全国の介護職員らで組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」は8日、岸田政権が取り組む賃上げをめぐる要望書を厚生労働省へ提出した。【Joint編集部】
介護職員の給与を早急に全産業平均の水準まで引き上げるべきと訴えた。
あわせて、こうした"あるべき給与水準"を明示してその達成を促すよう要請。賃上げは将来的に各介護サービスの基本報酬で具体化し、"あるべき給与水準"を不当に満たさない事業者に減算の措置を講じるなど、処遇改善のスキームを再構築すべきと提言した。
また、居宅介護支援のケアマネジャーや福祉用具専門相談員なども含め、介護現場を支える全ての職員を賃上げの対象とするよう働きかけた。
政府は来年2月から、全額国費の交付金によって介護職員の給与を月9000円ほど引き上げる方針。来年10月以降は、介護報酬改定などの代替策によって賃上げの効果を維持していく計画だ。今のところ居宅のケアマネらは対象外とする方向で調整を進めている。
NCCUは要望書で、岸田首相の"賃上げ号令"を「1歩前進」と評価。そのうえで以下のように問題を提起した。
「介護職員の給与は全産業に比して月収で約7万円、年収で約120万円低い。そのことが最大の要因となり人材確保ができない状況。月9000円の引き上げはあまりにも低い」
居宅のケアマネらを対象外とする案については、「多職種協働のチームケアである介護サービスに支障をもたらす」と批判。「対象外の職員から落胆の声があがるとともに、職種間格差がますます広がることは間違いない」と再考を求めた。
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