介護が必要になって外出が難しくなると、特に女性は美容室へ行けないことが不安になるかもしれません。そんな人も訪問理美容サービスを利用すれば安心です。
外出困難でも自由にヘアカットできる訪問理美容のサービス内容や料金、さらに、自治体の助成などについて紹介します。
ただいま！ 美容室に行ってきたのよ。どうかしら？
さっぱりして素敵だっポ！
ありがとう。美容室に行くと髪だけじゃなくて心まですっきりするのよね。でも……。
ん？ なにか心配ごと？
いまは元気だから今日みたいに自分で美容室に行けるでしょう？ でも……もし、歩けなくなったら？ 寝たきりになったら？ そう思うと不安なの。
女性にとって髪や美容は大事だもんね。でも心配いらないっポ！ 訪問理美容っていうサービスがあるっポ。
訪問理美容って？
訪問理美容は、福祉理美容とか訪問美容、訪問理容、出張カットって呼ばれることもあるっポ。
理美容師の資格を持った人が自宅や施設を訪問して髪を切ったり顔剃りをしたりしてくれるんだ。
自宅でヘアカットしてもらえるなんてうれしいわね。
利用するのは介護が必要だったり体が不自由な人だから、介護の資格を持った理美容師も多いんだよ。
でも介護の資格は義務ではないから、要介護度が重くて心配な場合は事業所に聞いてみたほうがいいっポ。
介護の資格も持っているなら、体が不自由でも安心しておまかせできそうね！
介護の資格を持った理美容師がサービスを提供してくれるなら、介護保険を利用できるのかしら？
残念ながら、訪問理美容は保険外サービスになるっポ。
保険外サービスってどういうことなの？
ホームヘルパーやデイサービスなんかの介護保険サービスの料金は、自己負担割合が決まっているよね。所得によって変動はあるけど1～３割の負担ですむからお財布にやさしいっポ。
一方、保険外サービスは、介護保険の適応外になるから全額自己負担になるんだよ。
なるほど。介護保険は利用できないサービスなのね。お金はかかるけど、しかたがないわよね。
そうだね。介護保険は介護が必要な人がほんとうに困っていることを支援したり、自立を目指したりする制度だし、財源が豊富なわけでもないからね。どんなサービスも介護保険の対象にすることはできないっポ。
そうよね。でも、自宅に来てくれるだけありがたいわ。
でも美容院の設備を考えると、自宅で髪を整えるのには道具も必要よね。なにを準備したらいいのかしら？
訪問理美容は必要な道具を一式持って来てくれるから、スペースやコンセントがあれば、利用者が準備することはなにもないんだよ。寝たきりの人のシャンプーだって可能だっポ！
まあ、シャンプーまでしてもらえるの？！
実際にシャンプーだけの利用をしている人もるっポ。ヘアカットやシャンプー以外にも、トリートメント、カラー、パーマ、眉毛カットとか、事業所によっては街の美容院みたいなサービスを提供することもあるよ。
自分で美容室に行けなくなっても、身だしなみを整えられるのはすごくうれしいわ。
訪問理美容は高齢者に向けたサービスよね。何歳から利用できるのかしら？
訪問理美容に年齢は関係ないっポ。その人の状況や身体の状態とかによって、利用できるかが決まるんだ。
たとえば、介護を必要とする高齢者以外にも、障害を持つ人や病気の人、産前産後のお母さんとか。美容室や理容室に行けない、さまざまな状況を抱えた人が利用しているんだよ。
そうね。理美容室に行きたくても行けないケースはいろいろありそうよね。
でも、訪問理美容を提供する事業所のなかには、施設や病院を対象にしていて個人宅へは行かない事業所もあるから、利用したいと思ったら確認してみてね。
心配なのは利用料よね。訪問理美容の料金はいくらなのかしら？ 自宅まで来てくれるから少し高そうよね。
めやすとしては、カット料金が3000～4000円、顔剃りが1000～1500円、シャンプーが1000～1500円程度といったところかな。ほかに、出張料金が1500～3000円程度かかることがあるから注意するっポ。
