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デイサービスの送迎はどこまでできる?家族が不在なら?

デイサービスの送迎はどこまでできる?家族が不在なら?デイサービスの送迎はどこまでできる?家族が不在なら?

デイサービスには、利用者が安全に通えるように送迎のサービスがあります。送り迎えをしてもらえる便利なサービスですが、「どこまでお願いできる?」「家族の不在時は対応してもらえる?」などの疑問がわくかもしれません。
この記事では、送迎のサポート範囲のほか、送迎にかかる料金、起こり得るトラブル・問題などについても、ケアマネジャーが詳しく解説します。
安心してデイサービスの送迎を利用できるよう正しく知っておきましょう。

相談:デイサービスの送迎は家の中までお願いできますか?

<やすえさん(仮名)55歳>
79歳の母と同居しています。近頃は物忘れが激しく、受診したところ認知症と診断されました。
私も夫も勤めに出ており、昼間一人で過ごす母が心配です。そこでデイサービスの利用を検討し始めたのですが、母は認知症の影響で身支度もままなりません。

デイサービスには送迎があると聞きましたが、家族は仕事の都合で送り出しができないため、できれば家の中まで来て連れて行ってもらえると助かります。
デイサービスの送迎はどこまでしてもらえるのでしょうか。また、送迎の条件やサポートの範囲、注意点などがあれば教えてほしいです。

デイサービスの送迎条件

デイサービスは、日帰りで施設に通う介護保険サービスです。食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどを受けられ、サービスのひとつには送迎もあります。
ご家族による送迎も可能ですが、介護負担を減らすためには送迎を利用すると便利です。

送迎の条件はデイサービスによって異なります。詳細は各事業所への確認が必要になりますが、ここでは一般的な条件について解説します。

デイサービスが送迎できるのは片道30~40分

デイサービスが送迎できるのは、車で片道30~40分程度としているところが多いようです。

一般的に、送迎範囲は事業の実施地域に基づいて決められます。ただし、範囲外であっても送迎ルートの近くなら対応してもらえるケースもあります。また、ご家族が安全に送迎できるのであれば、範囲外のデイサービスに通うことも可能です。

デイサービスの送迎範囲は自宅の安全なところまで

デイサービスが送迎できる場所は自宅のみです。原則として、病院や駅などへの送迎はできません。

デイサービスの送迎範囲は、「本人が自宅に戻り、安全な状態だと確認できるまで」とされ、玄関までの付き添いで安全が確保できるのであれば玄関まで、必要があれば家の中まで付き添います。
車の乗り降り、歩行、車椅子での移動も含め、スタッフは自宅と施設の間を安全に送迎する必要があります。

自宅内での介助が必要な方の場合は、車椅子への移乗、着替え、施錠などを行いますが、介助の範囲は事業所によって異なります。

送迎時間はデイサービスの開始・終了に合わせて設定される

送迎の時間は、デイサービスの始まりと終わりに合わせて設定されます。
送迎車が利用者の自宅をまわり一度に複数人を送迎するため、「何時に来てほしい」といった要望を出しても、必ずしも希望が通るとは限りません。基本的にはデイサービスの送迎ルートに合わせた時間が設定されます。

ただし、交通状況やほかの利用者の送迎対応などで、到着予定時刻は前後する可能性があります。
どうしてもご本人やご家族の都合に合わせた時間に来てほしいときは、家族による送迎を検討しましょう。

デイサービス送迎時のサポート範囲

デイサイービス送迎のサポート範囲

デイサービスの送迎は「自宅での安全を確保できる場所まで」となり、基本的には以下の範囲でサポートします。

基本的な送迎のサポート

  • 玄関と送迎車の間の移動
  • 送迎車の乗り降り
  • 車椅子の上げ下ろし など

居宅内介助サービス

身支度や外出・帰宅の対応が一人でできない一人暮らしの方などには、送迎時に家の中でサポートしてくれるデイサービスもあります。
具体的な居宅内でのサポート範囲は以下のとおりです。

  • ベッドから車椅子への移乗
  • 室内の移動
  • 着替え
  • 室内の電気の点灯や消灯
  • 窓や玄関の施錠 など

居宅内介助サービスの目的は、デイサービス送迎時の支援です。そのため、送迎とは関係ない入浴や食事などの介助はできません。介助が過剰とならないように、時間は30分以内です。
居宅内介助サービスを受けるためには、ケアプランに記載する必要があります。

