母親の容体が悪化し、医師からは「2、3日が峠」と言われていました。「覚悟を決めなければ」と思っていた矢先のこと……。
母の容体が急変したと病院から連絡を受け、心臓が飛び跳ねました。早朝5時に車に飛び乗り、大急ぎで病院へ。警備員さんに裏口から入れてもらい、急ぎ足で病室に向かいました。
ベッドに横たわる母の横には看護師さん。そしてその横には心電図があり、すぐに波形が横一線になっていることに気づきました。ドラマで見たことがある光景に、頭は真っ白です。
看護師さんが言うには、僕が病室に着く寸前に呼吸が止まったとのことです。最後に一言、何か一言だけでも母に伝えられなかったことが悔やまれます。
母は最期にどんな気持ちだったのか。点滴だけの生活になってご飯も食べられず、痩せ細った母の顔を見ていたら、ボロボロと涙が出てきました。
母は苦しんで最期を迎えたのではないかが気にかかりました。看護師さんに聞いてみると、安らかに旅立ったとのことで、少し心が救われた気がします。
ふと、いつも家に帰ると「おかえり」と言ってくれていた母の面影が頭をよぎり、心の中で母に「おかえり」と言いました。
そうやって、母の2年におよぶ入院生活が終わりを迎えました。
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