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6月のレクは注意が必要だっポ。6月にしかできなおすすめレクを、介護のプロが教えてくれるよ。
デイサービスや老人ホームのレクの参考にしてほしいっポ。
6月は気温の高い日が増えてくるものの、まだ暑さには慣れません。この時期、レクリエーションを計画するデイサービスや介護施設は注意が必要になります。なぜなら、高齢者は気温の変化に体の調子を合わせることが難しいからです。
たとえば、人の体は気温が高くなると発汗して体温を調整するように働きますが、高齢者は暑さを感じるセンサーの働きが十分でなく、暑さを感じにくい傾向にあります。逆に寒いと風邪をひくのではないかという警戒感から、6月はまだ厚着のままでいる高齢者もしばしば見られます。
そうすると、体の中の熱の放散ができず体温が高くなり、いわゆる「こもり熱」の状態になりやすいのです。こもり熱をそのままにしていると、高齢者に自覚がなくても熱中症に移行することがあるため、少しずつ暑い日が増えてくる6月は高齢者の体調に十分気をつけなければいけません。
6月におすすめのレクリエーションを5つ紹介します。
6月といえば、紫陽花(あじさい)、雨、カエル、てるてる坊主などをイメージします。紫陽花やカエルなどは折り紙でも簡単に作れるので、6月の制作系レクに最適です。
指先を動かす折り紙は、脳の刺激になるというメリットがあります。また麻痺があっても、少しの補助があれば自分で簡単な折り紙を作れる方も多いので、折り紙の用紙の大きさを変えてその人の巧緻性(こうちせい:手先・指先の器用さ)の能力に応じるのが良いでしょう。
また、雨にちなんで和風の千代紙で和傘を作るのもおすすめです。簡単でありながら、見栄えの良い制作物を作ることができます。和紙や千代紙を使えば随分と印象の違うものが出来上がるので、折り紙は幼稚と感じる高齢者でも受け入れやすい傾向です。
6月の第3日曜は父の日です。母の日に比べると盛り上がりに欠ける印象もありますが、デイサービスや介護施設では、男性の利用者さんが主役となれるよう、母の日と同様に父の日のイベントを実施すると良いでしょう。
たとえば、日曜大工を取り入れたイベントや食事を居酒屋メニューのバイキングにするなど、若い頃を回想できるような内容にすると、利用者同士の話も盛り上がります。
6月4日から10日までは「歯と口の健康週間」です。口腔機能を維持向上することは、食べたり飲み込んだりの機能を維持するだけでなく、発声や呼吸機能にも影響を及ぼします。
口腔機能訓練加算の算定の有無にかかわらず、歯や口腔機能のチェックを行い、口腔機能向上のための口腔体操を強化する機会にすると良いでしょう。
口腔機能を向上する体操は時間や手間があまりかからないだけでなく、その効果が十分に期待できます。デイサービスでは普段から口腔体操をしているところもよく見られますが、施設ではあまりしていないことも多いようです。この機会に取り組みを始めてみるのも良いかもしれません。
6月が終わると今年も半年が過ぎたことになります。年の初めには、「今年の目標」や「今年チャレンジしたいこと」などを決めた高齢者も多いのではないでしょうか。しかし中には、目標に向けた行動ができていない方もいるかもしれません。半年間で少しでも前に進んだことや、できていないことを一緒に考えてみるといいでしょう。
また、「目標は何もない」という方に対しては、残りの半年でチャレンジできそうなことを考えてもらう機会にもなります。高齢者の生活は単調で思考もネガティブになりがちですので、気持ちが前向きになるきっかけづくりをすると良いでしょう。
6月は梅雨のため雨が多く、外出しにくい月です。しかし、高齢者は少し外出を控えたりするだけで、簡単に身体機能が低下してしまいます。長時間、座位のままで過ごすことがないような工夫をしながら、椅子に座ったまま手足をしっかりと動かせるゲームをレクリエーションに取り入れると良いでしょう。
風船バレーや風船テニスなどは、麻痺などがあっても参加しやすく盛り上がるレクのひとつです。
6月は気温の高い日や天気の悪い日も増えてきますが、7月になると気温はさらに上がり、より出かけづらくなります。そのため6月のレクリエーションは、高齢者の身体機能を落とさないためにも、なるべく体を動かす機会を持てる工夫をすることが大事です。
高齢者がこの時期に身体機能を落とさず過ごすこと、水分補給の習慣をつけることは、夏の熱中症予防にもつながり、とても大切になります。
レクリエーションには、コミュニケーションの促進や身体機能の維持更新、脳の活性化などの効果があり、要介護状態の悪化の防止につながります。
6月は、暑くなる前に体をしっかりと整えられるようなレクを実施することがポイントです。夏を乗り越えられるように、活発に身体を動かして体力を落とさないレクリエーションを取り入れる工夫をしていきましょう。
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