この質問で盛り上がる!高齢者との会話で使えるおすすめのネタ・質問例

高齢者との会話に困った経験はないかな?
会話が盛り上がる質問やネタを紹介するっポ!

地域の集まりでも使えるわね!

高齢者との会話に困った経験はありませんか。特に介護職など、高齢者と接する仕事をする人には多い悩みかもしれません。
自分と高齢者が1対1のときは「何を話したらいいだろう」と考えているうち、会話に詰まってしまうこともあるでしょう。

ですがコツをつかめば難しくはありません。高齢者と話をするときに使えるネタや質問方法、反対に触れてはいけない話題などを紹介します。

高齢者との会話に困る理由

そもそもなんで高齢者との会話に困っちゃうのかな?

そうね、いろいろ理由はありそうだけど…。

高齢者との会話で困ってしまう理由としては、以下のような状況が挙げられます。

生きてきた時代が違うため話が合わない

高齢者と一口に言っても、60代から90代以上まで幅広い年齢の人がいます。
なかには、気持ちが若く最近の話題に詳しい高齢者もいますが、「今の時代のことはよくわからない」という人がほとんどです。
そのため、歳の差がありすぎて会話がかみ合わないケースもあります。

会話が続かない

高齢者にもお喋りの人、無口な人などさまざまなタイプの人がいます。話を振っても「そうだね」としか返さないような無口な人とは会話が続きにくい傾向です。
その場合は、相手が自分から話したくなるような話題を探す必要があります。

耳が遠くて聞こえない

高齢者には耳が遠い人も少なくありません。こちらの声が聞こえず、会話が続かないパターンもあるでしょう。
その場合は、相手の耳元で話したり、静かな場所に移動して話を聞いたりするなどの対応が求められます。

言語障害があり言葉が聞き取りづらい

脳梗塞の後遺症などで自分の思った通りに言葉が出ない高齢者の場合、会話が聞きとれないといったケースもあります。
そのようなときは、会話中に出てくる単語を拾い、何を伝えたいのかを考えることが大切です。

どうしてもわからないときは「ごめんなさい。もう一度お願いします」と正直に謝りましょう。

認知症の人の話が理解できない

同じ話ばかりする、被害妄想がある、嘘みたいな話をする。これらはすべて認知症の症状です。

認知症患者にとっては、同じ話をしているつもりも、嘘をついているつもりもありません。相手の自尊心を傷つけないよう、その都度親身になって話を聞くことが大切です。

困ったらコレ!高齢者との会話が盛り上がるネタと質問例

高齢者との会話が盛り上がる具体的な質問例やネタを紹介するっポ。

質問例を知っておけばいざというときに役立つわね!

ここからは、高齢者との会話に困ったときのネタを質問例とともに紹介しましょう。

高齢者との会話のきっかけになるネタ

まずは、当たり障りのないネタで話のきっかけをつくりましょう。

天気に関する話

質問例:今日の天気予報、見ました?

天気にまつわる話は当たり障りがないため、どのような人にも使えるネタです。

高齢者が天気予報を「見た」と答えた場合は、「見るのを忘れてしまったので教えてもらえますか」と返します。
天気予報の内容を聞いたうえで「午後から雨なのに、洗濯物を干してきてしまいました」や「昔に比べて気温が高くなっていますよね」と話題を広げましょう。

一方、高齢者が天気予報を「見てない」と答えた場合は、天気予報の内容を教えつつ季節の話題につなげます。
たとえば「雨が多くて野菜の値段が高くて困りますよね」や「急に寒くなってきたので、昨日は毛布を出しました」など、相手の共感を得られるような内容がおすすめです。

テレビや芸能人の話

質問例:昨日の〇〇番組、どうでした?

高齢者に、ドラマや歌番組など好んで見ている番組がある場合は、番組内容の話をすると盛り上がります。
自分がその番組を見ていなかったとしても「昨日は、どんな内容でした?」と聞けば会話は続くはずです。

また、番組内容だけでなく、出演する芸能人や歌手の話をする方法もあります。
「主役の〇〇くん、かっこいいですよね。私、好みのタイプなんですよ」や「歌手の〇〇さんって、〇〇県出身らしいですよ」といったプチ情報を調べておくのもよいでしょう。

近所にあるお店の話

質問例:〇〇ってパン屋さん、行ったことありますか?

近所に新しくオープンしたお店や、話題になっている人気店の話は会話のきっかけになるのでおすすめです。

お店に「行ったことがある」と相手が答えたら、利用した感想を聞くことで会話を盛り上げられます。

お店に「行ったことがない」と返答があった場合でも、あらかじめ、お店の情報をホームページ等でチェックしておけば、「メロンパンがおいしいらしいですよ」「〇時頃なら空いているんですって」と話を広げられるでしょう。

健康にまつわる話

質問例:健康に関して注意していることってありますか?

