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親の介護で自分の生活を犠牲にしない|両立するための考え方と対策

親の介護で自分の生活を犠牲にしない|両立するための考え方と対策親の介護で自分の生活を犠牲にしない|両立するための考え方と対策

「自分の生活を犠牲にしているかもしれない」——親の介護が始まり、そう感じている方も多いのではないでしょうか。介護を長く続けるためのポイントは、無理をしないことです。自分の生活を守るためには、早めの対策を心掛けましょう。
本記事では、親の介護と自分の生活を両立するための考え方や具体的な対策、困ったときの相談先について解説します。

「親の介護」で「自分の生活」がつらくなる前に…知っておきたい3つのこと

親の介護が始まると、自分の生活が少しずつ変わっていくことに気づく方は少なくありません。仕事や家庭との両立が難しくなるのでは、と漠然とした不安を感じている方もいるでしょう。

親の介護で自分の生活がつらくなる前に、以下の3つのことを把握しておきましょう。

・介護にはお金がかかる
・介護と仕事の両立に悩むことがある
・精神的な負担やストレスが増える

介護にはお金がかかる

親の介護ではさまざまな費用が必要になります。例えば、介護サービスの利用料、おむつ代、車椅子や介護ベッドの購入費、住宅改修費などです。
介護費用は親の貯蓄や年金から準備することが基本ですが、不足した場合は子どもが負担せざるを得ないケースもあります。

生命保険文化センターの調査によると、一時的な介護費用の平均は47.2万円。介護度別では以下です。

介護で一時的にかかった平均費用
要支援1 44.5万円
要支援2 43.5万円
要介護1  29.8万円
要介護2 54.3万円
要介護3 41.9万円
要介護4  52.5万円
要介護5 47.2万円

また、月々の介護費用は平均9万円で、在宅介護では平均5.3万円、施設介護では平均13.8万円という結果でした。
介護費用をどのように捻出するか、家族とも相談して早めに検討しておくことが大切です。

介護にかかる費用について詳しくはこちら

介護と仕事の両立に悩むことがある

親の介護にかかる時間が増えると、仕事との両立が難しくなる可能性があります。

厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によると、介護にかかる時間が「ほとんど終日」「半日程度」という方は、要介護3で約5割、要介護5で7割近くです。
介護では、食事や排泄の介助、通院の付き添い、夜間の対応などが必要になり、目が離せない状況が続けば、睡眠不足を招きます。急に会社を休まざるを得ないケースもあるなど、場合によっては介護と仕事との両立が困難になるかもしれません。

しかし、介護サービスや介護休業などの制度を活用することで、上手に両立している人もたくさんいます。

精神的な負担やストレスが増える

介護では、介護が必要な方を支えたり、入浴介助などで中腰の体制を保ったりと、身体的に大きな負担がかかります。しかし、それよりも大きな問題は、精神的なストレスです。

いつ終わるかわからない介護への不安や、介助や見守りに追われる日々に、気持ちがすり減ってしまう方も少なくありません。親に認知症の症状がある場合はなおさらでしょう。
責任感が強い方ほど「完璧にやらなければ」と自分を追い込み、睡眠不足やイライラにつながるケースもあります。

自分の生活を守るためにも、家族や親族、ケアマネジャーなど周囲の力を借りることが大切です。

【セルフチェックシート付き】介護に疲れる原因と対策

ケアマネジャーからの一言アドバイス
介護を始めたばかりのご家族の中には「できるだけ自分で親を支えたい」と考える方もいるでしょう。しかし、介護は短期間で終わるとは限らず、頑張りすぎるとご自身が疲れ切ってしまいます。
困ったときは、ケアマネジャーに早めに相談してください。介護を必要とする方とご家族が、無理なく生活を続けられるようにサービスを調整しています。

「親の介護」と「自分の生活」を上手に両立させる方法

「親の介護」と「自分の生活」を上手に両立させる方法

親の介護では、まず自分の生活を守ることが大切です。介護を優先するあまりご自身が倒れてしまっては、親を支え続けることも難しくなります。

介護は一人で抱え込んではいけません。家族との協力や介護サービスの活用によって、自分を犠牲にしない介護を目指しましょう。

ここでは、「親の介護」と「自分の生活」を両立させる方法をご紹介します。

・介護保険などのサービスを利用する
・介護休業制度を活用する
・介護について親や兄弟と話し合う

介護保険などのサービスを利用する

「親の介護」と「自分の生活」を両立させるためには、介護保険サービスの活用が欠かせません。必要なサービスを利用することで、自分の生活を守りながら、親の生活も支えられます。

在宅介護で利用できる介護保険サービスには、主に以下の種類があります。

訪問介護 ヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴などを支援する
デイサービス 施設に通い、日中の介護や交流の機会がある
ショートステイ 施設に短期間宿泊し、介護サービス等を受けられる
福祉用具貸与 車椅子や介護用ベッドなどをレンタルできる

介護保険サービスを利用するためには要介護認定が必要となり、自己負担は所得に応じて1〜3割です。
介護保険サービスの種類と要介護認定の流れについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

介護サービスの種類と要介護認定の流れについて詳しくはこちら

介護保険サービスだけでカバーできないことは、民間の保険外サービスも検討するとよいでしょう。ただし、全額自己負担になるため注意が必要です。
保険外サービスには、介護タクシーや配食サービス、家事代行などがあります。

ハートページナビでは地域の介護事業所を一覧から探せます

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介護休業制度を活用する

親の介護と仕事の両立に難しさを感じたときには、育児・介護休業法に基づく介護休業などの制度を活用しましょう。

介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分けて休業できる制度です。この期間を活用して、介護サービスの利用に向けた準備や、各種手続きを進められます。

