを発散する機会がなかなかありませんが、ストレスを解消できるような面白い取り組みをしているデイサービスがあります。
思いっきり声を出したり、リラックスしたり、何かに没頭したりなど、ストレスが解消できるデイサービスの取り組みはさまざまです。
カラオケはストレス解消につながる人気のレクリエーションです。激しく体を動かさなくてもストレスが発散できるため、高齢者に適しています。
気分が明るくなり緊張や抑うつなどが改善されるほか、懐かしい歌は回想法にもなります。
また、高齢になると飲み込む力が低下して誤嚥や窒息のリスクが高まりますが、カラオケは高齢者の嚥下機能の向上に効果的です。
大きく口を動かすと筋肉が増強され、誤嚥防止につながります。唾液の分泌がよくなる効果も期待できるでしょう。
お風呂に力を入れているデイサービスは多く、温泉のある施設は特に人気です。
温泉には体を温めて健康を促進する効果だけでなく、ストレス解消やリフレッシュ効果も期待できます。温泉につかるだけで日々の疲れが癒されるでしょう。
デイサービスでの入浴に抵抗のある方には、足湯のある施設もあります。
温泉のあるデイサービスが通える範囲にない方は、手足を伸ばして入浴できる大浴場もおすすめです。
温泉や大浴場はデイサービスに通う楽しみのひとつになり、高齢者の閉じこもりや孤立感の解消にも効果的です。
クッキングスタジオのような設備のあるデイサービスでは、高齢者みんなで料理を楽しめます。
大勢で作業できるレストランのような厨房があり、初心者でもチャレンジできます。
料理は手順を考えたり、材料を包丁で切ったり、彩よく盛り付けたりといろんな作業があり、作業療法としての効果があります。
料理をイチから完成させることで達成感を得られ、ストレス解消にも効果的です。
また、調理の過程では一人ひとりが役割を持ちます。達成できれば失っていた自信を回復させることも期待できるでしょう。
最後には実際に自分の舌で楽しめることも大きなメリットです。
地域の人と交流できたら楽しいっポ。
デイサービスは外からでは中の様子がよくわからず、閉鎖された世界といえます。しかし国が目指しているのは、高齢者ができる限りなじみの関係のなかでその方らしく暮らし続けられる地域作りです。
そのため、地域との交流に力を入れ、創意工夫しているデイサービスがたくさんあります。
たとえば以下のような取り組みです。
バザーは地域の方が集まりやすい催しです。デイサービスがバザーを主催したり、地域が主催するバザーに会場を提供したりと、地域住民と高齢者が自然に交流できるような仕組みです。
また、デイサービスが地域のバザーに出店することもあり、レクリエーションの時間に作った手芸作品や絵はがきなどを出品します。
自分の作った作品がバザーで売れれば達成感が得られ、生きがいや今後のやりがいにもつながります。「自分も地域の一員である」と再認識できるきっかけにもなるでしょう。
デイサービスで開催される音楽会には主に2つのパターンがあります。
ひとつめは地域の方を招待し、利用者や職員が練習した成果を披露する音楽会です。音楽会で多くの人に聞いてもらえれば、高齢者は達成感と充実感を味わえます。
ふたつめは、外部の団体に来てもらって歌や演奏を聞くパターンです。地域の子どもや音楽隊がデイサービスを訪問します。
交流になるのはもちろん、聞き手側に合わせた懐かしい選曲も期待できるため、高齢者の回想法にもつながります。
また、ボランティアのバンドなどが訪問することもあります。
レクリエーションで作った作品を地域の人に見てもらえるように、展示会を開催するデイサービスもあります。
習字や手芸、折り紙、水彩画、共同制作の壁画など、展示の内容はさまざまです。プリンカップを集めて作ったロボットなどの個性的な展示品が並ぶこともあります。
作った作品を展示会で披露することが目標になり、デイサービスに通うモチベーションアップやレクリエーションのやりがいにつながります。
デイサービスに季節のイベントはつきものだっポ!
