お花見シーズンです。新型コロナの影響でシートを広げての宴会は困難ですが、桜は見るだけでも心が穏やかになりますね。
ですが、ある訪問介護の利用者さんは「花より団子」だったようで……ヘルパーは“あるお願い”をされてしまいます。
桜が咲くほど暖かい季節ですが、「こたつは梅雨まで置いておく!」という利用者さんは昔から意外に多いんです。
皆さんはどのようにお過ごしですか?
気温が上がると高齢者の方も活動的になるようで、「散歩の距離をちょっとのばそうか」「デイサービスでもっと体を動かそうかな」など、訪問介護の際にもよくそういった話になります。
ですが、一番したいことは「家族と会いたい」「孫を抱っこしたい」といった内容がやはり多いようですね。
「早くしないと抱っこできないくらい孫が大きくなってしまうね」と苦笑いする方もいらっしゃいました。
ある利用者さんの願望は「3色だんご」でした。
いまもステイホームを貫いているお一人暮らしの利用者さん。桜が咲き始めると「お花見だんごが食べたい」とおっしゃり、買い物メモには「3色だんご」の文字が。とってもウキウキした表情です。
膝が悪くふらつきもあるため、2年半の間、私が週2回の買い物と掃除をしています。その中でもよく嬉しそうな顔をするのが、お餅系スイーツの買い物を要望されるとき。
ですがその方はもうかなりのお年。お正月は一人だったそうで、喉に詰まらせるのが怖くてお餅を食べられず残念がっていました。
私が3食だんごを買ってくると、まずはお仏壇にお供え。その週の2回目の訪問時には「これ、食べるから見ててほしい!」と、ご自分でお茶も用意して準備万端です。
2本入りの3色だんごをゆっくり味わって完食すると、「やっぱりおだんごはおいしいね」「特に祝い事もないのに食べてごめんね、お父さん」と、嬉しそうにお仏壇に話しかけていらっしゃいました。
見守り中は動けないのでいつもの支援はできませんでしたが、利用者さんは本当に嬉しそうでした。
こんなに感謝されたのはいつぶりだろうと思うほど、「ありがとう」と帰りがけに何度もおっしゃっていたほどです。
自宅から出ることが少ない利用者さん。楽しみを増やすことに貢献できてよかったと思えたエピソードです。
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