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介護保険は全国一律から「地域最適」へ 制度改正の大枠決まる 構造転換の幕開け

介護保険は全国一律から「地域最適」へ 制度改正の大枠決まる 構造転換の幕開け介護保険は全国一律から「地域最適」へ 制度改正の大枠決まる 構造転換の幕開け

社保審・介護保険部会|2025年12月撮影

昨年12月25日、社会保障審議会・介護保険部会が2027年度の制度改正の方向性を描いた意見書を取りまとめた。【Joint編集部】

年末の報道では、2割の利用者負担を求める対象者の拡大など介護費を抑えるための改正の結論が、来年度以降に先送りされたことに注目が集まった。

ただ、今回の意見書の本質は他にある。それは次の2027年度改正が、極めて重要なターニングポイントとなることが固まった点だ。

介護保険は制度創設以来初めて、「全国一律のサービス基盤の整備」という原則を更新し、それぞれの特性を踏まえた「地域ごとのサービス基盤の整備」へと、大きく舵を切ることになった。

◆ 過疎地で新スキームを創設

背景には地域ごとの事情の明白な違いがある。高齢者が減ってサービス需要がしぼむ地域と、都市部のようにサービス需要が増え続けている地域が混在し、もはや全国一律の処方箋では対応しきれない状況に至った。

厚生労働省は今回、こうした現実を考慮して全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3つに分類。それぞれの特性を踏まえ、異なるアプローチでサービス基盤の整備を目指す方針に転換した。

真っ先にテコ入れするのは、サービスの担い手不足や事業者の撤退が深刻な「中山間・人口減少地域」。生活を続ける高齢者を支えるため、地域のサービスを維持していくことを優先させる。厚労省は意見書で、従来の発想にとどまらない大胆な施策を複数打ち出した。

ICT活用などを前提に常勤・専従要件や人員配置基準を弾力化し、サービスをより効率的に運営できるようにする「特例介護サービス」の新類型を創設する。訪問介護については、事業所の収入が不安定になりがちな出来高払いだけでなく、経営の予見性が高まる包括評価(定額報酬)を選択可能とする構想も盛り込んだ。

さらに、介護保険の財源を使った市町村の事業でサービスを維持する道も用意する。

訪問や通所の運営を、市町村が事業者に委託費を支払って続けていく形を想定。利用者数が限られる地域でも、事業所が安定的にサービスを提供し続けられるようにする狙いがある。サービスの公営化や公設民営をより有力な選択肢として位置付けた形で、地域の状況を踏まえた現実路線への転換を象徴するスキームの新設となる。

◆ 問われる構造転換への適応

厚労省は今年の通常国会に、介護保険法などの改正案を提出する予定。「中山間・人口減少地域」の新たな仕組みの詳細は、来年度以降に審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で詰めていく。

順調に進めば2027年度から、介護保険制度は「住む場所」や「働く場所」によって適用されるルールが異なる新時代に突入する。事業者はまず、自らの事業所がどの地域類型に属し、どのルールと向き合うべきかを見極める必要がある。

環境変化への適応が生存条件であることは、たとえ「制度ビジネス」であっても一般市場と変わらない。次の2027年度改正は業界の構造転換の号砲となる。

提供元:介護のニュースサイトJoint

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