夏は暑さで食欲が落ちてしまいがちです。
ある高齢者は娘が食事を用意していましたが、手をつけようとしません。食べない理由をヘルパーが聞いてみると……。
倦怠感を覚えるような暑さが続いています。お店に入るとエアコンが効いていますが、体が暑くなったり涼しくなったりで不調をきたす高齢者も多い季節です。
高齢になると暑さ・寒さに対する感覚が鈍くなるため、夏は必ずエアコンをつけるよう、訪問介護の利用者さんには再三声を掛けています。
こちらの利用者さんは娘夫婦と同居していますが、娘夫婦が働きに出ている昼間は一人で留守番しています。
暑い日でもエアコンをつけず扇風機のみで過ごしていることがあり、注意していないと熱中症のリスクが高い方です。
夏は夏バテによる食欲減退も心配です。夏バテになると、摂取する栄養にも偏りが出てしまいます。
娘さんは栄養バランスを配慮した食事を用意しているのですが、本人は「そんなに食べられない」と用意された食事をあまり食べようとしません。
「娘が口うるさくて……」「食べろ食べろと言われると余計に食欲がなくなる」と、ヘルパーにもよく愚痴をこぼしています。
ちゃんと栄養を摂ってほしいので私も説得するのですが、なかなか伝わりません。
娘さんが用意した昼食は食べず、家の向かいにあるコンビニへ行き、アイスや甘いパン、からあげなどを買ってくることもしばしば。
暑さのせいとはいえちょっと心配な食生活です。
ヘルパーは生活援助のサービスをしていますが、生活援助には、掃除・洗濯などの家事全般だけでなく、安否確認や病状の経過観察などの役割も含んでいます。
見逃せない現状を目の当たりにしたら、その場で利用者さんに注意したり、声掛けや支援をするのもヘルパーの仕事です。
そのため、「暑さで食欲がないんですね」「でもこういうときこそ体のためにちゃんと食べてくださいね」と何度もお願いすると、娘さんが作った昼食を温め、半分は食べてくださいました。
夏はまだ続きますが、ちゃんと食べていただけるといいな……と思っています。
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