デイサービスは家族不在でも送迎してくれる

デイサービスの送迎サービスは、ご家族が不在でも利用できます。開始前には迎えがあり、サービス終了後も自宅まで送り届けてもらえます。

安全な送迎をするためには、注意点や具体的な流れなどについて、ご家族と事業所が事前に打ち合わせておくことが必要です。ご本人の健康状態によっては、家族の立ち合いを求められるケースもあります。

家族が不在時の鍵の扱い

ご家族の不在時にデイサービスの送迎があると、鍵の紛失などが心配になるかもしれません。
ご本人が鍵を管理できない場合は、ポストの中や植木鉢の下などに隠しておく方法もありますが、防犯上の観点からあまりおすすめできません。

暗証番号付きのキーボックスを設置したり、抑止力として防犯カメラを設置したりする方法もありますが、事業所によっては送迎時に玄関の施錠・解錠や鍵の保管をサポートしてくれます。鍵の紛失が心配であれば、事業所に相談してみましょう。

送り出しには訪問介護を活用できる

デイサービスでは利用者の自宅まで送迎してくれますが、一人暮らしの方や家族の不在時には不安が残るかもしれません。常時見守りが必要な方の場合は訪問介護を利用すると安心です。

訪問介護では、デイサービスに行くための身支度や持ち物の準備などを手伝ってもらえます。
訪問介護でデイサービスへの送り出しをしてもらうためには、ケアプランに必要性や実施方法を具体的に盛り込んだうえで、サービス担当者会議で関係者へ周知が必要です。

訪問介護による主な支援内容は以下です。

  • 移乗介助
  • 服薬サポート
  • 食事・排泄の介助
  • 着替えの支援
  • 戸締り
  • デイサービス職員への引継ぎ など

デイサービスの送迎料金

デイサービスの送迎は、1割負担の方で往復100円程度の料金がかかります。

負担割合 片道 往復
1割 47円 94円
2割 94円 188円
3割 141円 282円

*1単位10円の場合

デイサービスの送迎料金は、もともとのサービス料金に含まれているため、事業所による送迎がなかったときはサービス料金から差し引かれます。

デイサービスの送迎で起こり得るトラブルと対策方法

デイサービス送迎時のトラブル

デイサービスの送迎時に起こり得るトラブル・問題を知っておけば、いざというときに役立ちますし、対策もできます。
ここでは、以下のトラブル・問題と、その対策について解説します。

・本人が行きたがらない
・送迎時に転倒のリスクがある
・送迎車の駐車スペースがない
・送迎車が来ない

本人が行きたがらない

デイサービスを拒否する高齢者は少なくありません。デイサービスでの人間関係がよくない、レクリエーションが子どもっぽいなど、行きたくない理由はさまざまです。また、認知症の症状が影響しているケースもあります。

人間関係が原因なら曜日や時間帯を変える、レクリエーションが嫌なら別の事業所に変更するなど、行きたくない理由に応じて対策を検討するとよいでしょう。
家族だけで悩まず、ケアマネジャーやデイサービスの職員に相談すると、よい解決策が見つかりやすくなります。
ただし、体調が優れないときは無理せず休むようにしてください。

デイサービスへ送り出すコツの解説記事はこちら

送迎時に転倒のリスクがある

ご本人の歩行状態によっては、送迎車と建物の間を移動するときや、車を乗り降りするときなどに転倒する危険があります。
送迎時の転倒を防ぐためには、以下のような方法があります。

  • 送迎スタッフに本人の体調を伝える
  • 移動の妨げになるものはできる限り取り除く
  • 移動時には誰かが付き添う
  • 歩きにくさがあれば杖や歩行器などを使う

歩行時の付き添いがスタッフから家族に変わったタイミング(またはその逆)では、ふらつきやすく転倒する可能性があるため注意が必要です。

もし送迎時に気になった点などがあれば、ケアマネジャーに相談しましょう。リハビリテーションを増やしたり福祉用具を導入したりするなど、必要に応じて転倒への対策をしてもらえます。

