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なぜ「転倒して骨折」が要介護の原因に?高齢者の転倒を予防する4つの方法

なぜ「転倒して骨折」が要介護の原因に?高齢者の転倒を予防する4つの方法なぜ「転倒して骨折」が要介護の原因に?高齢者の転倒を予防する4つの方法

はーとん

高齢者は転倒がきっかけで介護が必要になる可能性もあるから注意が必要だっポ!

祖父

転んだだけで介護だなんて……おおげさじゃないかい?

はーとん

そんなことないっポ!ちゃんと日々の転倒予防をしなきゃダメだっポ!

高齢者は骨折が原因で寝たきりになることも?

はーとん

高齢者の骨折はただ骨が折れるだけじゃないっポ。寝たきりになる可能性もあるから、転倒には気をつけないといけないんだよ。


人は年齢を重ねるにつれて筋力や視力が低下したりバランスが悪くなったりと、転倒しやすくなります。しかも高齢者が転倒すると、若い頃に比べて骨がもろくなっていることから、ちょっとした転倒で骨折してしまうことも少なくありません。

介護が必要となる原因でもっとも多いのは認知症ですが、脳血管障害、高齢による衰弱に続いて、第4位が骨折です(内閣府「令和元年版高齢社会白書」より)。

特に女性は約15%が骨折を原因に要介護状態となっています。男性の約7%の倍以上であることから、高齢女性はより骨折に注意が必要であることがわかります。

しかし高齢者の骨折で怖いのは、骨が折れることだけではありません。骨折が寝たきりやせん妄を引き起こす原因になる可能性があるのです。

高齢者は骨折すると治癒するまでに長い時間がかかります。また、骨折した部位によっては長期間の入院を余儀なくされることや、寝たきりの生活を送らなければならないこともあります。

特に、高齢者の骨折で多く見られる大腿骨の骨折では、状態によっては長い間ベッド上で過ごさなければなりません。
高齢者の場合、寝たきり状態が長く続けば歩けなくなる可能性も高くなるため、骨折をきっかけに要介護状態になる人は少なくないといえるでしょう。

また、入院中の単調な生活が認知機能を低下させることもあります。病院での生活は、自宅と環境が大きく異なります。環境の変化が精神的な負担を大きくし、せん妄と呼ばれる意識障害を引き起こす人も少なくありません。

せん妄は一時的な症状であるものの、退院後も不安や混乱状態を引きずってしまう高齢者もいて、せん妄か認知症かの見分けがつかず困る家族も少なくないようです。

このように、高齢者の骨折は本人の環境を変えてしまうほどの大きな出来事であり、身体的にも精神的にも大きなストレスとなります。

その結果、要介護状態の原因となるケースも多く、骨折は高齢者にとって大きなリスクといえるでしょう。

祖父

年をとると骨折がこんなにも危ないものだなんて……注意しなくっちゃ。

高齢者が自宅で転倒しやすい場所は「居室」

はーとん

居室って長い時間過ごす場所だから安全そうだけど、意外に危険が潜んでいるみたいだっポ。

高齢者の転倒は屋外や大きな段差でも起きていますが、東京消防庁の統計によると、自宅内でも頻繁に転倒事故が起きています。
しかもその多くが普段生活をしている居室内です。

例えば、平たんに見えている畳やフローリングで転んでしまうことがあります。滑ってしまったり、足をあげたつもりで上がっていなかったり、床に置いていたものにつまずいてしまったりなどが多いでしょう。
床に敷いた数ミリのカーペットやマットに足をとられてしまったという例もあります。

居室以外では、お風呂場やトイレ、台所など水を使う場所での転倒も少なくありません。

特に浴室は、体も床も濡れていて転倒しやすい条件がそろっています。滑り止めマットを敷いたり家族が見守ったりするなどの工夫が大切でしょう。
もしトイレや台所で床が濡れてしまったら、滑らないように速やかに掃除をして転倒を防ぎます。

祖父

慣れている場所だからこそ油断してしまうのかもしれないね。

高齢者はなぜ転倒しやすい?その原因とは

はーとん

内的と外的、大きく2つの要因があるっポ。

高齢者が転倒する原因は大きく分けて、身体状況に関連する内的要因と、生活環境に影響される外的要因の2種類があります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

転倒の内的要因

内的な要因には、筋力や視力の低下といった体の状態の変化や、緊張や不安、焦りなど精神や心の動き、そして服用する薬などがあります。

高齢者の転倒原因として特に気をつけたいのが薬の影響です。副作用としてめまいやふらつきが出現する薬もあるため、薬の種類によっては転倒のリスクが高まります。

また、複数の薬を飲んでいる場合や、加齢に伴う内臓機能の低下の影響で、副作用が強く出てしまうこともあるでしょう。

転倒の外的要因

外的要因には、床の状態、履物類、部屋の明るさなどがあります。
床は、滑りやすい、わずかな段差があるなどのほか、置きっぱなしの荷物やコードも危険です。また、脱げやすいスリッパ、滑りやすい靴下なども転倒の原因になります

さらに気をつけたいのが部屋の明るさです。暗い場所では床の状態を確認しづらくなるため、床に障害物があっても気づきにくく転倒しやすくなります。

夜トイレに行こうとして転倒する事例が多いことからも、歩行するスペースの明るさは転倒の大きな要因であるといえるでしょう。

祖父

若い頃のようには体が動かなくなったけど、いろんなことに注意して転倒を防ぎたいね。

高齢者の転倒を予防する!4つの方法

はーとん

転倒して骨折してからじゃ遅いっポ!どんな予防方法があるのかな?

