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災害に備えよう!4つの基本でできる高齢者の防災対策

災害に備えよう!4つの基本でできる高齢者の防災対策災害に備えよう!4つの基本でできる高齢者の防災対策
はーとん

大地震、津波、豪雨……日本での暮らしは自然災害と隣り合わせだっポ。

祖父

最近は特に水害が多いし、いつ自分の身に降りかかるか不安だよ。わたしももう高齢者だから、ちゃんと対策できるかどうか……。

はーとん

災害は突然やってくるから各自で行う防災対策が必須だっポ。日頃からしっかり準備しておいてね。

危機に備える!地震や洪水…高齢者も災害対策が必須

はーとん

日本は災害大国だっポ…。災害が起きたとき高齢者は弱者になりやすいから、対策はしっかりしておかないとね。

日本は地震や台風、洪水などの自然災害が多い国です。
地球温暖化の影響もあり、毎年のように巨大な台風や洪水被害が起こるうえに、阪神大震災や東日本大震災のような大地震もかなりの頻度で発生しています。

一般財団法人国土技術研究センター(JICE)が公表している調査によれば、2000~2009年に世界で発生したマグニチュード6.0以上の地震の実に20%強が日本で発生したものでした。
さらに、全世界で生じた災害被害総額の11.9%を日本が占めていたという驚くべき推計結果も出ています(1979〜2008年合計)。

数字から見ても、日本は災害大国であることが明らかでしょう。

日本はさまざまな災害の備えを進めていますが、同時に超高齢社会を迎えています。
災害時、高齢者は若い世代とは違って身動きがとりにくく、行動範囲が制限されてしまいがちです。特に一人暮らしの高齢者や高齢夫婦世帯に対しては、地域社会をあげて支えあう必要があるでしょう。

いつ来るかわからない大きな危機に備えて高齢者はどのような災害対策をすればよいのか、代表的な方法を紹介しましょう。

祖父

日本はほんとうに災害が多いんだね。防災の意識がさらに高まったよ。

4つの基本で備える!高齢者の災害対策

はーとん

基本的な4つの対策をまとめたっポ。災害時に困らないように対策しておいてね。

対策1 「家具の転倒対策」で自宅を安全に

阪神・淡路大震災や新潟中越地震などの地震では、多くの方が屋内で被害に遭われています。
「家具は倒れてくるもの」と考え、高齢者も備えておかなくてはなりません。

まず検討したいのが家具の配置です。
家具が転倒した場合に避けようのない寝室などには、大きな家具を置かない方がよいでしょう。

家具が倒れて逃げ道を塞ぐことがないように、部屋や廊下などの重要な動線には家具を配置しないことも大事です。足が不自由な高齢者は倒れた家具をまたいで移動することが困難なため、工夫が必要になります。

家具の転倒防止も重要な対策です。
テレビ台やテレビといった家具や家電製品用には、転倒防止の粘着マットやストッパーなどが安価で手に入ります。

問題は衣装タンスなどの大型の家具。こういった家具は壁や柱に固定する必要があるので、L型金物や転倒防止用のつっぱり棒を使って固定させましょう。

高齢者が一人で家具の配置変えや転倒防止対策をすることは難しいかもしれません。
家族や周囲の人が確認し、家具の移動や設置を手伝うようにしましょう。

対策2 災害時の「安否確認の方法」を決める

高齢者が一人きりのときに災害が発生する可能性もあるため、家族の安否を確認する方法を決めておくことも重要です。

日頃から、災害時の集合場所や災害時に限って利用できる「災害用伝言ダイヤル」の使い方(「171」へかける)などを家族間で確認しておきましょう。

また、災害時に大きな力を発揮するのがスマートフォンです。
大規模災害時には無料Wi-Fi「00000JAPAN」などが開放されるので、電話がつながらない場合でもデータ通信でお互いの安否を確認することが可能です。予備のバッテリーも必ず準備しておきましょう。

スマホを持つ高齢者には使い方を説明し、念のためにメモなども残しておくと安心です。

対策3 「避難場所」や「避難経路」を確認する

事前に避難場所を把握しておくことも極めて重要です。
地域での避難場所がわからない場合には、市区町村のサイトなどで確認をしておきましょう。

また、避難所までの経路は複数ルートの想定がおすすめです。
災害時には車での移動ができないことも多く、沿岸部では津波や高波の可能性もあります。高齢者が歩いて安全に移動できるルートを考えておきましょう。

対策4 生きるための「食料備蓄」を

大地震や大型台風などによる災害が発生すると、ライフラインが一時的に途切れることがあります。電気やガスも必要ですが、やはり最初に困るのが水と食料の確保です。

支援物資が届くまでに若干のタイムラグがありますし、高齢者であれば災害発生時に一人で遠方まで買い物に出かけたり、支援物資をもらいに行ったりできないケースも考えられるでしょう。

