ハートページナビは介護の総合情報サイトです

口腔・栄養ケア、通所介護などで推進 報酬改定へ具体策検討 厚労省

口腔・栄養ケア、通所介護などで推進 報酬改定へ具体策検討 厚労省口腔・栄養ケア、通所介護などで推進 報酬改定へ具体策検討 厚労省

社保審・介護給付費分科会 14日

来年4月の介護報酬改定に向けた議論を重ねている社会保障審議会・介護給付費分科会が14日に開かれた。今回のテーマは利用者の自立支援・重度化防止の推進だ。【青木太志】

厚生労働省は口腔ケア、栄養ケアを取り上げ、「健康寿命の延伸やQOLの向上を図るうえで重要」と改めて指摘。その充実に向けた具体策を通所介護などで検討していく方針を打ち出した。

検討の方向性としては、「個々の口腔、栄養の状態を効率的に把握し、リスクがある利用者を適切な改善の取り組みにつなげていく」と説明。「機能訓練、口腔、栄養の取り組みを一体として運用していく」との構想も掲げた。

第185回社会保障審議会介護給付費分科会資料

この日の会合では、目下の口腔ケア、栄養ケアの課題がいくつか紹介された。

例えば口腔ケア。厚労省の調査結果によると、通所介護や通所リハビリテーションといった通所系サービスの利用者のうち、医師に「歯科を受診する必要がある」と診断されたのは59.1%にのぼる。口腔機能が低下している人が少なくないのが実情だが、適切な介入を事業所に促す加算は十分に活かされていない。「口腔機能向上加算(*)」を算定している通所サービス事業所は全体の約1割。算定していない理由では、「加算の取り組みが必要な利用者の把握が難しい」が最多となっている。

* 口腔機能向上加算
口腔機能が低下している利用者、またはその恐れのある利用者に対し、歯科衛生士や看護職員などが介護職員らと共同で改善計画を作成し、それに基づく適切なサービスの提供、定期的な評価、計画の見直しといった一連のプロセスを行うことが要件。150単位/月(1ヵ月2回まで)。

栄養ケアも似たような様相だ。通所サービスの利用者のうち、低栄養かそのリスクがある人は38.7%と4割に迫る。ただ加算の算定率はどれも低調。利用者のBMIを「把握していない」と答えた事業所も、通所介護で66.3%、通所リハで52.0%とかなり多くなっている

厚労省は次期改定でこうした状況を少しでも好転させたい考え。施設の口腔ケア、栄養ケアを更に強化するための具体策を検討していく意向も示した。加算の取り組みを普及させ、あわせて質を高めていくことが大きな課題で、委員からはリターンの拡充や職員の負担軽減などを求める声もあがった。

提供元:介護のニュースサイトJoint

この記事をシェアする

ハートページナビは、介護保険・介護サービス事業者情報誌「ハートページ」のWebサイトです。
ハートページ誌は、全国約70市区・約100万部を発行する業界最大級の介護情報誌。20年を超える歴史(2001年創刊)、カバーするエリアの広さ、発行部数、各自治体や連絡協議会と連携し制作された信頼性の高さで、介護に関わるみなさまより高い評価を得ています。
ハートページナビでは、介護情報を専門に扱うサイトとして、介護に関わる皆さまに必要な情報、役立つ情報などを掲載しています。

おすすめコンテンツ

img_sidebar 介護報酬改定・介護保険制度改正の最新情報 オアシス介護おまかせ資料請求