送迎車の駐車スペースがない

自宅に送迎車を駐車できるスペースがあれば問題ありません。しかし、駐車スペースがなければ道路などに車を停める必要があり、場合によっては近隣住人とトラブルになる可能性があります。

交通量の多い道路や幅の狭い道に送迎車が停まると、通行の妨げになり渋滞を引き起こしかねません。
自宅周辺に安全な駐車スペースがないときは、デイサービスと相談して駐車場所の調整をしておくと安心です。

また、送迎時の会話がうるさいと苦情が寄せられるケースもあります。迷惑がかかりそうな近隣住人には、事前に送迎の日時を伝えておくと理解を得られやすくなります。

送迎車が来ない

デイサービスの送迎は、必ずしも時間どおりに到着するとは限りません。予定時刻はあくまで目安であり、道路状況や他の利用者の状況などによっては到着時間が前後する可能性があります。
しばらく待っても来ないときは、デイサービスに連絡して確認してみましょう。

また、臨時で送迎をお願いするような通常と異なるケースでは、情報の行き違いが起きやすくなります。情報が正しく共有されるように、以下の点に注意しましょう。

  • デイサービスの職員に電話や対面で確実に伝える
  • 連絡ノートや記録帳などに事前に内容を明記しておく
  • 送迎の運転手や職員にも確認をする

デイサービスの送迎に関するよくある質問

デイサービスの送迎に関しては、よく以下のような質問があります。ここでは、よくある疑問にケアマネジャーが回答します。

・自宅以外に送迎してもらえる?
・一人で座位を保てなくても大丈夫?
・送迎ルートは自分で決められる?
・訪問介護のヘルパーに送迎を頼める?

自宅以外に送迎してもらえる?

デイサービスが送迎できるのは、原則として自宅に限られます。スーパーや病院、駅などでの乗り降りはできません。

日常生活の拠点になっている自宅以外の場所や、自宅への送迎では安全の確保ができないケースでは、別の場所への送迎が認められる可能性もありますが、非常に稀です。
自宅以外への送迎を希望するときには、ケアマネジャーやデイサービスに相談してみてください。

一人で座位を保てなくても大丈夫?

デイサービスには、さまざまな状態の方が通っています。そのため、座る姿勢を保つのが難しい方、車の乗り降りに不安がある方などでも、安心して通える体制が整えられています。

送迎にはワンボックスカーのような広めの車両を使用している事業所が多いです。車内で安全に過ごせるよう職員が付き添ったり、車椅子のまま乗り降りできる福祉車両を取り入れたりしている事業所もあります。

送迎ルートは自分で決められる?

送迎ルートはデイサービスが決めます。複数の利用者を送迎するため、効率を考える必要があるからです。
その日の交通事情や他の利用者の出欠によって、ルートが変更される可能性もあります。

訪問介護のヘルパーに送迎を頼める?

訪問介護のヘルパーにはデイサービスの送迎ができません。訪問介護のサービスには、通院などを目的とした乗車・移送・降車も含まれていますが、デイサービスの送迎は該当しません。

デイサービスに行く前の身支度、持ち物の準備などの送迎支援であれば、ヘルパーにお願いできます。

デイサービスの送迎は家族が不在でも利用できる

デイサービスの送迎は、利用者が安全に通うために必要なサービスです。送迎を利用できる範囲は原則として自宅とデイサービスの間に限られ、本人や家族が送迎ルートを決めることはできません。

家族の不在時や一人暮らしの方でも利用でき、スタッフが利用者の安全を確保できる場所まで送迎してくれます。
不安なときは訪問介護のヘルパーに送り出しをお願いすることも可能です。希望があれば、ケアマネジャーに相談してください。

デイサービスの送迎に不安があれば、ケアマネジャーや事業所に確認し、安心してデイサービスを利用できるようにしましょう。

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著者:竹野 はる(045 FORTYFIVE所属)

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著者:竹野 はる(045 FORTYFIVE所属)

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介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士、介護保険認定調査員、認知症介護実践者研修修了、保育士

介護歴15年の福祉ライター・編集者。訪問介護や特定施設など、さまざまな現場で経験を積んだのち、ケアマネジャーとして働きながら介護保険認定調査員としても活動。障がい者就労支援や保育士の経験もあり。必要な方に正しい情報を届けることを意識し、多様な立場への深い理解に基づいて執筆活動を行っている。

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