お盆のある日、ヘルパーが高齢者のお宅を訪問すると、仏壇にキュウリとナスの精霊馬とともに見慣れないカボチャが供えられていました。
不思議に思ったヘルパーが利用者さんに理由を尋ねると……。
お盆の時期、本家となるお宅は大変です。介護が必要な方でも「がんばって豪華な仏花を買ってきた」「高価なフルーツを買うために息子と百貨店に行ってきた」など、猛暑のなか無理をしてしまうので、ヘルパーとしては心配になります。
一人暮らしの利用者さん。訪問介護のサービス中に利用者さんと一緒に掃除をしていたとき、ふとお仏壇を見ると、ナスやキュウリの精霊馬(しょうりょううま)がありました。さらにその横にはなぜかカボチャが並んでいます。
カボチャには紙で作った車輪のようなものがセロハンテープで貼られ、どうやら馬車のようです。
気になって利用者さんに聞いてみると、お孫さんが作ってくれたとのこと。
お盆の時期、利用者さんのお宅には、近所にお住まいの息子さん夫婦とお孫さんが毎年来ています。利用者さんは膝が悪く、息子さん夫婦がお盆の準備を手伝っているんだとか。
そんなある日、お孫さんは仏壇にあった精霊馬(しょうりょううま)を見て、「あのキュウリとナスは何?」と利用者さんに聞いてきたそうです。
利用者さんがその意味を教えた流れで、「お盆が明けるとおじいさんは天国に帰っちゃう。ナスの牛に乗るよりもっとゆっくり帰って欲しい……」と話すと、「おじいちゃんがゆっくり帰れるように、牛さんがもっと遅く進むようにしよう!」と、カボチャの馬車を手作りしてくれたとのことです。
利用者さんはお盆になると毎年寂しい気持ちになっていたそうです。そのことは息子さん夫婦に内緒にしていたようなのですが、お孫さんに打ち明けたことでこの話が息子さん夫婦に伝わりました。
息子さんは「親父は幸せ者じゃないか」「俺はそんなふうに言ってもらえるかわからん」と話していたそうで、利用者さんは嬉しそうにこのエピソードを話してくれました。
亡くなられたご主人も、その様子を嬉しそうに見守っていたかもしれません。利用者さんの話を聞いて、私の気持ちもほっこりしました。
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