訪問介護のヘルパーが利用者さんのお宅を訪れると留守の様子。
しばらくすると子犬を抱えた高齢者が……。
訪問介護に長く勤めていると、利用者さんのトラブルを目の当たりにすることがあります。
利用者さんが「自宅にいない」とか「キャンセルし忘れていた」などで訪室できないといったトラブルは少なくありません。
ですが、「利用者さんが小型犬を抱えて走ってきた」というケースはこのときだけではないでしょうか。
犬は飼っていないはずなので不思議に思っていたのですが、飼い犬を迷子犬と間違えて保護してしまったんですね。
日ごろから心優しさを垣間見せる利用者さん。
ヘルパーは利用者さんから物などを受け取ることができないのですが、それは飲み物も同様です。丁寧にお断りするのですが、夏はヒエヒエ、冬はアツアツの茶を出してくださいます。
また、ヘルパーが快適に掃除できるように最新の掃除用洗剤を用意してくださるなど、いつも周囲に気を遣っているような方なんです。
そんな方ですから、リードをしていない犬を見て「迷子犬だ!」と思い込んでしまったのでしょう。
すぐさま保護をしたのですが、私にひと声かけようとまずは自宅まで戻って来たとのこと。
呼び鈴を鳴らしても不在なので待機していると、間もなく小犬片手に帰宅されました。
突然の出来事に驚いたのですが、「警察に行きましょう」と促すと「きっと飼い主さんが探しているでしょうしね」と不安そうな利用者さん。
ですが事はほどなくして解決しました。
その犬の飼い主さんが利用者さんを追いかけてきたんです。息を切らしながら「うちの子はいつもリードなしで散歩してるんです」と。
後にも先にも一度しかなかった珍しいハプニング。
利用者さんも飼い主さんも高齢だったので、二人とも走って疲れ果てていました。
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