「お母さんが倒れた」とご近所さんからの電話。父親の病気が発覚して今度は母親まで……?
心の準備がないまま病院に到着します。
母は歩いて1分ほどのご近所さんに新築祝いを渡しに出かけていました。玄関に入ってすぐによろよろと倒れ込み、そのまま気を失ったそうです。
呼びかけにも返答がなかったため、緊急と思い救急車を呼んでくださったとのこと。
ご近所さんから電話をいただき急いで病院に直行しましたが、ドクターから開口一番「すぐに手術をします!」と言われ、思わず「マジか!?」と口から言葉が出そうでした。
5分後には手術室に移動させるとのことで、母と会話らしい会話ができたのはほんの1分ほどです。
ベッドに横になっている母は少し弱々しい口調でしたが、意識ははっきりとしていましたし、自分が意識を失い倒れたことも把握できていました。
ですが、倒れた状況が状況なだけに「もしも」の場合も考えざるを得ませんでした。
今朝まで普通に見えた母が夕方には緊急手術を受けるなんて……母は年齢が年齢でしたしいつかはこんな場面にも直面はするのだろう。それくらいの漠然としたイメージしかなかなかったと思います。
いざその場面に直面し、頭はフリーズしていました。
父は白血病で入院中、そのうえ今度は父を介護していた母が倒れた……僕はどう動くべきか? どうすべきか? 何がベストな選択?
頭の中がマーブル模様のようにグネグネと混ざり、考えがまとまらないまま救急の待合室のソファに座り、手術中のランプが消えるのを待ちました。
症状に気づいてやれなかったことへの罪悪感を抱えながら……。その時はただ、手術がうまくいくことを祈るしかできませんでした。
こちらもおすすめ
新着記事