株式会社シャイニーケアは、千葉県市原市・千葉市を中心にサービスを提供する居宅介護支援事業所です。2025年1月現在で20名以上のケアマネジャーが在籍し、ご利用者やご家族の介護生活を支えています。
ご利用者がその人らしく生活できること、スタッフが輝きながら働けることを重視する姿勢について、代表取締役 在原憲さんと取締役・統括本部長 坂詰久美さんにお話を伺いました。
<代表取締役 在原憲さん>
――株式会社シャイニーケアはどのような思いを込めて立ち上げたのですか?
在原さん:立ち上げのきっかけは、いまも天国で見守ってくれているもうひとりの仲間の存在です。株式会社シャイニーケアは私と坂詰のふたりで立ち上げましたが、心の中では3人でつくった会社だと思っています。
ここを立ち上げる前、私と坂詰はそれぞれ別の介護事業所に所属し、仕事の上でつながっていました。もうひとりの仲間は、坂詰が働いていた訪問介護事業所の管理者です。いつも一生懸命で笑顔溢れるとても能力の高い方でした。
ですが、がんを患ってしまって。治療を終えてしばらくの間は仕事に復帰していましたが、5年ほどするとがんが転移してしまいました。手術を受けると歩けなくなるそうで、そうなると訪問介護の事業所には戻れません。
その方はちょうどケアマネの資格をとっていたので、「3人でケアマネの会社を立ち上げよう」という話になって。車椅子でも能力を発揮できる会社をつくろうと思いました。
しかし、その方は計画の段階で息をひきとってしまいました。そのあとは、会社を立ち上げる必要があるのか悩みましたが、仲間との約束を守るために進めることにしました。
――その方の思いを胸にシャイニーケアができたのですね。イチから事業を立ち上げるのは大変だったのではないですか?
坂詰さん:私たちは2人とも経営的なことは素人なので、介護事業所や経営コンサルタントをやっている在原の知り合いの社長さんにアドバイスをいただきながら、事業計画も何とか形になりました。その方がいなかったら立ち上げまですごく時間がかかっていたと思います。
<取締役・統括本部長 坂詰久美さん>
――シャイニーケアの経営理念に、「歳を重ねても、身体が不自由になっても『その人らしく』」という一文がありますが、ケアマネジャーという立場でその人らしく支えるのは難しそうです。
在原さん:難しいですが、過去にあった失敗がいまに生かされていると思います。
ケアマネジャーになりたての頃、難病の方に対して自分の一方的な意見を押し付けてしまったことがありました。この病気の方はいずれこうなるからこうしたほうがいい、というのを自分の頭の中で勝手に描いてしまって。
そしたら「あんたは医者じゃないし、俺の気持ちもわからないだろ。俺にはありたい姿があるのに決めつけるなんておかしい。もう帰れ!」とすごく怒られて、帰るしかありませんでした。
そのことを知り合いに相談したら「自分はどうしたいの?」と聞かれて、「その方がその人らしくあり続けるように少しでもサポートしたい」という自分の気持ちに気付いたんです。
すぐに謝罪の電話をして、もう一度チャンスをいただけました。
「その人らしさ」というものをもっとちゃんと意識しなければいけないと、頭の上に鉄の塊を落とされたくらいに思い知らされた出来事です。
それ以降は、ご利用者様がこうありたいって言うならそれでいい、というスタンスになりました。
――坂詰さんはどのようにご利用者様を「その人らしく」支えていらっしゃいますか?
坂詰さん:「その人らしく」を実現するには、まずご利用者様の本心を知ることが大事だと思っています。ですが、ご利用者様は初見のケアマネジャーになかなか本音を言ってくださいません。
ご家族の顔色をうかがって本音を言えないこともあるので、心の奥にあるものを引き出さないといけなくて。
時間はかかりますが、訪問のたびに少しずつ気持ちを近づけて、本音を聞き出すようにしています。本音を語っていただくためには、やはりコミュニケーションがいちばん大切です。
ご利用者様の本音を聞き出せたら、それをご家族に伝えています。ご家族の負担も考えながらですが、施設は最終的な段階だと思うんです。ご利用者様ができるだけ自宅で過ごせるように、ご本人の意思を尊重してその人らしい人生を送れるようなプランニングを心掛けています。
在原さん:その人らしい人生を送れれば、その人の人生は輝くと思っています。シャイニーケアは、輝くという意味の「シャイニー」と、介護やサポートといった意味を持つ「ケア」を組み合わせた社名です。
シャイニーケアと関わることで、ご利用者様や一緒に働く仲間たちがその人らしく輝いてくれると嬉しいですね。
<アリスケアセンタースタッフ 事業所前にて>
――スタッフさんが輝けるような工夫はしていらっしゃいますか?
坂詰さん:残業が少なく、有給も取りやすいので、スタッフがプライベートを充実させやすい環境です。スタッフ全員での飲み会やイベント、社員旅行なども開催しています。
ケアマネジャーはご利用者様と常につながっている状況ですが、つながりっぱなしだとその方の人生を背負うくらいにがんばってしまうスタッフもいます。それだと本人が潰れてしまうので、スタッフがプライベートや仲間との時間を充実させられるようにと考えています。
――スタッフさんの働きやすさはいかがですか?
在原さん:会社に所属していてもケアマネジャーは「個」での仕事になりがちですが、当社にはそうならない風通しのよさがあると思います。スタッフがお互いにサポートし合うような職場です。
ご利用者様の情報共有は会議でもしますが、スタッフ同士のやり取りが頻繁なので、普段の会話をみんながなんとなく覚えています。誰かが急に休んでも他のスタッフが必ずなんとかしてくれるので、本当に助かっています。
スタッフのみんなが、「地域を笑顔で支える」という気持ちで仕事をしています。スタッフの明るさや輝きはどこにも負けないと思いますよ。
<アリスケアセンタースタッフ>
――今後はシャイニーケアをどのような会社にしていきたいですか?
坂詰さん:スタッフが楽しく、やりがいを持って仕事ができる環境にしたいと思っています。仕事を苦痛に感じるような状況にはしたくないので、困ったことがあればすぐにサポートできる体制をつくっていきたいですね。
在原さん:スタッフみんなが心地いいと思える居場所をつくって、それを守り続けることが自分の使命だと思っています。でも守るだけでは時代に置いて行かれてしまいます。みんなの給料を増やす取り組みもしたいですしね。
スタッフ一人ひとりが幸せでいられるように、輝きを増していけるように、少しずつでも前進していかないとですね。
スタッフ自身が輝いていなければ、隣にいる仲間や家族、目の前にいるご利用者様を本気でサポートできません。まずはスタッフ一人ひとりが輝けるように、そして輝けたひとりは隣にいる人をサポートする。そんな輝きの連鎖ができるといいですね。
地域をこうしたい、日本をこうしたいとか、自分には大きなビジョンを描けませんが、輝きの連鎖の第一歩をつくれればと思います。
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