福祉用具貸与は介護保険サービスのひとつで、13品目の福祉用具をレンタルできます。
ここでは、対象となる13品目の一覧や利用できる条件、「貸与と販売の選択制」などについて、わかりやすく解説します。
福祉用具貸与は介護保険を使える便利なサービスだっポ。
福祉用具貸与とは、介護保険制度を利用して13品目の福祉用具をレンタルできるサービスです。
以下のような効果が見込まれる場合などに、このサービスを利用します。
福祉用具貸与を利用できるのは、要介護1以上の認定を受けた65歳以上の方、または16種類の特定疾病により要介護認定を受けた40歳以上65歳未満の方です。
要支援1・2の方は予防福祉用具貸与として一部品目の対象となり、要介護認定を受けていない方や自立と判定された方が福祉用具貸与を希望するときには、全額実費での利用となります。
ただし、心身の状態によっては福祉用具貸与が認められるケースもあるので、実際に利用を検討したいときにはケアマネジャーなどに相談してください。
介護保険を利用して福祉用具を借りられるなんて嬉しいわね。
福祉用具貸与の対象は合計13品目。
要介護度によってはレンタルできない品目もあるから以下の表で確認してね。
| 要支援1・2 要介護1 | 要介護2・3 | 要介護4・5 | |
|---|---|---|---|
| 車いす | 原則× | ○ | ○ |
| 車いす付属品 | 原則× | ○ | ○ |
| 特殊寝台 | 原則× | ○ | ○ |
| 特殊寝台付属品 | 原則× | ○ | ○ |
| 床ずれ防止用具 | 原則× | ○ | ○ |
| 体位変換器 | 原則× | ○ | ○ |
| 手すり | ○ | ○ | ○ |
| スロープ | ○ | ○ | ○ |
| 歩行器 | ○ | ○ | ○ |
| 歩行補助杖 | ○ | ○ | ○ |
| 認知症老人徘徊感知機器 | 原則× | ○ | ○ |
| 移動用リフト | 原則× | ○ | ○ |
| 自動排泄処理装置(排便機能あり) | 原則× | 原則× | ○ |
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
車いすは、普通型電動車いすと自走用標準型車いす、介助用標準型車いすの3種目に限定されています。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
車いす付属品は、車いすと一体的に利用されるクッションやパッドが対象。
車いすに装着することで動力の一部を補助する電動補助用品も、車いす付属品としてレンタル可能です。また、車いす用のテーブルやブレーキも含まれます。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
特殊寝台とは電動ベッドのことで、対象となるのは、サイドレールと呼ばれるベッド柵が取り付けられているか、取り付けることが可能なタイプです。
さらに、背部もしくは脚部の傾斜角度が調整できるか、無段階に床板の高さが調整できる機能がついているもののどちらかである必要があります。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
特殊寝台付属品とは、ベッド周りの用品を指しています。
ベッド柵やベッド用の手すり、電動ベッド用のテーブルが対象です。さらに、移乗や体位変換などに使用するスライディングボードやマット、介助用ベルトも付属品としてレンタルできます。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
床ずれを防止するためのマットなども福祉用具貸与の対象です。
具体的には、部分的な圧力を解消できる送風装置またはエアマット、水・エア・ゲル・シリコン・ウレタンなどからなる全身用マットなどとなります。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
空気パッド等を使用して仰向けからうつ伏せへの体位変換を容易にするものがレンタルの対象です。
体位保持のみを目的とするものは対象になりません。
要介護1~ 予防福祉用具貸与〇
手すりは、工事を伴わないものや便器またはポータブルトイレを取り囲んで据え置くタイプのものが対象となります。
要介護1~ 予防福祉用具貸与〇
段差を解消するためであり取り付け時に工事が必要ないスロープが、レンタルの対象となります。
個人に合わせて改造したものや持ち運べないものは、福祉用具貸与としての利用はできません。
要介護1~ 予防福祉用具貸与〇
歩行が困難な人の歩行を助ける機能があり、構造的に移動時に体重を支えることができる歩行器が対象です。
車輪があるタイプは身体の前と左右を囲む把手などがあるもの、四脚の歩行器では、上肢で保持しての移動が可能なものとなります。