ところで、おばあさんの行っている美容室とお嫁さんのつぐみさんが行っている美容室の料金は同じ？
え？ どうかしら？ まったく同じ金額ではないと思うけど……。
訪問理美容も同様のことがいえるっポ。法律で定められているわけではないから、料金はそれぞれの美容室や理容室によって異なるんだ。
そこは普通のサロンと変わりないということね。
訪問理美容はちょっと高いと思うかもしれないけど、なんと自治体が助成を行っていることもあるっポ！
えっ！ そうなの？
訪問理美容は介護保険の適用にはならないけど、チケットを配布したりして助成を行っている自治体もあるっポ。ただ「65歳以上の要介護3以上」とか、助成の条件があるからよく確認してね。
利用するなら自治体の情報を調べたほうがよさそうね！ 助成があるなら助かるわ。どの程度の助成があるのかしら。
たとえば、ある自治体では65歳以上の要介護3～5の人に、年4回分の訪問理美容用のチケットを配布しているっポ。そのチケットを利用すれば、1回500円で髪を調整してもらえるんだ。
同じ条件でも別の自治体では、年4回分の理美容券を支給して、利用料金の4500円までは市が負担しているっているケースもあるんだよ。
自治体によって助成の内容も違うのね。ちゃんと確認しておかないと。
わたしも、もし介護が必要になったら訪問理美容を利用したいわ。どうしたらサービスを利用できるのかしら？
訪問理美容サービスをしている事業所に直接電話をして、問い合わせをするといいよ。サービス内容や料金を教えてくれるっポ。
もしくは、地域包括支援センターや市町村役場に聞けば、助成についても教えてもらえるんじゃやないかな。あとはケアマネジャーに聞けば、評判の事業所を教えてくれるかもしれないね。
ホッとしたわ。これからもずっとキレイでいたいもの。
そうしてほしいっポ！ いつまでもおしゃれでキレイなおばあさんでいてね。
身だしなみを整えることは、若々しさや生きる活力を与えてくれるっポ。もちろん、介護が必要になっても同じだし、男性でも同じことがいえるよね。
理美容室に出向くことが難しくなったら、訪問理美容サービスを利用してみてね。
＊事業者や自治体により、ここで説明した内容と異なる場合があります。詳細に関しては、必ず各事業者・自治体にお問い合わせください。
著者：柴田 まみ
新着記事
介護を学ぶ はーとん教室
訪問介護とは？メリット・デメリットや利用料金を簡単に解説
記事を読む >
デイサービス（通所介護）とは？簡単にわかる特徴・サービス内容・利用の流れ
記事を読む >
ショートステイとは？費用や宿泊できる期間はどのくらい？
記事を読む >
ケアマネジメント（居宅介護支援）とは？わかりやすく解説
記事を読む >
訪問入浴介護サービスとは？料金や利用対象者をわかりやすく解説
記事を読む >
訪問リハビリテーションとは？サービス内容や料金をわかりやすく解説
記事を読む >
デイケアとは？デイサービスとの違いや利用料金をわかりやすく解説
記事を読む >
小規模多機能型居宅介護とは？3つのサービス内容とメリット・デメリット
記事を読む >
居宅療養管理指導を利用する3つのメリットとは？料金もまとめて解説
記事を読む >
福祉用具貸与とは？介護保険でレンタルできる13種目一覧
記事を読む >
特定福祉用具販売とは？介護保険が利用できるのはこの種類！
記事を読む >
住宅改修とは？介護保険でできる上限20万円の介護リフォーム
記事を読む >
定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは？わかりやすい料金やサービス内容
記事を読む >
夜間対応型訪問介護とは？利用できる対象者や料金をわかりやすく解説
記事を読む >
介護サービスにはどんな種類がある？サービスごとの特徴や利用条件を解説
記事を読む >