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要介護4の状態とは?施設と在宅介護どちらを選ぶべき?

要介護4の状態とは?施設と在宅介護どちらを選ぶべき?要介護4の状態とは?施設と在宅介護どちらを選ぶべき?
はーとん

要介護4をわかりやすく解説するっポ!

要介護4の状態とは

はーとん

要介護4はどんな状態なのかな?

父

要介護4といえば、もっとも重い要介護5の手前の介護度だよね。

要介護4とは、自分ではほぼすべての生活動作が難しく、生活全般で全介助が必要な状態です。病気やケガ、加齢で身体機能が衰えて、身の回りのことをできない状態が該当します。

移動は車椅子を使用することが多く、寝たきり状態の人も少なくありません。また、認知症が進んで意思疎通が困難になり目が離せなくなった状態も、要介護4に認定される場合があります。

全面的な介護を必要とする状態の要介護4ですが、介護期間はその方の状態等によって異なります。ただし、介護を必要とする期間は「平均寿命と健康寿命との差」で計算でき、男性で8年、女性で12年程度です。

しかし、新規の介護認定でいきなり要介護4が出ることはそう多くありません。あくまで目安ですが、生活全般において介護を必要とする期間はもっと短くなる可能性が高いでしょう。

要介護4は施設入所?それとも在宅介護?

はーとん

身の回りのことができない状態が要介護4ってことは、どこで介護するかを悩む家族も多いかもしれないっポ。

父

もし自分の親が要介護4に認定されたら…って考えると悩んじゃうな。

もし家族が要介護4の認定を受けたら、施設への入所を検討するべきか、それとも在宅で介護するべきかと悩む人も多いでしょう。特に一人暮らしのケースは心配も大きなものになります。
しかし、施設入所と在宅介護、どちらかを選ぶべきかといった明確な基準があるわけではありません。

その人の生活環境や心身状態によって変わるのため、一人暮らしで身近に頼れる人がいないからと施設入所する人もいますし、ショートステイなどをうまく利用しながら最期まで自宅で生活する人もいます。
施設入所と在宅介護、それぞれの要介護4のケースを詳しく見ていきましょう。

介護保険サービスを利用した「在宅介護」

在宅介護を選択するなら、上手な介護サービスの利用がポイントです。家族の負担を軽減するためには介護サービスが欠かせません。ただし介護サービス利用の組み合わせは、同じ要介護4でも人によって異なります。

デイサービスを多く利用する人、定期的にショートステイを利用する人、それに一人暮らしで毎日の適切な介護が必要なことから、訪問介護とデイサービスを交互に利用している人もいます。
どんなサービスが必要なのかはケアマネジャーと相談して決めましょう。

また要介護4の状態であれば、複数の福祉用具が必要かもしれません。介護用ベッドや車椅子、外出時に利用するスロープなどが必要な人も多いですが、これらは介護保険でレンタルできる福祉用具貸与の対象です。

状況に応じて、保険外サービスの利用も検討しましょう。例えば、宅配弁当を届けてくれる配食サービスは多くの高齢者に利用され、普通食だけでなく減塩食やソフト食などを取り扱っている事業所もあります。

要介護4で在宅介護を選択するなら、本人と家族、ケアマネジャーがよく相談したうえで、必要なサービスをケアプランに組み込んでもらいましょう。ケアプランはデイサービスや訪問介護など、関係する事業所と共有されます。
本人と家族が無理のない在宅生活を送るためにも、介護保険を上手に利用することが大切です。

多くの選択肢がある「施設入所」

施設入所を希望したときに、いちばんのネックになるのが費用の問題かもしれません。施設に入所するためにはそれなりのお金が必要ですが、比較的費用を抑えられるのが特別養護老人ホーム(特養)です。要介護4であれば特養などの介護保険施設にも入所可能となるので、検討してみてもよいでしょう。

しかし入所待ちが多く、何年待っても入所できないような地域もあります。できれば要介護4に認定される前に確認しておくとよいかもしれません。

費用面で折り合いが付けば、有料老人ホームという選択肢もあります。また、特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)であれば、介護付き有料老人ホームと同程度のサービスを受けられるので、要介護4でも安心です。

一方、住宅型有料老人ホームや一般的なサ高住は自立した人を入居対象とした施設も多くなります。また、認知症の人が入居対象となるグループホームも、重度の認知症の人は入所が難しくなります。
要介護4でも入居可能かは施設によって異なるので、入居検討する場合には事前に確認しておきましょう。

上限はいくら?要介護4の支給限度額

はーとん

介護保険を利用したサービスの上限額は決まっているっポ。

父

上限額をオーバーしたらどうなるのかな?

要介護4の人が在宅で利用する介護保険サービスは、利用の上限額が決まっています。この上限額を支給限度額といい、上限額は単位数で表します(1単位=10円程度)。

要介護4の上限は30,938単位で、実際に利用できる上限額は30,938円(自己負担1割の場合)。ただし人によっては、2、3割のケースもあるのでご注意ください。また上限額を上回ると、その分は全額自己負担となります。

要介護度ごとの区分支給限度額
要支援1 5,032円
要支援2 10,531円
要介護1 16,765円
要介護2 19,705円
要介護3 27,048円
要介護4 30,938円
要介護5 36,217円

*1割負担、1単位を10円で計算。地域によって異なることがあるので、詳しくはケアマネジャーや市区町村でご確認ください。

介護保険施設に入所する場合には要介護度別の介護サービス費が決められていますが、ユニット型個室か多床室かなどによって異なります。
以下は老人ホームでかかる要介護4の介護サービス費の目安です。

老人ホームでかかる要介護4の介護サービス費 1カ月の目安
特養(多床室) 23,400円
特養(ユニット型個室) 25,860円
老健(多床室) 28,470円
老健(ユニット型個室) 28,680円
介護付き有料老人ホーム 22,140円
グループホーム 25,200円

*1割負担、1単位10円、1カ月=30日で計算。地域によって異なることがあるので、詳しくはケアマネジャーや市区町村でご確認ください。

施設では介護サービス費以外に居住費や食費、日常生活費も必要となります。入所希望の施設に費用を確認しておきましょう。
なお、在宅サービス、施設サービス共に、条件によっては負担を軽減できる制度があります。詳しくはお住いの自治体やケアマネジャーにお問い合わせください。

まとめ

要介護4は生活全般に支援を必要とする状態です。しかし、施設入所と在宅介護のどちらを選ぶのかは本人と家族の意向によるため、それぞれのご家庭で違います。
よく話し合い、お互いに無理のない選択をすることが大切といえるでしょう。

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著者:中村 楓

著者の画像

著者:中村 楓

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介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修修了
現役介護福祉士の介護コラムニスト。介護療養型医療施設(現:介護医療院)を含む病院やデイケア、デイサービスなど、入所から在宅までさまざまな現場を経験。介護職員や介護認定調査員の経験を経て、現在は相談員として勤務。介護の未来を明るくしたいという想いから、現場感あふれる記事を誰にでもわかる表現で執筆中。

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