寝たきりの原因にもなり得る高齢者の骨折。骨折しないためには転倒の予防が大切ですが、どんな点に気をつけたらよいのでしょうか。

高齢者の転倒を防ぐためには、次の4つの方法が有効です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1.適度な運動をする

転倒予防策として最初に挙げられるのは、適度な運動です。人は年齢を重ねていくに従って、身体機能が低下していきます。

高齢になると体力だけでなく気力が低下する人も多く、そうすると外出の機会が少なくなります。その結果、運動量が減り筋力もますます低下してしまうのです。

転倒リスクを減らすには、適度な運動を取り入れて下肢筋力を維持させることが重要となるでしょう。しかし無理をすると体を痛める原因になるので、運動習慣がない人はストレッチや近所の散歩などの軽い運動から始めてみてください。

また、なかには転倒予防教室を定期的に開催する自治体や病院もあり、運動プログラムや転倒しない体づくりの指導、身体能力測定などを行っています。
外出のきっかけにもなるので、興味がある人はお住まいの自治体などに確認してみてください。

2.服薬中の薬のについて知る

服薬している薬がある場合は、その薬の副作用について知っておきましょう。また、複数の薬を飲んでいると、相乗効果で副作用が出やすくなる可能性があるので注意が必要です。

かかりつけの薬局があれば、薬剤師に相談して薬の説明を受けることができます。
もし、すでに転倒を繰り返していたり、ふらつきが見られたりするなど、転倒への不安が強いようであれば主治医に相談してみましょう。病状や生活状況によって、薬の量や種類を調整してもらえることがあります。

3.環境を整える

転倒予防には、環境の整備も大切です。動線となる廊下や居室などの床には、できるだけ物を置かないようにしましょう。また、コード類は足を引っ掛けないようにまとめ、足を取られないようにします。

絨毯を敷く場合は、できるだけ部屋全体に敷いて四隅をしっかり固定してください。足の上がりが悪い方だと、薄いマットでも引っかかることがあります。
玄関のように段差があるところでは、マットは使用しないほうがよいでしょう。

台所やトイレなどの水場では床が濡れたらすぐに拭き取り、足が滑らないようにします。玄関マットやキッチンマット、お風呂用の足ふきマットなどは滑り止めのあるものに変更しましょう。
また、トイレへの動線となる廊下には足元灯を設置しておくと、夜間の転倒を防ぎやすくなります。

立ち座りに不安がある方や歩行時のふらつきが見られる方の場合には、手すりの設置も有効です。壁の材質などにより手すりの設置が難しい場合には、介護保険を利用して据置型の手すりをレンタルすることもできます。

4.道具を活用する

もしもの転倒に備えて、転倒予防に役立つ道具を活用するも有効です。
例えば、滑りにくく足にフィットするルームシューズ(室内履き)はデザインも豊富なので、おしゃれな高齢者でもきっとお気に入りが見つかるでしょう。

尻もちをつきやすい高齢者にはヒッププロテクターがおすすめです。転倒したときにかかる股関節への衝撃をやわらげ、大腿骨の骨折リスクを下げます。

また、家具にはコーナーガードを取り付けておけば、転倒して家具に体をぶつけたとしても怪我をする可能性が低くなります。こちらもさまざまなタイプが販売されており、100円ショップでも購入可能です。

祖父

難しい方法はなさそうだから、早速試してみたいな。

どんな高齢者が骨折しやすい?骨粗しょう症も予防しよう

はーとん

骨粗しょう症になると骨折しやすいってよく聞くっポ。骨を強くする方法はあるのかな?

骨折のしやすさは高齢者それぞれで違い、転倒しても打撲や小さなケガで済む人と、ちょっとした衝撃で骨折してしまう人がいます。

骨折の既往がある人、大腿骨を骨折したことのある家族がいる人、体重が軽い人、お酒やたばこの量が多い人は骨折のリスクが高いといわれています。

そして、もっとも重要視したいのが骨密度です。年を重ねると骨密度が低くなり骨がもろくなります。わずかな衝撃でも骨が折れやすくなるため、骨折を防ぐには骨粗しょう症の予防が重要なのです。
特に女性は骨密度が低くなりやすく、骨粗しょう症を患う高齢女性は少なくありません。

骨粗しょう症予防には、骨を強くする食事が有効です。小魚や牛乳などのカルシウムが豊富な食材を多く取り入れた食事をしましょう。
キノコ類などに多く含まれるビタミンD、納豆やチーズなどに含まれるビタミンKも一緒に取ると、カルシウムの働きを助けます。

ビタミンDは日光に当たると皮膚で合成されます。また、適度な運動には、骨は強くする効果もあります。散歩やウォーキングをするなど無理のない運動を取り入れて、骨粗しょう症の予防に努めましょう。

祖父

やっぱり食事や運動は健康の基本なんだね。妻と一緒に骨粗しょう症予防を心掛けるよ。

まとめ

高齢者はちょっとしたきっかけで要介護状態になってしまうことがあります。特に、骨折は治療までに時間がかかり入院となるケースも多いため、そのリスクは高いといえるでしょう。

要介護状態の予防には、骨折の原因となる転倒の予防も大切です。転倒しにくい環境と体作りをし、いつまでも健康な体を維持しましょう。

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著者:中村 楓

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著者:中村 楓

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介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了
現役介護福祉士の介護コラムニスト。介護療養型医療施設(現:介護医療院)を含む病院やデイケア、デイサービスなど、入所から在宅までさまざまな現場を経験。介護職員や介護認定調査員の経験を経て、現在は相談員として勤務。介護の未来を明るくしたいという想いから、現場感あふれる記事を誰にでもわかる表現で執筆中。

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