*11月13日に情報を加筆しています。
介護職員に20万円、もしくは5万円が支給される介護慰労金の支給事業。給付の対象となる条件や申請方法などをまとめました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの施設で感染者が出たりクラスターが発生したりするなど、介護施設やそこで働く職員には大きな負担がかかりました。
そこで国は、新型コロナの感染リスクと戦いながら現場で高齢者を支えた介護職員に対して、慰労金を支給することを5月27日に決定しました。感染者や濃厚接触者に対応した職員には20万円、そうではない職員には5万円が給付されます。
デイサービスや訪問介護、特別養護老人ホーム(特養)など介護保険のすべてのサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などで勤務する職員が対象です。職種は問いません。
ただし、対象期間に介護サービスの施設や事業所で通算10日以上勤務して利用者と接していたことも条件となります。
Q4 慰労金の支給の要件である「利用者と接する」とはどこまで含まれるので
しょうか。
A4 利用者との接触とは、身体的接触に限られるものではなく、対面する、会話する、同じ空間で作業する場合も含まれます。利用者がいる建物から離れた別の建物に勤務し、物理的に利用者に会う可能性が全く無いような場合は対象となりません。なお、最終的な判断は都道府県が行うこととなりますが、一義的には各事業者で判断いただくことになります。
(厚労省パンフレットより引用)
対象期間とは、その都道府県で新型コロナ患者がはじめて発生した日、または受入日のいずれか早い日から6月30日までの間です(岩手県は、緊急事態宣言の対象地域となった4月16日)。
1日あたりの勤務時間は問わず、その期間中に複数の事業所などで勤務していた人は合算してよいとされています。
詳しくは以下、厚生労働省のPDFをご確認ください(P5)。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)の実施について
訪問系サービス事業所
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援、福祉用具貸与、居宅療養管理指導
通所系サービス事業所
通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション
短期入所系サービス事業所
短期入所生活介護、短期入所療養介護
多機能型サービス事業所
小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護
介護施設等
介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、認知症対応型共同生活介護事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
対象期間中に感染者や濃厚接触者に対応したかどうかで支給額が異なります。
20万円
通所・施設系サービス:感染者や濃厚接触者が発生した日以降に勤務して利用者と接触した職員
訪問系:感染者や濃厚接触者に対して、一度でもサービスを提供した職員
5万円
上記以外の利用者と接した職員
*厚生労働省「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)」より
現在、対象期間中と同じ事業所で勤務している場合は、原則として勤務先に代理受領委任状を提出します。
すでに退職している場合は、対象期間に勤務していた事業所から申請してもらうか、都道府県に直接申請することになります。
いずれの場合も、詳しくは以下厚生労働省の案内をご確認ください。
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金(介護分)の支給方法等について
「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)」申請マニュアル~介護事業所・施設等~
申請の受付はすでに7月から開始していますが、都道府県により申請のスケジュールは異なるようです。
また、いつ介護慰労金が支給されるのかというと、こちらもそれぞれで異なりそうです。早いところでは8月末頃とされていますが、申請方法なども含め、詳しくは各都道府県のホームページ等をご確認ください。
「利用者と接する」とはどこまでなのか、濃厚接触者の定義、対象期間の考え方、派遣のケースなど、厚労省がQ&A集を出しています。
不明点のある方は、以下をご確認ください。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)に関するQ&A(第2版)
8月26日に厚労省が出した通知によると、以下のような相談がコールセンターに多数寄せられているそうです。
・職員が慰労金の申請を希望しているのに、事業所・施設が慰労金を申請してくれない
・事業所・施設が派遣労働者や受託業務従事者の分を申請してくれない
(厚労省PDFより引用)
介護職員が慰労金を受け取るためには事業所が申請を行う必要があり、厚生労働省は「未申請の各事業所や施設は、職員や派遣労働者に確実に届くよう配慮してほしい」と求めています。
11月13日現在、SNS上では「介護慰労金がまだ入らない」との声がちらほら見られます。一方で「やっと入金された」との声も多数あります。
申請のタイミングや都道府県により入金のタイミングは一定ではなく、確実にいつまでに交付されるかといった確約も、現在のところ確認した限りでは存在していないようです。
申請さえされていれば確実にもらえるはずです。「いつもらえるのかな?」と心配な方も、もうしばらく待ってみてください。
介護慰労金の詳しい情報や最新情報は各都道府県のホームページ等で確認してね!
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