要介護1~ 予防福祉用具貸与〇
福祉用具貸与の対象となる歩行補助杖は、松葉杖、ロフストランド・クラッチ、カナディアン・クラッチ、プラットホームクラッチ、多点杖の5種類です。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
認知症を持つ高齢者が屋外に出た、もしくは屋内のある地点を通過したときにセンサーで感知して家族や隣人などへ通報するものが対象です。
要介護2~ 予防福祉用具貸与×
移動用リフトには、床走行式と固定式、据置式の3種類があります。
床走行式の場合、つり具やいす等の台座を使用して人を持ち上げ、キャスターで床を移動し、目的の場所へ人を移動させるもの、固定式では居室や浴室等に固定し同様の移動を行うものが対象です。
据置式の場合には、床に置いて同様の操作で移動するものが福祉用具貸与として利用できます。
要介護4~ 予防福祉用具貸与×
尿や便が自動的に吸引される装置で、尿や便の経路となる部分を取り外すことが可能な構造のものが対象となります。
予防福祉用具貸与では対象にならない品目もあるのね。
福祉用具の「貸与と販売の選択制」は2024年に導入されたっポ。
介護保険制度には福祉用具を購入できるサービスもあり、これを特定福祉用具販売といいます。
「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」では、それぞれで対象品目が定められていますが、2024年の介護保険制度改正により、一部の品目は「貸与」と「販売」を選択できるようになりました。
選択制の対象となるのは以下の3品目です。
主に小さい段差を解消するためのもので、持ち運びできるタイプのスロープは除きます。
固定式歩行器または交互式歩行器が対象です。歩行器の脚部はすべて杖先ゴムなどの形状である必要があり、車輪やキャスターがついている「歩行車」は除きます。
カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、プラットホームクラッチ、多点杖が対象です。松葉つえは除きます。
使用期間が短いなら貸与のほうが安そうね。
福祉用具貸与には、メリットとデメリットを紹介するっポ。
福祉用具貸与のメリットは主に以下の3つです。
特に大きなメリットは、購入するよりも費用を抑えられることです。
たとえば、介護用ベッドをレンタルする場合、購入しようとすると最低でも10万円程度はかかります。ところが福祉用具貸与でレンタルすると、全額実費であっても月額1万円程度。
介護保険を利用すれば支払いは1~3割の自己負担額のみとなるため、1割負担であれば1,000円程度でレンタルが可能です。
介護は何かとお金がかかるので、費用を抑えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
心身の状態や環境に応じて、福祉用具の変更や返却が容易にできます。
購入すると使用後の返品が難しく、合わなくても無理をして使い続けたり、再度購入することになります。
福祉用具貸与なら、使用する人や住居環境に合っているかを試せて安心です。
定期的に点検してくれるのもメリットのひとつといえるでしょう。
福祉用具貸与は、各自治体から指定を受けた事業所だけがその事業をおこなえます。事業所には福祉用具専門相談員などの専門のスタッフが在籍し、定期的に訪問してレンタル中の福祉用具を点検してくれます。
使用者の状態に合わせて微調整することも可能です。
購入すると高い介護用品は、レンタルできるとうれしいわ。
福祉用具貸与のデメリットは主に以下の4つです。
福祉用具貸与は介護保険サービスのひとつであるため、基本的には要介護認定を受けていないと使うことができません。介護保険を利用しない場合は自費となり、同じ商品でも値段が変わります。
要介護認定を受けていないなら、まず介護認定を受けましょう。
福祉用具貸与で利用できるのは13品目のみと限られています。
そのうち、特殊寝台(ベッド)や車いすなどをレンタルできるのは要介護2以上と決められているため、要支援1~要介護1の認定では原則利用できません。
しかし、病状などによっては利用可能なケースもあるので、必要であれば担当ケアマネに相談しましょう。
福祉用具貸与はレンタル商品となるため、基本的に新品ではありません。しかし、使ったあとは丁寧にクリーニングして消毒されています。
それでも他人が使用したことに抵抗があれば、担当のケアマネジャーや福祉用具事業者に相談しておくと、商品によっては新品を使わせてくれる可能性もあります。
福祉用具貸与は、カタログから商品を選ぶことがほとんどです。実物を見て選べないために、不安を感じることもあるでしょう。
しかし、ほとんどの事業者がお試し期間を設けているので、数日実際に使ってみてからの決定が可能です。
わたしならデメリットはあまり気にならないわね!
