有料老人ホームに入居する女性の入居者さん。メイクをお願いしたいと介護美容のサービスを依頼しました。
寝たきりの女性がメイクをしたかったというある理由とは……?
普段は訪問介護事業所のヘルパーとして働いていますが、ご依頼があれば個人で介護美容のお仕事もしています。
個人のお宅だけでなく施設入所されている方へのケアもしているので、施設側の許可を得たうえで居室まで足を運ぶことも。
実は在宅よりも施設に入居している方からのご依頼が多く、その理由は「思った時間に外に出られないので楽しみが欲しい」とか「美容師は施設に来てくれているがエステや美容の方は来てくれない」など。
ご利用いただく方は美意識が高めの傾向です。ご高齢になってもセルフケアをしていたり、朝起きたら出掛ける用事がなくてもメイクをしたり。
ある日、有料老人ホームからお電話をいただき、寝たきりの女性入居者さんのメイクをすることになりました。
フェイシャルマッサージで血流を良くして、潤いを与えてからメイクをするサービスです。
入居者さんは元美容師で、若いころからとてもおしゃれだったそう。
脳梗塞を患ってから寝たきりになり、意思疎通はできるものの体を思うように動かすことができなくなりました。
でも「ちゃんとメイクしたい!」「すっぴんは恥かしい」という気持ちは変わらないようで、医師が往診に来る日には必ずメイクの依頼をいただきます。
日ごろ自分でスキンケアしたくてもできないこと、髪型が気になっても直せないことなどをお聞きしていると、「こうしておしゃべりするのって楽しいね。職員さんは忙しくてなかなか話せないからね~」と笑顔。施設の人手不足を感じて、いつも職員さんに気を遣っているのでしょう。
メイクしている最中にお医者さんが予定より早く来てしまい慌てましたが、「先生ちょっと待ってね!メイク中!」と元気よく声を掛けていただき、先生には少しお待ちいただきました。
往診時間に間に合わせることもできて、その方は楽しく往診を受けることができたようです。
楽しいおしゃべりもできて私も元気をもらいました。
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