認知症の症状がある訪問介護の利用者さん。クロスワードが好きで、ヘルパーが訪問するたびに取り組んでいます。
私たちが訪問する利用者さんは、そのほとんどが一人暮らし。そして何らかの理由で一人暮らしができなくなり、多くの方は施設に入所されます。
こちらの利用者さんは、過疎化の進んだ区域で一人暮らしをしていました。しかし、認知症と診断され、息子さんの家に引っ越してきました。
現在、利用者さんは息子さんと二人暮らし。近くには娘夫婦も住んでいて、ときどき様子を見に来ています。
ヘルパーが訪問に入り始めた半年前は、引っ越しによる環境変化で混乱がひどく、認知症の症状が顕著に見られました。
半年経った今では、洗濯・掃除などの家事を落ち着いてできるようになりましたが、調理は危険があることから家族に禁止されています。また、ご自分では服薬管理ができないため、私たちヘルパーが昼食の調理と食後の服薬管理を担っています。
そんな利用者さんは、訪問するたびにクロスワードに取り組んでいます。息子さんが毎月何冊もクロスワードの雑誌を買ってくるそうです。
高校で現代国語の教員をやっていたことが影響しているのか、調子のいいときはものすごい早さでクロスワードをすらすら解いてしまいます。
「すごいですね」と声を掛けると「すごく簡単だから、あなたにもできるわよ」と笑っていましたが、私には簡単に解けそうにありません。
認知症になってできないことが増えても、昔の記憶や経験による能力は残っているんだな、と感じたエピソードです。
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