暑い夏の日、ヘルパーと買い物へ出かけた訪問介護の利用者さん。想像以上の暑さに途中でギブアップしますが、思わぬ出会いがあり……。
近年では、気温が35度を超える日が当たり前になりました。熱中症で搬送された方のニュースを耳にするたびに、「自分も気を付けよう。利用者さんにも気を付けてもらおう」と心の中で呟いています。
しかし、高齢の方々に「水を飲んで」「エアコンをつけて」とお願いしても、なかなかその通りにはしてくれません。
「水を飲んだらトイレに行きたくなるから」「このくらいの暑さならクーラーはいらない」と頑固な方も多く、ヘルパーは苦労しています。
週に一度、ヘルパーと一緒に買い物をしている利用者さんがいます。骨折して入院し、退院してからも一人暮らしが不安とのことで、慣れるまでは買い物に同行することになりました。
この方が退院したのは7月半ばで、すでに気温が上昇。担当のケアマネジャーに相談し、暑さで利用者さんの外出が難しい場合は、同行ではなく買い物支援に切り替えることに決まりました。
8月のある日、最高気温の予報は36度。利用者さんと「今日の買いものはどうしましょうか」と相談したところ、退院後の生活に慣れてきたのか「行きましょう」と前向きでした。
それから一緒にスーパーに向かったのですが、あと50メートルというところで木陰のベンチに座り込んでしまいました。あと少しの距離ではあるものの、高齢者にとっては危険です。
ご本人も無理だと思ったようで、タクシーを使って帰宅することになりました。
暑いなかタクシーを待っていると、利用者さんが「あなた!」と立ち上がり、一人の青年を呼び止めました。どうやら同じマンションのご近所さんのようです。
「汗だくで顔が真っ赤よ。熱中症寸前でしょう!」と、自分が座っていたベンチに彼を座らせ、「どこに行くの? 家? じゃあ私たちとタクシーで帰りましょう! 涼しいから!」と、一緒に帰ることになりました。
タクシーに乗るなり「運転手さん、ちょっとクーラーの風、強めでお願いします!」と、母のような優しさを見せる利用者さん。
調子が悪そうな青年を何とかしないとと世話を焼いているうちに、利用者さんはなんだか元気が戻ってきた様子でした。
まだしばらく暑い日が続きます。こまめに水分を摂取し、ハンディ扇風機なども活用しつつ、熱中症には気を付けたいですね。
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