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梅雨に注意!高齢者がジメジメ季節を乗り切る6つのポイント

梅雨に注意!高齢者がジメジメ季節を乗り切る6つのポイント梅雨に注意!高齢者がジメジメ季節を乗り切る6つのポイント

梅雨は、湿度が急上昇してさまざまなトラブルに見舞われやすくなる時期。高齢者は特に注意が必要です。
高齢者が梅雨の時期に注意することと対策をお伝えします。

1. 梅雨の時期はダニやカビが発生しやすい

高温多湿になる梅雨は、ダニやカビが繁殖しやすい時期です。

ダニは、布団やソファー、クッションなどに繁殖しやすく、鼻や口から体内に侵入するとアレルギーを引き起こす原因となります。

ダニの発生を防ぐには、湿気をためないことが大切です。晴れた日には布団やクッションなどを天日干しして、掃除機もこまめにかけましょう。

また、発生したダニは布団乾燥機で死滅させることができます。
高齢者の自宅に布団乾燥機がない場合は、高齢者のために布団乾燥サービスを提供している自治体もあるので、有効に活用するとよいでしょう。

カビが発生しやすいのは、浴室やキッチンなどの水回りです。
使ったあとは水気を拭き取るとカビの発生を抑制できます。湿気がたまらないように、窓を開ける、換気扇を回すなど換気をよくする工夫も必要です。

また、除湿器内やエアコンのフィルターにカビが生えることもあります。定期的に点検や掃除をして、次の利用に備えておきましょう。

2. 高温多湿の時期は食中毒にも注意

細菌は高温多湿の環境を好むため、気温が上がり始める梅雨の時期は、カンピロバクターや黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌による細菌性の食中毒に気をつける必要があります。
これらの細菌が食品や料理、調理器具に付着して増殖し、食中毒の原因となります。

買い物から帰ってきたあとは食材をすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れて、調理の際は食材の中まで十分に加熱しましょう。

高齢者は一度に食べる量が少なく、多めに調理して作り置きすることがありますが、料理はなるべく1回で食べきれる量だけ作り、調理後は早めに食べるようにします。
残った分は室内に置いたままにせず、必ず冷蔵庫に入れましょう。

3. ムレなどによる皮膚トラブル

梅雨の時期は気温と湿度が上がるため、高齢者の肌トラブルにも注意が必要です。

例えば、布団の中は湿気や汗で湿度が上がり、皮膚が不潔になりやすくなります。不潔になった皮膚と布団とで摩擦が生じると、床ずれを起こしやすくなります。

また、おむつや尿とりパッドも同様で非常に蒸れやすい状態です。寝ているとき、座ってるときなど、同じ部分に圧力がかかると、梅雨時はいつも以上に床ずれが発生しやすくなります。
赤くなったりかぶれたりしていないかなど皮膚状態をこまめに観察し、清潔を保つようにしましょう。

エアコンの除湿機能にも注意をしてください。湿度を下げようとエアコンのドライを使うと、肌が乾燥して痒みの原因になることがあります。
そのような場合は、保湿剤などでスキンケアをしましょう。

4. じめじめシーズンに気になる水虫の悪化

水虫の原因になる白癬菌は、カビの一種で高温多湿の環境を好みます。

自分では気が付いていなくても靴下の中で汗をかいているなど、靴や靴下の中は湿っていることが多く、梅雨の時期は水虫の悪化に注意が必要です。

外出時に雨が降っていたら、帰宅後にはしっかりと靴や靴下を乾かすようにしましょう。

5. 低気圧による体調不良

低気圧になると、気圧の変化に対して体が調整しようとするため、結果として自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると、高齢者のADL(日常生活動作)低下につながるさまざまな症状が現れることがあります。

  • 気分が憂鬱になる
  • 体がだるい
  • 疲れやすい
  • 風邪をひきやすい
  • 頭痛
  • 食欲不振

など

また、膝や肩などの関節に痛みがある人や神経痛を持っている人は、症状が悪化することもあります。

梅雨の時期は、いつもより体が疲れやすくなったり、不快な症状が出やすくなったりします。この時期は注意が必要という認識を持って、十分な休息や睡眠をとるように心がけましょう。

6. 外出機会の減少によるフレイルのリスク

雨が降ると高齢者は転倒のリスクが高まるため、雨の日は外出を控えた方が好ましいという考え方があります。
その一方で、雨が続いて外出の機会が減ると、運動量が減少するというマイナス面もあります。

活動量が減ると筋力の低下によってフレイルの状態に陥り、生活不活発病を引き起こす恐れがあります。
食欲の低下による低栄養や筋力・体力の低下、体を動かさないことによる睡眠の質の低下などを予防するするためにも運動を心がけるとよいでしょう。

運動は、室内で安全にできる体操をするほか、室内の掃除を高齢者本人がするだけでも効果的です。高齢者がなるべく身体を動かす機会を意識して作るとよいでしょう。

また、外出が減り他者との交流の機会が少なると脳への刺激が少なくなり、認知機能の低下につながることも問題です。
対策としては、家族や友人と電話するだけも効果があります。介護サービスのスタッフと会話するなどして、誰とも話さない日をできるだけ減らしましょう。

まとめ

梅雨の時期に起こるさまざまなトラブルは、高齢者のQOL(生活の質)を低下させるきっかけとなる恐れがあります。
梅雨によって引き起こされるリスクの対策をして、梅雨を乗り切ってください。

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著者:寺岡 純子

著者の画像

著者:寺岡 純子

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合同会社カサージュ代表
主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)、看護師、福祉住環境コーディネーター2級、終活カウンセラー1級
8年間の臨床看護を経て、介護保険の開始に伴い介護業界へ転向。全国展開する大手介護事業者で部長職としてさまざまな介護サービスの運営・人材育成を経験する。医療・介護の幅広い知識と経験を多くの介護事業者に届けたいとの思いから独立。現場・事業者・利用者の視点に立ち、介護に特化した研修や事業者・介護者のサポートを行っている。

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