老健のショートステイとは?利用条件や期間・費用をわかりやすく解説

老健のショートステイとは?利用条件や期間・費用をわかりやすく解説老健のショートステイとは?利用条件や期間・費用をわかりやすく解説

「老健(介護老人保健施設)のショートステイって何?」「他の施設との違いは?」と、気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、老健が提供するショートステイの特徴や利用条件、費用の目安、老健以外のショートステイとの違いなどを解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

老健のショートステイとは?

介護老人保健施設(老健)のショートステイとは、医療的ケアやリハビリテーション、介護などを受けながら、短期で宿泊できるサービスです。介護保険サービスのひとつで、正しくは短期入所療養介護と呼ばれています。

そもそも老健は入所型のサービスですが、長期の入所は想定しておらず原則として3~6カ月程度で利用します。
一方で、ショートステイは在宅介護をする方が利用し、より短い期間のみ宿泊するサービスです。

老健は在宅復帰を目指す施設のため、医師や看護師、リハビリテーションの専門職が配置されている点が大きな特徴といえるでしょう。

居室は全部で4タイプ。個室や多床室などがあります。

従来型個室 1人部屋の個室。プライバシーを確保した環境で静かに過ごせる
多床室 大部屋を2人以上で利用する
ユニット型個室 1人部屋の個室。日常は少人数のグループで過ごす
ユニット型個室的多床室 仕切りを使い、個室に近い環境で過ごせる。日常は少人数のグループで過ごす

老健のショートステイの利用条件・利用目的

ショートステイは在宅介護で利用できるサービスで、以下のような目的で使えます。

  • ご本人の心身機能の維持・回復
  • ご家族の介護疲れの軽減(レスパイトケア)
  • ご家族の冠婚葬祭・旅行・出張などによる外出
  • ご家族の体調不良

ショートステイはご家族にとって心強いサービスですが、老健のショートステイは介護保険制度に基づくサービスのため、利用条件が定められています。
利用できるのは以下に該当する方です。

  • 要介護認定を受けた65歳以上の方
  • 特定疾病により要介護認定を受けた40歳以上64歳以下の方

基本的には要介護1~5の認定を受けた65歳以上の方が対象ですが、特定疾病により要介護認定を受けた40~64歳の方も利用可能です。
要支援1・2の方は介護予防サービスとして利用できます。

ただし、重篤な病状の方や高度な医療ケアを必要とする方は、利用が難しいケースもあります。心配な方は、担当ケアマネジャーや施設に確認しておきましょう。

老健のショートステイのサービス内容

老健ショートステイのサービス内容

老健のショートステイは、医療と介護の両面からサポートを受けられる点が大きな特徴です。
医師や看護師、介護職員、理学療法士、作業療法士などの専門職が連携し、サービスを提供しています。

主なサービス内容は以下です。

  • 健康管理(バイタルチェック、体調変化の観察、服薬管理など)
  • 医療ケア(経管栄養、たんの吸引、インスリン注射、医療機器の交換など)
  • 機能訓練・リハビリテーション
  • 日常生活上の介護(食事介助、入浴介助、排せつ介助など)
  • 生活相談
  • レクリエーション
  • 認知症ケア

医療ケアでは、たとえば医師が慢性疾患の診察や急な腹痛など体調変化への対応を行い、看護師が日々の健康チェックや服薬管理を実施します。
栄養士などの関与のもと、食事は一人ひとりの状態に合わせて提供されます。

老健のショートステイの費用

老健のショートステイには介護保険が適用され、自己負担額は所得に応じて1~3割です。基本料金は要介護度や居室タイプによって違いがあります。

1日あたりの基本料金(基本型の場合)
  従来型個室 多床室 ユニット型
要支援1 579円 613円 624円
要支援2 726円 774円 789円
要介護1 753円 830円 836円
要介護2 801円 880円 883円
要介護3 864円 944円 948円
要介護4 918円 997円 1,003円
要介護5 971円 1,052円 1,056円

※1単位10円、自己負担1割の場合
出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造」

上記は基本料金です。職員体制の強化や緊急時の対応など、より質の高いサービス提供がある場合は内容に応じて別途加算があります。

また、介護保険が適用されない費用として、居住費や食費、日用品費も必要です。1日分の費用はおおむね3,000~5,000円が目安となります。

所得が低い方には負担を軽減できる制度もあります。詳細は以下の記事をご確認ください。

ショートステイの費用・軽減制度について詳しくはこちら

老健のショートステイを利用できる期間

老健のショートステイは基本的に短い期間だけ宿泊するサービスのため、利用できる期間には次の制限があります。

  • 連続して利用できる日数は最大30日まで
  • 介護認定期間(有効期間)の半数を超えた利用はできない

連続利用できる日数は、原則として最大30日です。また、介護認定期間(有効期間)の半数を超えて利用することはできません。

ただし、家族が体調を崩しているなどのやむを得ない事情があるときは、上記の期間を超えて利用できるケースもあります。
やむを得ない事情がある方は担当のケアマネジャーに相談しましょう。