ほかにも、対象家族1人につき年5日の休暇を取得できる介護休暇制度や、短時間勤務、時差出勤ができる制度などがあります。
勤務先が独自の支援制度を設けている可能性もあるため、人事担当者などに確認してみましょう。

介護休業制度について詳しくはこちら

介護について親や兄弟と話し合う

親の介護で自分の生活を犠牲にしないためには、一人で背負わずに家族で役割を分担しましょう。

兄弟姉妹がいる場合は、それぞれができる形で介護を担うことが大切です。遠方に住んでいる兄弟は日々の介護を担えませんが、月に数日来てもらったり、介護費用を負担してもらったりすることはできます。

また、親ができるだけ元気なうちに、今後について話しておくことも重要です。
自宅で生活を続けたいのか、将来的に老人ホームを希望するのか、介護の費用はどうするのか、延命治療が必要になったらどうしたいのかなど、話しにくいテーマですが、確認しておくことで親と自分の生活を守りやすくなります。

兄弟と親の介護負担をシェアする方法はこちら

「親の介護」と「自分の生活」の両立に悩んだときの相談先

「親の介護」と「自分の生活」の両立に悩んだときの相談先

「親の介護」と「自分の生活」を両立するためには、一人で悩みを抱え込んではいけません。
介護で困ったときには、頼れる相談先があります。

・ケアマネジャー
・地域包括支援センター

ケアマネジャー

担当のケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーに相談しましょう。
介護で悩んでいること、困っていること、希望などを相談でき、相談内容に応じて以下のような対応をしてもらえます。

  • 必要な介護サービスの提案
  • ケアプラン(介護サービスの計画書)の見直し
  • 家族の介護負担軽減に向けた介護サービス事業所などとの連携

地域包括支援センター

地域包括支援センターは高齢者の介護や暮らしに関する相談窓口で、市区町村ごとに設置されています。
介護の悩みや不安について誰でも無料で相談でき、状況に応じて地域の介護サービスや制度、専門機関などにつないでもらえます。

ケアマネジャーからの一言アドバイス
「家族だから自分が何とかしなければ」と考え、限界まで頑張ってしまう方は少なくありません。「もっと早く相談すればよかった」というお声を聞くこともあります。
介護は周囲のサポートを受けながら続けていくものです。小さな困りごとでも、早めにケアマネジャーや相談窓口を頼ることで、自分の生活を守りながら介護を続けやすくなります。

「親の介護」と「自分の生活」の両立に関するよくある質問

「親の介護」と「自分の生活」の両立を目指す中では、さまざまな悩みや疑問を抱くかもしれません。
ここでは、「親の介護」と「自分の生活」の両立に関するよくある質問について、ケアマネジャーが回答します。

・親の介護で自分の時間が持てずイライラ…どうすればいい?
・親の介護で家族関係を悪化させないためには?
・親の介護を今すぐやめたいほど疲れました。どうすれば?
・親の介護に使えるお金がないときはどうすればいい?

親の介護で自分の時間が持てずイライラ…どうすればいい?

介護サービスを活用し、自分の時間を確保することが大切です。

親の介護でイライラしてしまうのは、それだけ介護に真剣に向き合っている証です。しかし、イライラするのはつらいですよね。
このような状況が続く場合は、デイサービスなどの利用を増やして、少しでも介護から離れることが大切です。やりたいこと・好きなことを楽しめる時間を作りましょう。

親の介護でイライラする原因や対処法はこちら

親の介護で家族関係を悪化させないためには?

介護負担が偏らないよう、家族で定期的に話し合うことが大切です。

介護にかかる手間や費用が増えると、家族間の意見の違いや不満から関係が悪化するケースがあります。特に、費用負担に関することや介護負担が特定の家族へ偏ることは、トラブルの原因になりやすい傾向です。

そのため、お互いの考えやできることについて、話し合える機会を定期的に作ることが大切です。

親の介護を今すぐやめたいほど疲れました。どうすれば?

まずは自分の心身を休ませることを最優先にしましょう。

親の介護をする中で、イライラすることや「離れたい」と感じるほど疲れることもあります。そのような場合は、ショートステイなどを利用して離れる時間を作り、休息をとれるようケアマネジャーや家族に相談してみるとよいでしょう。
定期的な休息は、介護を続けながら自分の生活を守るためにも大切です。

ショートステイについて詳しくはこちら

親の介護に使えるお金がないときはどうすればいい?

ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、利用できる支援を確認してみましょう。

親の介護費用は、親の貯蓄や年金などから準備することが基本です。費用が足りない場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談しましょう。予算に合わせたサービス利用の計画や制度について提案してもらえます。

自治体によっては、おむつ代や補聴器、食事、訪問理美容などへの助成制度もあるため確認してみましょう。

「親の介護」と「自分の生活」の両立は、一人で抱え込まないことから始まる

介護サービスの活用、家族との役割分担、専門家への相談——これらをうまく組み合わせることで、自分の生活を守りながら親の介護を続けられる可能性が高くなります。

困ったときは一人で抱え込まず、利用できる支援をフル活用しましょう。ご自分と親の生活を守るためには、お住まいの地域の介護サービスや自治体の介護情報を確認してみてくださいね。

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著者:川﨑 翔太

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著者:川﨑 翔太

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介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級
介護福祉士として医療機関や介護付き有料老人ホームの現場で7年間勤務し、ケアマネジャーの資格取得後は、地域密着型特養のケアマネジャーとして2年間従事。現在は、居宅介護支援事業所の現役ケアマネジャーとして10年超のキャリアを持つ。本業と並行し、介護・福祉系ジャンルを中心にWEBライターとして活動中。

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