そのため、普段からあらかじめある程度の食料や燃料、生活必需品などを準備しておかなければなりません。

日本政府は「大規模災害発生時に備えた食品や水の備蓄は1週間分が望ましい」とし、最低でも3日分は備蓄するように呼び掛けています。

避難者に対する支援物資は災害から3日程度で届くとされていますが、2016年の熊本地震では遅れが生じたようです。
他の大規模災害でも1週間ほどは水や食料が足らない状況があったため、政府の呼びかけにある1週間というのは妥当な目安といえるでしょう。

祖父

災害が起きるたびにテレビやラジオで防災対策の必要性を言っているけど、なにも準備してなかった自分に反省……。

何を備蓄する?災害に備えた1週間分の水、食料、グッズ

はーとん

具体的な食品の種類や量を確認するっポ。
備蓄に食料と水は必須だけど、ガスコンロも準備しておかないとね。

普段から多めに食料を買い置きしておき、通常の食事にも利用するようにしましょう。
古い食品を消費したら新しく買い足すローリングストックをしておけば、食料を備蓄した状態をキープできます。

以下は大人一人当たりに必要となる備蓄食品の量の目安です。高齢者はもう少し少なくても大丈夫なケースもありますが、食料はあって困ることはありません。

水 21リットル
水は飲料用、調理用と用途が広く、水がなければそもそも生活できません。
大人一人で1日約3リットル使うとされているので、一週間分で2リットルのペットボトルが11本必要です。ミネラルウォーターを準備しておけば、飲料用や調理用に利用できて安心です。

主食(炭水化物) 米2キロ
米は大人一人で1食だいたい75グラム消費するといわれているので、毎日3食お米を食べると1週間で1.5~2kg程度消費する計算です。
これに加えて、カップ麺や乾麺類などの食料品も備蓄しておくといいでしょう。

主菜(たんぱく質)、副菜、その他
主菜はカレーやパスタソースなどのレトルト食品、それぞれ合計して20個ほど準備します。1食で1つ消費する計算です。

また、日持ちする野菜、例えばジャガイモ、玉ねぎ、さらには乾燥野菜や乾燥わかめ、即席スープなどもストックしておきます。
塩、しょうゆ、砂糖などの調味料も普段から切らさないようしおくと安心でしょう。

これらに加えて果物(缶詰やドライフルーツ)、チョコレートやビスケットなどのお菓子類も数袋あると、ストレスを減らせます。

ガスコンロ、カセットボンベ6本
非常時にはガスを使用できなくなることも考えられます。お湯を作れないとかなり不便になるため、カセットコンロの準備は必須です。

カセットボンベは1人当たり1日1本ほど消費するので、家族が多い世帯は数十本を備えておいた方がいいでしょう。

祖父

すぐに妻と買い物に行って一通りそろえたいよ!

避難用に、非常時用持出袋も準備しよう

はーとん

非常用の持出袋も準備するっポ!

災害時、避難所に移動するのであれば避難用のグッズも必要です。
非常時用の持出袋には、水1リットルと非常食3食分を入れておきましょう。

その他は、熊本市の防災マニュアルによれば以下を持ち出すといいそうです。

  • 携帯ラジオ(予備の電池)
  • 懐中電灯(予備の電池・電球)
  • ろうそく
  • ヘルメット(防災ずきん)
  • ライター(マッチ)
  • ナイフ、缶切り、栓抜き
  • ティッシュ
  • タオル
  • 歯ブラシ
  • ビニール袋
  • 上着
  • 下着
  • 軍手
  • 救急医薬品(キズ薬、ばんそうこう、解熱剤、かぜ薬、胃腸薬、目薬など)
  • 常備薬
  • 貴重品(預貯金通帳、印鑑など)
  • 現金
  • 健康保険証のコピー
  • 住民票のコピー

要介護者であれば、着替えやおむつ、携帯用の杖などを必要に応じて準備しましょう。

持出袋を手っ取り早く準備するなら、高齢者、老人向けに売られている「防災グッズ」のキットや防災リュックが便利です。薬や貴重品なども一緒にまとめておけば、いざというときに役立つでしょう。

持出袋はかなり重くなります。肩掛けなどではなく、リュックタイプにするようにしましょう。

まとめ

日本は、全国どの地域でも大地震や大型台風が起こるリスクが存在します。身動きのとりにくい高齢者のいる世帯は、災害への備えが普段からできているかどうかで、災害発生時への対応も大きく変わるでしょう。

災害に備えてやるべきことはそれほど難しくはありません。自分たちの身を守るために、最低限でもいいので避難経路や食料の備蓄、家の中の防災対策などを進めておきましょう。

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著者:かぼじん

著者の画像

著者:かぼじん

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行政書士、WEBライター
行政書士としてデイサービス施設の開業支援などにもたずさわるかたわら、父親がくも膜下出血で倒れたことをきっかけに、そのリハビリや介護などを経験。現在は、90歳を超えた祖母の見守りなどで、日々いろいろな介護支援のサービス、アプリなどを実践中。また宅地建物取引士資格を持ち、大手不動産メディアなどで不動産にまつわる情報をさまざまな角度から解説している。ライターとしては、スモールビジネスや介護関係、不動産投資の記事を中心に執筆活動中。

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