お金が関わることは重要だっポ!料金のめやすを紹介するね。
福祉用具貸与にかかる費用は、商品や事業所によってばらつきがありました。
そこで、国は適正価格での貸与を推進するため、2018年10月からレンタルの上限価格を商品ごとに設定し、全国の平均貸与価格の公表を行うこととなりました。
各自治体では、その地域でよく使用される商品を中心に料金一覧を作成し、商品ごとに全国平均額と最高金額の情報を開示しています。
2026年4月からの価格だっポ。
いくつかの品目からランダムに選んだ商品の「平均」と「上限」を紹介します。
料金の「平均」は全国平均貸与価格、「上限」は貸与価格の上限です。
車いす
NEXT CORE2 MULTI 介助用 NEXT2-41B(株式会社松永製作所)
平均:5,596円 上限:5,940円
車いす付属品
サイドサポートクッション(L) SS-2(株式会社ウェルパートナーズ)
平均:1,271円 上限:1,630円
特殊寝台
楽匠プラス 3M/OP受・キャメル/ボード・多機能グレージュ KQ-A3123/A3323(パラマウントベッド株式会社)
平均:11,850円 上限:12,210円
特殊寝台付属品
脚部U字型ベッドサイドテーブル(ダーク) PT-7500F[D](シーホネンス株式会社)
平均:3,171円 上限:3,640円
体位変換器
もふピタ W-50(フランスベッド株式会社)
平均:1,000円 上限:1,000円
手すり
ルーツHSC<あがりかまちタイプ(高さH型両手すり)> MNTPMKH2BR-C (株式会社モルテン)
平均:4,767円 上限:5,430円
歩行器
MgウォーカーⅣ型 M(田辺プレス株式会社)
平均:2,670円 上限:2,820円
歩行補助杖
四点可動式ぴったりくん(株式会社島製作所)
平均:1,116円 上限:1,340円
福祉用具貸与は消費税が非課税になるんだよ。
福祉用具貸与を利用するためには、まず要介護認定を受けている必要があるっポ。
受けていないなら、そこからスタートしてね。
(1)ケアマネジャーに相談
福祉用具貸与の利用を希望するなら、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。
相談を受けたケアマネジャーは、本人や家族と面会を行い、本人の状態や環境、家族の思いなどさまざまな情報を収集します。
(2)福祉用具貸与の事業者を選ぶ
ケアプランに福祉用具貸与を位置付けたうえで、福祉用具貸与事業者の選定を一緒におこないます。
事業者が決まると、必要に応じて相談員が自宅を訪問し、利用者に合った用具を選定します。
(3)契約してレンタル開始
レンタルする商品が決まったら、商品の説明を受け同意をしたうえで契約をし、福祉用具貸与が開始となります。
レンタルしたあとも専門相談員が定期的に訪問し、アフターサービスをしてくれます。
介護サービスだけじゃなくて、レンタルもケアマネに相談すればいいのね。
要介護度が利用条件にあてはまらなくても、サービスを利用できるケースがあるっポ。
福祉用具貸与では、要介護度によっては対象外となる商品があります。
しかし、心身の状態によっては、要介護度が低くても福祉用具が必要となることもあるでしょう。
そこで介護保険法では、一定の条件に当てはまる場合、軽度者でも医師の所見があれば例外的に福祉用具貸与を利用することができるようになっています。
例外給付となる条件は福祉用具の種類ごとに示されています。
実際に利用したいと思ったら、担当のケアマネジャーに相談して詳細を確認してもらいましょう。
希望や要望があるときには、まずケアマネジャーに相談するのがいいかもしれないわね。
介護が必要な人でも、福祉用具を使えば自立に近い生活を送れることがあるよね。それに、レンタルする種目によっては、家族の介護負担も減るっポ。
レンタルなら体の状態にあわせて商品の変更もできるから、検討してみてもいいんじゃないかな。
*自治体や事業所により、ここで説明した内容と異なる場合があります。詳細に関しては、必ず各自治体・事業所にお問い合わせください。
ハートページナビでは地域の介護事業所を一覧から探せます
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