多くのデイサービスが季節の行事イベントを積極的に取り入れ、季節ごとにさまざまなイベントを開催しています。
春 | ひな祭り、お花見、端午の節句 |
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夏 | 七夕、夏祭り、盆踊り、花火、バーベキュー |
秋 | お月見、運動会、敬老会、紅葉狩り、芋掘り、ハロウィン |
冬 | クリスマス会、餅つき、書初め、かるた大会、豆まき |
季節のイベントは四季の移り変わりを実感できる機会です。
お花見や紅葉狩りなどで自然を楽しみ、節分やひな祭りなどの伝統的な日本の行事で子どものころを振り返ります。
また、季節のイベントでは食事も楽しみなものです。
たとえば、お正月のおせち料理、ひな祭りのちらし寿司、ハロウィンのかぼちゃ料理などがあります。
季節を感じる料理や旬の食材は五感を刺激し、認知症予防にも効果があるといわれています。
また、伝統的な季節の行事では高齢者の経験が生かせます。過去の経験を活かして積極的に参加することで、生きがいにもつながるでしょう。
ここでは面白い取り組みをしているデイサービスに通うメリットを紹介するっポ。
ご紹介してきたように、デイサービスでは各施設が工夫を凝らした取り組みをしています。
面白い取り組みをするデイサービスには、高齢者のためになる以下のようなメリットがあります。
デイサービスを嫌がる高齢者は少なくありません。子どもじみている、レクリエーションがつまらないといった理由です。
特に男性の高齢者はデイサービスに行きたがらない方が多い傾向で、リタイア後の居場所が少なく自宅に引きこもってしまう方もいます。
面白い取り組みがあれば自分も参加したいと思えるため、居場所ができて孤立感の解消につながります。
また、共通の趣味を持った利用者との会話のきっかけになり、なじみの関係の構築にも効果的です。
デイサービスの利用者は加齢や病気などの影響で身体機能が低下しているため、高齢者の身体機能を維持・向上させることがデイサービスの目的のひとつになっています。
どんなデイサービスでも身体機能を鍛える取り組みはしていますが、面白く機能訓練できればそれに越したことはありません。
畑仕事やヨガ、全身運動ができるゲームなど、利用者が面白いと感じれば積極的に参加でき、楽しく効果的に身体機能を鍛えられます。
デイサービスでは、認知症予防を目的とした取り組みも実施されています。
わかりやすいところでは脳トレですが、そのほかにも身体的・心理的・社会的な活動が認知症のリスクを下げるといわれています。
具体的には、適切な運動や正しい食生活で生活習慣病を防ぎ、気持ちが明るくなるようにストレスを防ぐなどです。他人とコミュニケーションをとることも認知症の予防になります。
畑仕事やカラオケ、地域のバザーなどは認知症予防とは関係なさそうですが、デイサービスが実施しているこれらの面白い取り組みが、脳にプラスの影響をもたらしているといえます。
高齢者が行きたくなるデイサービスを見つける方法を紹介するっポ。
「通いたい」と思えるデイサービスは、「楽しくてまた行きたい」と思えるところです。ご本人が「行きたい」と思わなければ、前向きな気持ちでデイサービスには通えません。
ご本人が行きたくなるデイサービスの見つけ方は、以下のコツを意識してみるとよいでしょう。
デイサービスで自分の好きなことや趣味を楽しめれば、通うモチベーションが上がります。
ご本人が好きなスポーツや趣味などは、ご家族であれば誰かしらご存じかと思います。わからない場合は配偶者や子ども、親戚などに確認してみるのもよいでしょう。
ある程度の好みを把握できれば、いくつかのデイサービスに絞ることができます。
デイサービスの取り組みがどんなに面白かったとしても、興味がなければ前向きには通えません。興味を持つかは本人次第のため、ご本人の希望を確認することが第一です。
明確な希望があればその希望に沿って探せますし、もし曖昧なようでしたらご家族がご本人の趣味に合いそうなデイサービスを提案してみるのも有効です。
また、同時に絶対にやりたくない内容も確認しておくと安心です。希望がないときにはやりたくない取り組みをするデイサービスを除外できます。
ケアマネジャーは地域の介護サービスを把握していることが多く、ご本人に合いそうなデイサービスを提案してくれます。
本人がやりたいこと・楽しめそうな取り組みをしている施設がないか、まずはケアマネジャーに相談してみるのがおすすめです。また、デイサービスは地域包括支援センターでも探してもらえます。
デイサービスの詳細はホームページやパンフレットでも確認できますが、それだけでデイサービスを決めるのはおすすめできません。
設備や楽しそうな取り組みが気に入ったとしても、職員の接し方や利用者同士の雰囲気などは実際に見ないとわからないからです。
見学はもちろん、最近では1日体験ができるデイサービスも増えています。行きたくなるデイサービスを見つけるためには、見学や体験を利用して納得してから契約するのがおすすめです。
たとえば「カラオケがしたい」「トレーニングマシンを使ってみたい」など利用したいサービスが決まっていれば、設備を見せてもらったり詳しく聞いたりしてイメージと相違ないか確認してみてください。
デイサービスでは多くの施設が面白い取り組みを取り入れています。ゲームや脳トレ、カラオケ、麻雀、フィットネスジム、地域との交流など、その内容はさまざまです。
季節の行事に力を入れるデイサービスも多く、懐かしい昔の記憶がよみがえったり四季の移り変わりを感じたりするきっかけになります。
デイサービスは高齢者が外出するきっかけになり、身体機能の強化や認知症の予防、他の利用者とのコミュニケーションの機会になるなど、たくさんのメリットがあります。
ご本人が気に入る取り組みをしているデイサービスであれば、日々の生活にハリも出ます。
デイサービスに楽しく長く通うためには、ご本人の趣味や希望に合った施設を選び、できれば見学や体験をしたうえで決めるとよいでしょう。
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