老人ホームにはたくさんの施設種類があり、運営ルールも施設ごとに異なります。これらはとても複雑ですし、入居一時金などお金の面を理解することも簡単ではありません。
『老人ホームの窓口 ウェルネス紹介センター』の代表取締役 池田徳孝さんによると、多くの方が老人ホーム探しでベストな選択ができていないそうです。なぜミスマッチが起きてしまうのか、失敗を防ぐ方法について教えていただきました。
<代表取締役 池田徳孝さん>
――一般の方が老人ホームを探すとき、どんな失敗に陥りがちでしょうか?
正直なところ、経験のない方は老人ホーム選びでベストな選択はほぼできないでしょう。
近いから、他の人にいい噂を聞いたから、といった理由で決めるのは失敗しやすい原因です。
施設に入らないといけない理由は人それぞれですから、友だちのお母さんがよかったからといって自分のお母さんにも向いているとは限らないんです。
入居してから「あそこ何もしてくれへんわ」と相談に来る方もいます。
例えば落としたリモコンを拾ってほしいとき、介護付き有料老人ホームなら呼び出しボタンを押せば職員が来てくれますが、元気な方でも入れる施設だと「呼び出しボタンは緊急用です」と言われてしまったりします。
また、すべてをお世話してくれる施設もあれば、食事のときにひとりで食堂まで行けない状態になったら退去が必要になる施設もあります。
これらは外から見てもわからないですよね。入居前に質問すれば適切な答えは返ってきますけど、施設側はマイナスになることはなかなか説明しにくいものです。
それに老人ホームの仕組みは複雑なので、普通の方はそもそも何を質問したらいいのかわかりません。だから適切な質問ができる僕たちのような存在が必要なんだと思っています。
<老人ホームの窓口 兵庫センター>
――老人ホームにはたくさんの種類があって、理解するのは本当に難しいですよね。どんな違いがあるのか簡単に教えていただけますか?
最初は僕も意味がわかりませんでした。本当に難しいですよね。では、有名なものをいくつか解説しますね。
まず、特別養護老人ホーム(特養)です。要介護3以上で入れますが、待機者が多いと言われているのが特養ですね。これは公的なお金が入っているので、年金が少ない人は費用が安くてすみます。
次は介護老人保健施設(老健)です。病院を退院した方などが、リハビリしたりしながら在宅復帰を目指します。ただ、一定期間で出なければいけません。
グループホームは、要支援2以上で認知症と診断された方が対象です。認知症である程度動ける方が入ります。
ここまでは比較的わかりやすいのですが、わかりにくいのは、サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム、介護付き有料老人ホームの3つです。
大きな違いは介護保険の使い方です。介護付き有料老人ホームでは、例えば要介護2なら約20万円の介護保険の枠を施設に2万円(1割負担の場合)払って使います。この枠を施設に渡すことですべての介護をやってもらえるんです。特養やグループホームも同じ仕組みですね。
でも、サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームの2つに関しては、介護保険の枠をご自身が持ち、在宅介護と同じように外部の介護サービスを自分で選んで利用することになります。
それに、介護付き有料老人ホームには人員配置の基準もあって、利用者3人に対して職員1人以上を配置するなどの細かいルールが決まっています。
一方で、サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームでは最低限の部屋の広さや設備のルールは決まっていますが、サービスの中身は運営会社ごとにさまざまなんです。
介護付き有料老人ホームだったらだいたいこんな感じ、と言えますが、この2つに関しては運営会社で違いがありすぎるんですよ。
だから、インターネットの情報だけでは細かい部分までわからず、ご自分で探すとミスマッチしてしまうんです。
僕たちはインターネットでお問い合わせいただいても、対面もしくは遠い方ならビデオ通話などでちゃんとご要望などをお伺いして、ミスマッチを防ぐようにしています。
<代表取締役 池田徳孝さん>
――老人ホーム選びではお金の面でのミスマッチも起きてしまいそうですね。
そうですね。例えばよくあるのは介護保険の料金の枠です。介護保険は要介護度ごとに上限額が決まっていますが、上限を超えた分が実費になる施設と料金に含まれている施設があります。
「この枠を超えたら実費になりますか?」と質問したら、「はい」「いいえ」の答えが返ってくるでしょう。ですが、実費になるのはお客様にとってはデメリットなので、質問しなければ積極的に説明してくれないことがほとんどですね。
それに、西宮市ではこの2、3年で一時金があるような高級老人ホームがすごく増えたんですね。
一時金は2~3割ぐらいが初期償却で引かれます。例えば一時金750万円で初期償却が2割なら150万円が引かれます。残った600万円は5年間で月10万円ずつ償却していき、プラスでいくらかの月額料金がかかるという仕組みです。
90日間はクーリングオフが適応されますが、初期償却のお金が引かれたあとに「やっぱり別の施設に行きたい」となったら150万円損してしまいますよね。だからこそ慎重な選択が必要になります。
――お話を伺えば伺うほど、老人ホーム探しの難しさがわかってきました。
施設の種類と予算、場所を総合的に判断して、適した施設にたどり着くのは本当に難しいですね。
予算のミスマッチを防ぐためには場所のご提案もします。西宮市あたりなら15~16万でも、南の大阪方面だと同じようなサービスで12万程度だったりします。
それに、老人ホームは必ずしも終の棲家である必要はありません。状況に応じて途中で老人ホームを変えてもいいと思います。
例えば、「お父さんをちょっと高めの施設に入れてあげたいけど、何歳まで生きるかわからへんしお金が足りないかも」というケースなら、比較的お元気な最初のうちは高めの施設に入って、身体機能が落ちてきたら特養に移るという選択肢もあります。
「最終的に特養入ったらええやん」と思っておけば、使えるとこまでは高めの施設で暮らせますよね。
「お金がなくて困ってるんです」という方には、生活保護のご説明をしたりもします。
生活保護なんて嫌だとおっしゃる方もいますが、すぐではなくても将来的に生活保護に切り替えることがあるかもしれません。そこも見据えてずっと入れる施設を選ぶこともできます。
<老人ホームの窓口 兵庫センター>
――西宮市や高槻市界隈で老人ホームへの入居について困りごとがある方は、『老人ホームの窓口 ウェルネス紹介センター』に相談すればいいんですね。
はい、ぜひご相談ください。「自分の親は施設に入れない状態かも」と悩む方は多いですが、介護をしている方にとってそのお悩みは意外によくあることだったりします。
一人で悩んでいてもなかなか解決策は出てきませんし、悩んでいたら不安だけが広がってしまいます。僕らはご本人様とご家族様に「入居してよかった」と思っていただける老人ホームをご提案したいと思っています。
ご相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
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