少し認知症の症状がある訪問介護の利用者さん。いつもヘルパーに自慢のコーヒーをすすめてきます。
どうしても飲んでほしい利用者さんが思いついた“ある嘘”とは……?
訪問介護の仕事を始めたとき、「これってヘルパーはできないの?」と思ったサービスがいくつかあります。
例えば、ベランダ掃除やお仏壇の掃除です。仏花を買うことも禁止されていました。
「何で?」と思いましたが、これには介護保険上のルールがあるようです。以下のようなサービスは介護保険が適用されません。
これらのルールにより、ペットの世話や庭の草むしりなどもできない決まりなのです。
このように、ヘルパーにはできないことが多いのですが、原則「物をもらってはいけない」というルールもあります。
しかし、利用者さんたちは親切心から飲み物やお菓子などを用意してくださいます。
たいていは、サービスが終わるころにキッチンからお菓子を探すゴソゴソという音がし、夏は清涼飲料水、冬はコーヒーや紅茶などが用意されていることもしばしば。
「決まりですから」とお断りするのですが、「じゃあ別のなら……」とまた別のお菓子を持ってくる方もいらっしゃいました。
最近、少し認知症の症状が出てきた利用者さん。以前は40年も喫茶店で働いていたそうです。4年前に旦那さんが亡くなってからは一人暮らしをしています。
この方も、たびたびコーヒーを淹れてはすすめてくださいます。そのたびに「すみません、ダメなんです」とお伝えしても「どうぞ」の一点張り。
喫茶店仕込みの自慢のコーヒーを飲んでほしいという気持ちが強いようです。
毎回お断りしているのですが、あるとき「山本さん(別のヘルパー)は目の前で一気に飲んだよ」と言い、“それなのになぜあなたは飲まないの?”という雰囲気に。
そんなはずはないと思い、事業所に戻ってから山本さんに確認したら、やはり飲んでいませんでした。
「どうやったら私のコーヒーを飲んでもらえるんだろう」と考えた結果の一言だったようです。
どうしてもお礼を渡したいと考える利用者さんは、本当にたくさんいらっしゃいます。
お断りしても、ヘルパーが靴を履いている隙にポケットに飴を入れたり、いつの間にかバッグにお菓子をしのばせていたり。
気持ちはとても嬉しいのですが……毎回断ることになるのでヘルパーは少し困ってしまうのでした。
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