年齢を重ねるにつれて「健康に気を使っている」という人が多くなります。そのため「健康」というワードに反応しない高齢者はいないのではないでしょうか。

高齢者自身に注意していることがあれば、その内容を聞いて話を広げることができますし、なければ効果的な健康法を教えるという手もあります。

このときに「テレビで見たんですけど、〇〇を食べると血圧を下げるみたいですよ」「〇〇を毎日すると、血流が良くなるって本に書いてありました」というように、情報元を伝えるとよいかもしれません。
ですがインターネットをはじめ、いまはウソの健康情報が溢れる時代です。伝える際には十分注意しましょう。

高齢者とじっくり話せるネタ

高齢者のことをもっと深く知りたいときは、昔の話を振ってみましょう。

子どもの頃の話

質問例:今の子どもって公園ではなくて、オンラインゲームで友達と遊ぶんですよ。〇〇さんが子どもの頃は、どんな遊びをしていました?

誰にでも、子ども時代における思い出話のひとつやふたつは必ずあるはずです。高齢者のなかには「昔のことのほうが鮮明に覚えている」と話す人も少なくありません。
懐かしい思い出話をするときは、じょう舌になる人も多いのできっと会話が盛り上がるはずです。

また「オンラインゲームって何?」といった会話にも発展するかもしれません。

若い頃の仕事の話

質問例:〇〇さんが現役の頃は、残業ってありました?

バリバリ仕事をしてきた男性高齢者に、現役時代の話は鉄板です。
きっと「自分たちの時代は、今の時代みたいに休めなかった」「残業が当たり前だった」と誇らしげに話してくれるでしょう。
相手を立てて「すごいですね」「大変でしたね」と相づちと打てば、不思議と会話が途切れることはありません。

出身地や育った場所の話

質問例:〇〇さんって、子どもの頃からこの辺に住んでいたんですか?

出身地や育ってきた環境についての質問は、相手の返答に合わせて話の幅を広げられる便利な問いかけです。

たとえば、相手が「生まれも育ちもこの辺だよ」と答えた場合は「この辺って昔は山だったって本当ですか?」や「〇〇ってお店は、いつからあるんですか?」など、昔と今との違いについて聞くことができます。

また、相手から「子どもの頃は〇〇県に住んでいたよ」と返答があった場合は、「いつこちらに引っ越してきたんですか?」「子どもの頃に住んでいた〇〇県は、どんなところでしたか?」と話を広げることができるでしょう。

質問してはいけない!高齢者との会話で注意すべきネタとは?

会話を弾ませようといろんな質問をしていると、地雷を踏んじゃう可能性もあるっポ。

どんな内容に注意すればいいのかしら?

高齢者との会話が盛り上がるネタがある一方で、質問してはいけない要注意ネタもあります。
ここからは、高齢者と話すときに触れないほうがよいネタについて紹介しましょう。

高齢者の家族にまつわる話

会話例:〇〇さんの息子さんって結婚しているんですか?

たとえば、高齢者にある程度の年齢を過ぎた息子がいると「息子は結婚しているだろう」と先入観をもってしまうかもしれません。
しかし、フタを開けてみると息子は未婚だった、さらに息子が未婚であることを高齢者自身が悩んでいた、というケースもあり得ます。

そのほか、仲が良さそうに見えたが実は嫁と不仲だった、娘夫婦と疎遠になっているなど、家族ネタは意外とデリケートです。

高齢者を傷つけてしまうおそれがあるため、家族に関わる話は本人が自ら話すまで待ち、根掘り葉掘り聞かないようにしましょう。

病気や死に関する話

会話例:先日亡くなった歌手の〇〇さん、ずっと闘病していたらしいですよ。

高齢者にとって病気や死は身近な存在です。高齢者のなかには、自分が今後どのような病気を患うか、いつ死を迎えるかについて考えている人もいます。
そのため、自分とは直接関係のない有名人の話であっても他人事とは思えません。
病気や死に関する話題は避けるようにしましょう。

もし、高齢者のほうから話を振られた場合は、相手の様子を見ながら話を合わせることが大切です。

高齢者自身が不安になる話

会話例:前に話した〇〇のことなんですけど……。

高齢者のなかには、自分自身の物忘れや記憶違いに不安を抱えている人もいます。そのような人に対して「前にも言ったでしょう」や「その話、何度も聞きましたよ」はタブーです。