区分支給限度額と利用期間の関係

老健のショートステイを利用するときには、区分支給限度額にも注意が必要です。
区分支給限度額とは、利用できる介護サービスの上限額を要介護度ごとに定めたもので、上限を超えた分は介護保険が適用されず、全額が自己負担となります。

ショートステイの利用日数が多い月は支給限度額を超える可能性があるため、注意が必要です。
支給限度額に収まるショートステイの利用限度日数の目安は以下です。なお、1日800円前後として概算しています。

  支給限度額 利用限度日数の目安
要支援1 5,032円 約6日
要支援2 10,531円 約11日
要介護1 16,765円 約17日
要介護2 19,705円 約20日
要介護3 27,048円 約28日
要介護4 30,938円 約30日
要介護5 36,217円 約30日

※1単位10円、自己負担1割の場合

利用限度日数はサービス加算や居室のタイプによって変動します。また、デイサービスなど他の介護サービスも利用していると、ショートステイを利用できる日数が少なくなる可能性があります。

老健のショートステイを利用するメリット

老健のショートステイを利用するメリット

老健のショートステイには、主に以下のメリットがあります。

  • 医療と生活の両面でケアを受けられる
  • 医師や看護師が日中常駐し、夜間の対応体制も整っている
  • 理学療法士などの専門職によるリハビリテーションが充実している
  • 家族は介護から離れてリフレッシュできる

老健のショートステイでは、医療と生活支援の両方をカバーしています。日中は医師や看護職員が常駐し、夜間もすぐに対応できる体制が整っているため、医療的なケアを必要とする方でも安心です。

また、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などによるリハビリテーションが充実しており、歩行や嚥下といった日常生活に必要な訓練を受けられます。

ご本人が施設で過ごしている間は、ご家族が休息する時間にもなります。介護による疲労を緩和させ、穏やかな在宅介護を続ける一助になるでしょう。

特養や有料老人ホームなどのショートステイとの違い

一口にショートステイといっても、その詳細はさまざまです。サービスの種類、提供する施設、介護保険の有無などに違いがあります。
ショートステイの違いを以下にまとめました。

種類 特徴
短期入所療養介護 介護保険:適用
提供施設:老健、介護医療院、療養病床のある病院、診療所
特徴:医療・看護体制、専門職によるリハビリテーションが充実し、医療的ケアが必要な方も利用できる
短期入所生活介護 介護保険:適用
提供施設:特養、専門施設、一部の有料老人ホーム
特徴:食事・入浴・排せつなどの生活介助、機能訓練が中心
上記以外 介護保険:適用外
提供施設:有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
特徴:介護保険が適用されず費用は割高だが、独自の充実したサービスを受けられる

ショートステイは、介護保険が適用される「短期入所療養介護」「短期入所生活介護」、介護保険が適用されない「それ以外」の3つに分けられます。
さらに、サービスを提供する施設にも種類があります。ここでは、施設の種類ごと(老健を除く)にショートステイの違いを解説します。

特養のショートステイ

特別養護老人ホーム(特養)のショートステイは短期入所生活介護にあたり、介護保険の対象です。
サービス内容は、食事や入浴、排せつなど日常生活の介助やレクリエーションが中心となります。看護職員の配置はありますが、医師が常駐する義務はありません。

医療依存度が低く、生活面のサポートを重視したい方に適したサービスです。

特養のショートステイについて詳しくはこちら

ショートステイ専門施設

ショートステイ専門施設は、介護保険が適用される短期入所生活介護がほとんどです。小規模な施設が多く、家庭的な雰囲気の中できめ細やかなサポートを受けられます。

少人数で過ごしたい方、医療的ケアの必要性が低い方に向いています。

介護医療院のショートステイ

介護医療院のショートステイは、老健と同じく短期入所療養介護に分類され、介護保険が適用されます。
介護医療院には「長期療養のための医療」と「日常生活の介護」を一体的に提供するという特徴があり、医師や看護師による手厚いケアを受けられる点が魅力です。