「お母さん、すぐ忘れちゃうんだから」といった、若いときなら笑い話で済むような指摘が相手を傷つけるかもしれません。

高齢者が前に話した内容を覚えていることを前提とした、つまり前回の続きになるような話は、状況によって控えるほうがよいでしょう。

ほかの利用者の話(介護職員の場合)

会話例:夜中に何度もナースコールを押す△△さんには、私たちも困っているんですよ。

デイサービスや特別養護老人ホームの介護職員の場合、利用者から別の利用者の話を耳にすることがしばしばあります。

たとえば「同室の△△さん、昨日全然寝てなかったから夜勤大変だったわね」と別の利用者に言われ、思わず「大変でした」と本音を言いたくなる日もあるでしょう。

しかし、介護のプロとして、利用者の悪口や個人情報を話すことはあってはなりません。介護職員が同調することで、利用者の悪口が広まるおそれもあります。
口は災いのもと、注意しましょう。

高齢者との会話を盛り上げるコツ

ちょっとしたコツを知っておくだけでも会話が弾むっポ。

知っておけば役立ちそうだわ!

高齢者と話をするときは、以下のようなポイントを押さえると会話が盛り上がります。
ここからは、高齢者と会話をするときのコツを紹介しましょう。

どう転んでも会話が続く質問をする

高齢者に質問するときは、どんな答えが返ってきても困らないような質問がおすすめです。

たとえば「昨日は外出しましたか?」と高齢者に質問したとします。
相手に「出かけたよ」と言われれば、「どこに行ったんですか」と会話は盛り上がるでしょう。
しかし、相手から「どこにも行っていない」と言われた場合は、会話を続けることが難しくなります。

そのため、高齢者に質問するときは「〇〇と△△、どちらが好きですか」「朝ごはんはご飯派ですか。パン派ですか」といった、どちらの回答であっても会話が途切れない2択の質問がおすすめです。

高齢者の考え方を否定しない

「女は家を守るもの」「子どもが親の介護をするのは当然」など、高齢者のなかには時代に合っていない考え方を持っていたり、自身の思い込みで物事を話したりする人も少なくありません。
そのため、話の内容に対して腑に落ちないこともあるでしょう。

しかし、何十年と生きてきた高齢者の考え方を否定すれば、相手を怒らせてしまう可能性もあります。
「なるほど、そういう考え方もありますね」と声かけし、相手の意見を尊重することが大切です。

認知症の高齢者の話には何度でも付き合う

認知症の高齢者のなかには、何度も同じ話をする人が多いです。しかし「またその話か」と適当に聞いてはいけません。

認知症患者は、自分が以前同じ話をしたことを忘れているため、つまらなそうに話を聞く相手の態度に傷つきます。
大変なこととは思いますが、その都度親身になって話を聞いてあげましょう。

想像力を働かせる

高齢者と話すときは、相手の立場に立って想像力を働かせることが必要不可欠です。

「家族がいない高齢者に、自分の子どもの話をしたら寂しく感じるのではないか」「食事制限をしている高齢者に、自分が食べたおいしい食事の話をしたらつらくなるかもしれない」。

このように、「この話をしたら相手はどう感じるだろうか」と高齢者の気持ちに寄り添うことが大切です。

漠然とした質問ではなく具体的な質問をする

質問をしても「そうだね」「うん」としか返ってこない。そのような高齢者には、具体的な質問を投げかけてみましょう。

たとえば「食事はおいしかったですか?」と口数の少ない人に聞いても「うん」「おいしかったよ」としか答えてくれません。

食事に関する質問をするときは「〇〇の味付けはどうでしたか?」「どのおかずがおいしかったですか?」など「うん」では答えられないよう質問を工夫してみてください。

コツをつかめば、高齢者と楽しく会話できる!

高齢者だからといって、特別なことはありません。
相手の話をよく聞くこと、想像力を働かせること、根掘り葉掘り聞かないことなどは、話し相手が自分の友人だったとしても心がけるべき点ではないでしょうか。

高齢者ならではの注意点はありますが、ハードルを上げ過ぎず、気軽な気持ちで会話を楽しみましょう。

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著者:柴田 まみ

介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、社会福祉主事任用資格保有
特別養護老人ホームのユニットリーダーや、デイサービスの生活相談員に従事し高齢者福祉に携わる。特にデイサービスでは、介護をするご家族とのやり取りから在宅介護の難しさを実感。現場での経験を活かし、現在、介護関連の記事を執筆中。できるだけわかりやすい言葉を使って、介護の知識がない人でも理解しやすい文章を心がけている。座右の銘は、継続は力なり!

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