経管栄養やカテーテル管理などの医療ケアが必要な方に向いています。基本料金は老健より高めです。

療養病床のある病院・診療所のショートステイ

療養病床のある病院や診療所でもショートステイを提供しています。老健と同じく短期入所療養介護にあたり、介護保険の対象です。
医師や看護師などの医療従事者がいるため、医療体制が整った環境で過ごせます。

生活支援よりも医療面に重きを置いたサービスのため、病状の安定やリハビリによる機能維持を優先したい方に適した選択肢です。

有料老人ホームのショートステイ

一部の有料老人ホームでもショートステイを提供していますが、その内容は施設ごとに異なります。短期入所生活介護を提供する施設もあれば、全額自己負担の施設もあります。

介護保険が適用されないショートステイは、費用が高額になりやすい点に注意が必要です。しかし、居室設備や食事内容、アクティビティなどの独自サービスが充実しているというメリットがあります。
快適な環境や多彩なサービスを重視する方には有効な選択肢といえるでしょう。

老健のショートステイを利用するには?

老健のショートステイは公的な介護保険に基づいているため、まずは要介護認定を受ける必要があります。
利用までのステップは以下をご確認いただき、計画的に準備を進めましょう。

1.要介護認定の申請をする
2.要介護度が決まる
3.ケアプランを作成する
4.ショートステイの利用を開始する

1.要介護認定の申請をする

お住まいの市区町村の窓口やオンラインで、要介護認定の申請書を提出しましょう。
申請後、介護が必要な状態か確認するために訪問調査が行われ、同時にかかりつけ医が主治医意見書を作成します。

要介護認定の流れについて詳しくはこちら

2.要介護度が決まる

訪問調査の結果と主治医意見書の内容を踏まえて、介護が必要な度合いを示す「要介護度」が決まります。
認定結果(要介護1~5、要支援1・2)は通知書と介護保険証に記載され、郵送で届きます。

3.ケアプランを作成する

認定を受けたら担当のケアマネジャーを決め、老健のショートステイを利用したい旨を相談しましょう。ケアマネジャーは、ご本人やご家族の希望を聞き、具体的な利用スケジュールを組み込んだケアプランを作成します。
その後、利用を希望する老健との契約手続きを進めるのが一般的です。

ケアプランについて詳しくはこちら

4.ショートステイの利用を開始する

利用する老健に予約を入れて、利用日を確定させます。初めに施設スタッフと面談し、ご本人の健康状態や薬などの情報を共有しておくと安心です。
当日に向けて、着替えや日用品などの持ち物を準備しておきましょう。

老健のショートステイに関するよくある質問

老健のショートステイを検討する中で、多くのご家族が疑問に感じるポイントがあります。ここでは、以下のよくある質問に回答します。

・老健のショートステイから入所に切り替えられる?
・老健のショートステイは在宅扱い?
・老健のショートステイと訪問看護は併用できる?

老健のショートステイから入所に切り替えられる?

切り替えは可能ですが、空き状況によって左右されます。

入所に切り替えはできますが、空き状況にもよります。空きが出たら入所できるよう、入所前提でショートステイを利用するとスムーズです。
まずは、担当のケアマネジャーや施設の生活相談員に相談しましょう。

ただし、老健は在宅復帰を目的とした施設のため、そもそも長期入所には向きません。3カ月を目安に退所できる状態か審査します。

老健のショートステイは在宅扱い?

老健のショートステイは在宅扱いです。

老健のショートステイは、短期入所療養介護という在宅サービスです。短い期間のみ宿泊でき、家族の介護負担を軽減させる役割もあります。
長期で入所する老人ホームのように住民票を移す必要もありません。

老健のショートステイと訪問看護は併用できる?

老健のショートステイ利用中は訪問看護を併用できません。

老健には医師や看護師が配置されているため、必要なケアやリハビリは施設内で完結します。そのため、老健のショートステイを利用している最中は、施設に訪問看護を呼ぶことはできません。

ただし、ショートステイの入所・退所日に、自宅で訪問看護を受けられるケースがあります。まずはケアマネジャーに相談しましょう。

老健のショートステイは在宅介護の心強い味方

老健のショートステイは、生活支援だけでなく、医療的ケアやリハビリテーションも受けられるサービスです。医療対応が必要な方や、退院直後で自宅に戻る前に体力を回復させたい方などにとって、心強い味方といえるでしょう。

無理のない在宅介護を続けるためにも、ケアマネジャーと相談しながら適切にサービスを利用しましょう。

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著者:ハートページナビ編集部

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